優れたパッケージ、スクーターは現代でここまで進化した
ADV150の商品説明時にもあったのだが、日本のスクーター市場はビッグスクーターブームとその後のしぼみ方が非常に激しかった。ブームの頃、オフロードバイクにぞっこんだった方は、あまり興味も無かったと思うが、実はこのブームの時代を経て、日本のスクーターはものすごい進化を遂げている。非常にショートなモデルチェンジを経る毎に、運動性能を飛躍的にアップさせていて、仕事で乗る度に「スクーターは、すごく面白いことになってきている」と思った次第だ。ブームの頃進化したのは、街中で五月蠅かったマフラーや、オーディオだけではない。スロットル操作に対して、車体を上下に揺らすこと無く(昔のスクーターは、スロットルを開けると前に進むというより、少しリアを沈ませてワンテンポ遅れて前に出るような印象…ありません? まあ、サスがもう寿命の車両が多かったというのもあるんだろうけど)、実に実直に前に出る。スロットルに対して、リニアに反応し、ハンドリングもオートバイのそれに、どんどん近づいていた。
ブームの終焉とともに、その技術はミドルスクーターへ移っていった。125cc、あるいはこのADVの150ccクラスの、いわば通勤クラスだ。
ADV150は、ビッグスクーターブーム時代にメーカーが蓄えた知見を集合させていることもあって、コンパクトながら、とても上質。しっとりしたハンドリングに、どこからでもついてくるFI・駆動系に支えられたエンジン、そして上述したディスクブレーキ。これで冒険にいこうとは言わない。林道くらいなら走って楽しめると思う。だが、繰り返すようにそういうことじゃない。オフ好きな人達が、存分に街乗りムードを楽しめる、そんなところですべてのオフ好きに、「おひとつどうですか」と言いたい。