結局、リンスがロッシを抑えきって優勝! リンスはMotoGP初優勝、スズキがMotoGPで勝ったのは、2016年イギリスGP以来、約2年半ぶり。リンスは今シーズン初、キャリア6度目の表彰台が優勝で、ランキングも3位に浮上。チャンピオン争いのメンバーにキッチリ加わりましたね。
今シーズン前にリンスにインタビューする機会をもらったんですが、こんなこと言ってました。
「今年は早いうちに初優勝したいなぁ。今年のGSX-RRはハイスピードコーナーがイイから、アルゼンチンとかオーストラリア、カタール、ミサノ、セパン、ヘレス……あとはもてぎも大好きだから、この辺では優勝したい」
アレックス、COTAが抜けとるがなw
「うれしいなぁ! この気持ち、どう言葉にしていいか、わかんないよ。COTAに来てくれて、大応援してくれたみんな、ありがとう! スズキの本社にもありがとう! 今年のバイクを作るのにものすごがんばってくれた! 僕も精いっぱいがんばったよ! すんごいうれしい! だって見てよ、バレンティーノに勝ったんだよ! 僕が小さいころからのアイドルに! ありがとう、ホントにありがとう!」とリンス。
ウィニングランが初々しかったですね。ぶんぶん腕振り回してガッツポーズしまくって、誰彼かまわず抱き合って、まわりのみんなにぶんぶん叩かれて(笑)初優勝で、この喜びよう。どっかで見たことがあると思ったら、1988年に鈴鹿で初優勝したあの人の喜び方に似てましたね。ほら、ペプシガンマのケビン・シュワンツです^^ リンス、このままシュワンツのような「ミスタースズキ」になれるでしょうか。
リンスに負けたものの、17年のオランダGP以来の復活優勝まで手が届きそうだったロッシも、今日のリンスには脱帽、と。何度も言いますが、ロッシ今年40歳ですからね。開幕3戦、5位→2位→2位と、まったく素晴らしい!
「優勝できなくて残念。マルケスが転んでいるところを見たときには『イケるかも』って思ったんだけど、リンスに追いつかれちゃったね。全力で逃げたんだけれど、終盤はリンスの方が速かった。僕のライディングは悪くなかったんだけど、抜き返せなかったね。ずいぶん長いこと優勝してなくて悔しいけど、状態はいいからまた優勝を狙っていくよ。最終ラップ、いい走りができたんだけれど、2位=20ポイントを捨てるような馬鹿な真似はできないさ。今シーズンはいいよ。バイクも良くなってトップグループでレースができているからね」(ロッシ)
3位表彰台を獲得したミラーは、ドビツィオーゾを抑えきって、’16年のオランダGPで優勝した以来の表彰台。ドライコンディションでは初表彰台になりますね。開幕戦こそシート外れたりだなんだのトラブルでリタイヤしちゃいましたが、アルゼンチンで4位→ここで3位と安定してます。3戦連続6位のファクトリーライダー、ペトルッチの座、危うし!
「この週末、ずっとバイクの調子はよかった。スタートも決まったから、ずっとトップグループでレースできたんだ。今シーズン、ずっといいマシンに仕上げてくれるチームに感謝したい」とミラー。チームはメインスポンサーのAlmaが不祥事やらかして離脱し、メインスポンサー不在でシーズンを戦っていまして、今回のみ、あの「ランボルギーニ」がカウル側面にロゴをばーん! これ、アメリカズのみのサポートらしいんですが、この成績を見続けてくれるといいのにね……。
4位には予選13位から追い上げてのドビツィオーゾ、5位にモルビデリが自己最高フィニッシュ! チームメイトのファビオ・クアルタラーロも7位と自己最高位更新。このチーム、なにげにスゴい! チームランキングでも、サテライトチームとしてはLCRホンダ、プラマックドゥカティに続く3位につけています。新造チームなのにね。これはスゴい。
これでMotoGPか開幕3戦の「フライアウェイ1」を終了。開幕戦からのウィナーはドビツィオーゾ、マルケス、そしてリンスと、安定の顔ぶれにサプライズも混じりましたね。次戦ヘレス・アンヘル・ニエト・サーキットでのスペインGPは5月4日。日本は10連休終盤で、翌月曜が振り替え休日ですから、夜更かしして観戦できますね!
MotoGP第3戦 アメリカズGP正式結果
1 アレックス・リンス スズキ 41分45秒499
2 バレンティーノ・ロッシ ヤマハ +0.462s
3 ジャック・ミラー ドゥカティ +8.454s
4 アンドレア・ドビツィオーゾ ドゥカティ +9.420s
5 フランコ・モルビデリ ヤマハ +18.021s
6 ダニロ・ペトルッチ ドゥカティ +21.476s
7 ファビオ・クアルタラロ ヤマハ +26.111s
8 ポル・エスパルガロ KTM +29.743s
9 フランチェスコ・バニャイア ドゥカティ +30.608s
10 中上貴晶 ホンダ +31.011s
写真/motogp.com YAMAHA Honda 文責/中村浩史