表紙をめくりました。右ページは出版業界では「表2」と呼ばれる部分です。左のページは「表2対向」と呼ばれます。この見開きは中面でもっとも目に触れやすいことから、価値があり、雑誌の場合はほぼ同一メーカーの広告が入っています。
広告の花形ともいえるポジションを飾っていたのは、「インデアン」だったわけです。
インデアンの表記には違和感を覚えますが、こちらもH-D同様に見慣れたロゴなので、何だか親しみやすいですね。あれ、でも右のロゴはインデアンズになってますね……。
このページ以降、当時の広告ページがしばらく続きます。
それはまた次回にでもご紹介するとして、目次へ移ります!
これが目次です!
ん、何だか妙なデザインで違和感があります。あ、これは!!
じゃーん!! 観音開きになっていました!
見にくいでしょうから、1ページずつに分けますね。
巻頭記事は「實用オートバイの未来」のようです。「實」という漢字は「実」旧字ですね。
以降も魅力的な記事が続いています。気になったタイトルをピックアップ!(以降は旧字を現代の常用漢字に直して紹介します)
・鉄時代去りアルミニウム時代来らん
・私の遠乗哲学
・米国人のTTレース観
・サイドカーの運転手試験を簡易にせよ
・笹子の峠を突破し、上高地を征服するの記
・突破す旅順東京間二五〇〇里
・伊豆半島と富士五湖巡り
・日本景勝巡り短信
これはwebオートバイ編集部の印象ですが、
意外といまの総合系バイク雑誌と変わらないバランス感!?
ツーリング記事は現在の月刊『オートバイ』より多めです。それにしても「伊豆半島と富士五湖巡り」なんて、いまでもド定番! 90年前はいまと比べられないほどキツい道のりでしょうけど。
左ページはこんな具合です。
・TTレース印象記
・ゴム・タイヤが出来るまで
・珍しいフレームのいろいろ
・電気と抵抗
・チエィーンの手入
・何故ガソリンは蒸発するか
・インデアンとハーレーの新型
・読者の声
・ロッキー山中で黄金を掘る
「自動自転車の研究雑誌」らしい内容になってきました。
「ゴム・タイヤができるまで」や「何故ガソリンは蒸発するのか」、それに加え右ページにあった「鉄時代去りアルミニウム時代来らん」などは時代を感じさせますね。まだ馴染みの薄い素材や燃料だったのでしょう。けれど、いま改めて企画しても面白そうです。
「TTレース印象記」でレース情報、「チエィーンの手入」でメンテ企画も入れていて、やっぱり総合誌ですね。いまも昔もそのスタンスは変わりません。