コンセプトや手法を明示した10台! WEB上で7000人が投票
例年夏(2022年は6月29日から7月3日を予定)にフランス・ビアリッツで開かれるイベント、ホイール&ウェイブス。このところ数年はホンダがカスタムバイクの展示を行っていたが、’21年はイベント自体が中止に。ただ、事前に欧州各地=スペイン、フランス、ポルトガル各国のホンダディーラー10件は展示に向けてカスタム車両の製作を進めていたので、それらの完成を待って撮影を行い、ホンダカスタムのウエブサイト(www.hondacustoms.com)上で人気投票を行うことにした。
今回のベースモデルは4気筒ミドルネイキッドのCB650R。そのスタイリングや4気筒エンジン、スチールダイヤモンドフレームといった基本の構成は生かしつつ、手を入れていく。極度に難しいものでなく、カラーリングやパーツ選択、そしてそれにともなう加工でディーラーは腕を奮った。ウエブサイト上ではまずどんなコンセプトかを提示し、それに従ってどんな内容に仕立てたかも併記し、仕上がりとともに見てもらい、各人のタブレットやPCで写真タイルをタッチして投票する。
Part1の今回は、およそ7000人による投票の人気上位3台を紹介していこう。
1位となったのはポルトガルのモトトローファによる「CB650Rフェニックス」。全体の29%という高得票率を得たこのモデル、車名はディーラーが2019年に遭った火災からの復活の象徴という意味も込められている。#93は同社の創業年(1993年)とホンダのヒーロー、マルク・マルケスをオーバーラップして全体とともにNexx Helmetsがペイントしたものだ。
2位はフランスのウエルテルホンダ製CB650R BMX、3位もフランス、エスパスモトスのCB650Rフォア・リミテッドエディション。ほかの7台(4位以下の順位は非公表)もそれぞれになるほどとうなずけるコンセプトの表現がなされていて、ここからまた新しいCB、新しいホンダスポーツのヒントが得られてきそうに思える。
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モトトローファ・ホンダ CB650R
第1位となったモトトローファのCB650Rは、フレームの赤を各部のアクセントにも使い全体に統一感を生む。タンクエンドのFEnixはラテン語でPHOENIX(不死鳥)。テール/シートカウルはドイツA&B Motoparts製。タンデムステップ部にプレートを足して空間を隠す工夫もされる。
フューエルタンクキャップはイタリアの人気ブランド、リゾマ(rizoma)製。細かい部分からもカスタム感を作り込もうとしている。
VFR750Fから流用装着されたプロアームと片持ちリヤホイールでネオスポーツカフェのスタイルを強調。排気系はアクラポヴィッチをチョイス。
プロアームは本体のみを流用し、ダイレクトタイプのモノサスはフレーム側もショックもCB650R用。フロントホイールはCBR900RRから流用している。
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ウエルテル・ホンダ CB650R
こちらは2位となった、フランスのウエルテルホンダ(Werther Honda)が手がけたCB650R BMX。「BMX(バイシクルモトクロス)車両でウイリー(スタント)するように、楽しくスタイリッシュに」がテーマ。BMXイメージの仕立てで、その軽快感とパフォーマンスをCB650Rに投影して高い人気を得た。
ヘッドライトとテールライト、ウインカーはスモーク仕立て。車体全体をブラックとした上でゴールドとイエローでアクセントを付けている。
3.50-17/4.50-17サイズの純正ホイールもゴールド仕上げが施され、タイヤはホワイトリボンタイプに見えるようにして軽快感を出した。ドライブチェーンも車体に合わせたゴールド&ブラック。ショートレシオ化もなされ、アクラポヴィッチエキゾーストとで加速重視のセッティングになっているという。
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エスパス・モトス CB650R
2位に僅差の3位得票となったエスパスモトス(Espace Motos)のCB650Rリミテッドエディション。CB1000R、そして今当地で人気が高いというCB650Rというホンダ・ネオスポーツカフェに、元祖4気筒CBたるCB750Fourのレジェンダリーエレメントを追加した1台だ。
外装はかつてのCB750Fourイメージのメタリックグリーン×ゴールド×ブラック。ウイングマークとHONDAロゴも分けて配している。カフェレーサーらしいバーエンドミラーはPIUG(プーチ)製のアルミ削り出し品。リザーバーキャップはイタリアEVOTECH製、レバーも変更した。
シートはCB750Four当時(1970年代)風にダイヤモンドステッチと凹凸を付けたブラウンレザーとし、ベルトロゴも当時風フォントになっている。