新世代の電動バイクで行く、自然あふれる別天地「小菅村林道ツーリング」
林道ツーリング、MTB、ハイキング。山の中に入って自然と溶け込む遊びが私は好きです。とりわけ風を感じられる林道ツーリングが好きで、林道の地図を書くのがいつしかライフスタイルに。20年前に上梓した『夫よりバイク!? 激走ママが見つけたヒミツの林道183』(造形社)をきっかけに、“林道ママ”としていろんな林道を媒体で紹介してきました。
そんな私ですが、ときどき下りで愛車セローのエンジンを切ってみることがあります。それは、もっと自然を感じてみたいから。エンジンの振動や音がない世界は、いつも新鮮な気分に浸らせてくれます。フロントタイヤが落ち葉を踏みしめカサカサとした音を立てたり、石ころをコロコロと転がす音を立てたり、小滝が奏でるわずかな水の音が少しずつ聞こえてきたりします。まるで、自転車や、ハイキングと同じような体験ができるんです。エンジン音がないバイクがあったとしたら、素晴らしいんじゃないかと思っていました。
だから、電動バイクが世の中に出始めたことにすごく興奮しました。より自然に溶け合うことができる林道ツーリングが、そこにあるんじゃないかなって感じています。この連載企画『ミライ・リンドウ』で電動バイクが題材になると知って、本当に楽しみでした。いよいよ、こういう時代が来たんだなって。実際に林道を走ってみると電動モーターの静かな走りは自然にとけ込んでくれました。スロットルを大きく開けてもモーター音はわずかに大きくなるだけだから、自然の中を散歩しているようにそよ風にざわめく木々の音が心地良かったです。バイクで走行するのとは全く異なる体験でした。
まずはカオフェンの試乗を兼ねて、都心から気軽にアクセスできる奥多摩湖の上流、小菅村に向かいました。
道の駅こすげをスタートし、豊かな森林に囲まれた小菅川沿いを東へ向かいます。1本目の林道は、標高1288mの鹿倉山の裾野を走る「林道棚沢今川線」。東側の林道入口に辿り着くと、グングンと上って行きます。雰囲気のいい林間を見つけたので、途中の斜面でカオフェンを止めてみたり。再スタート時は車体の軽さに加えてトルクがあるため、アクセルを開けた瞬間に上り始めました。これには感激。その後もお気に入りの場所を見つけては、気兼ねなくバイクから降りて撮影することができました。この林道は明るく、終点近くの林間から小菅村が見えました。また、終点後のヘリポートからは、迫る山並みが広がっています。
1本目の林道を抜けると、1㎞の移動で「林道コアラシ線」の入口に到着。ここからは「林道コアラシ線~大菩薩線~林道小菅線」とつなぎ、ピストンで往復します。ダートは片道約4.7㎞。「林道コアラシ線」のクネクネとした道をスタンディングで入っていきます。この道、獣避けの網が張り巡らされていて道沿いの景色はイマイチなんですが、辺り一帯は美しい水をふもとに届ける多摩川水源林で、私たちを囲む緑も美しく、降り注ぐ陽光の爽快感がたまりません。
爽快な砂利道を下り、解放感が楽しめる地点へやって来ました。前方に山並みが姿を見せると、舗装路の「林道橋立線」に突き当たります。ここから、左折し少し下ると「大菩薩線」に突き当たり右折。ここから先は小菅川渓谷沿いの秘境ムード漂う道となります。
ダート2.4㎞後「林道小菅線」へと名称を変えますが、全線舗装です。小菅線の終点にカオフェンを止めると、徒歩で白糸の滝に会いに行きました。青々とした木々に囲まれた遊歩道は涼に包まれた避暑地のようで、エンディングにふさわしく、白く美しい滝が出迎えてくれたのでした。
相棒、カオフェンは素晴らしい出来映え
カオフェンのフレームの素材はマグネシウムとアルミニウムの合金で強度アップ&重量減となっています。また、大きなバッテリーボックスはステップに立つと身長152㎝の私でもひざ下の位置にあるため、背が低くても足の左右の可動域が広くバランスが取りやすくなっています。さらに、低重心なので本来の重量よりも軽く感じました。デコボコ道がラクに走行できたことがとても嬉しいです。
今回、1日の走行距離は37.5 kmでした。そのうちダートは17.5㎞で、液浸冷却リチウムバッテリーは満充電の状態から残量70%。計算すると走行可能距離推測は125kmとなります。林道ツーリングで遊んでこの推測距離は満足ですね。私のオグショーバイクトランポで現地まで行けば林道ツーリングを十分に楽しむことができました。
カオフェンとの初めての林道ツーリングは、ただただ楽しいかぎりでした! のんびりとデポ地に戻る途中で、清らかな沢水の恵みであるワサビ田がちらりと見えたりもしました。これから、色んな場所へカオフェンと林道ツーリングへ遊びに行きます。皆さま、どうぞ楽しみにしてくださいね!
電動オフロードバイク CAOFEN 公式WEBサイト
https://www.caofen-japan.com/