今回のインプレを担当した和泉拓は言う。「車高調整はかなり自然動き。下がる時は1秒くらいでわかりやすい。でも、上がる時は自然にあがるので、上がってる感じはわからない。上がってるな、という感覚はないですね。
実際、サスペンションの上下運動がないと上がらない仕組みだから、低速ではあまり早くは上がらないようでした。ただ、低速で走っているから、上がってくれなくても気にはならないですね。シャコタン状態でもハンドリングがあきらかに「違うな」という感覚ではないので、おそらくあまり気づかないで使えるのではないかと思います。
下がる数値は30mmに設定してあるとのことですが、相当低いですね。サスペンションでローダウンするには、ロットを詰めたり、リンクで下げたりして足つき性を求めますが、そうすることで必ずサスペンション性能は落ちます。でもこれはその欠点が無い。重さとコストさえクリアできれば、スポーツバイクにもつけてみたいデバイスだと思いました」と。
高身長の和泉にとっては、あまりピンとくるものがない車高ではあるものの、逆の可能性にも気づいている。「車体姿勢が破綻しないかぎりもっと足を伸ばせますよね? 240mmストロークで足付く人にはモッサーのサスを付けても、アフリカツインを乗りこなせるってことですよね。製品化するかは別としても技術的にそういうのができるようになるのは面白いですよね。
僕はスタンダードのKTM790Rにハイシートを付けてますが、足はつくけどかかと両足はつかないし、そこから30mm上がったら僕でもギリギリ。極端な例を出すと450ラリークラスの長いサスペンションを備えるけど足つきは良くて、ポジションも変にならないそんな事もできるんじゃないですか?」とのこと。
だが、このハイトフレックスは、SHOWAが推し進めている「EERA」プロジェクトの一環にすぎない。