2021年、2つの開幕戦
JNCCとJECの両立と、その目標
ヨシカズは今年、JECとJNCCどちらもフル参戦を表明している。そして新生GASGASとしてまず開幕を迎えたのはJNCCだった。
コースはプラザ阪下。優勝は馬場大貴。ヨシカズは一時的に3番手まで順位をあげるも、5位でフィニッシュ。上にも下にも、モトクロスIAがひしめく。
「ニューマシンは開幕までになんとか20時間くらいは乗ったんですけど、走り込むって言うよりかは、セッティングを出した感じです。コンスタントに細かいところを詰めながら、分析して乗ってました。9年前に初めてキッズ&トライに出た時には、まさか自分がCOMP-AAに出ることになるなんて、想像もしていませんでしたね。
本当にJNCCに育ててもらったと思っています。星野さんにも小さい頃からずっと目をかけてもらっていましたし、少しでも恩返しができれば嬉しいです。学さん、健二さん、馬場さん、小林さん。この人たちをどう超えるか。目標は今年の9月に誕生日を迎える前、10代のうちになんとか一回総合優勝して、僕より下の世代にそれを見せてあげたいです」
そして第2戦の広島。久しぶりの4stマシンEC250Fで出場し、自己最高位の総合4位に。それでも本人的には悔いの残るレースだったという。
そしてJECも開幕。まずはマディの広島だった。
キッズの頃からマディに強いヨシカズだが、IAのトップ陣に囲まれては、もはやそのアドバンテージは、無いに等しい。
「まさかリアのブレーキパッドを2回も変えるとは思いませんでした。みるみる間に削れていって、2〜3周に一回交換しないとダメでしたね。フロントも最後にはなくなって、後半はブレーキパッドを温存しながら走らなければいけませんでした。絶対何かあると思って予備パーツをたくさん持って行ってよかったです」
優勝は大ベテランの鈴木健二。飯塚翼が2位でヨシカズは3位。妹のアスナも高校最後の年ということで本格的にJEC参戦しており、ウィメンズクラスで優勝。
「今でもマディは好きですよ。でも今回はとにかくツバッチ(飯塚翼)が速かった。トモ(酢崎友哉)もIBでダントツで勝ってるし、成田のライダーはマディに強いですよね。あそこは乾いてても常に滑るコースですから。やられたなぁ、という気分です。今年はなんとか頑張ってチャンピオンを獲って、前橋くんの最年少記録を塗り替えたいと思っています」
実はこの開幕戦、昨年のチャンピオン・釘村忠がマシントラブルでリタイヤしている。全7戦のうち1戦がノーポイントというのは、想像以上にデカイ。さらに鈴木健二は日高でトレールマシンでのエントリーを余儀無くされる。
ただし、今年から採用された新しいポイント制度によって、1位が25pt、2位が20pt、3位が16ptと、順位によるポイント差が拡大しているため、決して油断はできない(昨年までは1位が25pt、2位が22pt、3位が20pt)。しかしこれは、もしかするとヨシカズや飯塚のような若手にもチャンピオン獲得のチャンスが巡ってくるのでは無いか、と僕個人的には白熱するチャンピオン争いに期待してしまう。