DAY2のレースはDAY1よりも2時間早い朝6時にスタート位置に集合し、7:30にスタート。マイナスの気温に耐えながら、配られたDAY2のGPSデータをチェックする水上と佐々木。
DAY1を制した韓国チャンピオン、チェホンと交流するチームジャパン。ブリーフィングで前半30分ほどのルートが一部キャンセルとなることが発表された。ブリーフィングは全て韓国語で行われるため、日本チームは一つも理解できなかったが、仲良くなった韓国ライダーやメディアチームがちゃんと教えに来てくれた。
DAY1はゼッケン順のスタートだったが、DAY2はDAY1の成績順でスタート。最初にスタートを切ったチェホンはモトクロス出身のライダーらしいが、勢いだけではなく低速トルクを上手に使ってヌルヌルとヒルクライムを登っていった。
4番手スタートだった山本はすぐに一つ順位を上げて3番手に。佐々木、原田、水上の順で続々とクリア。水上はDAY1をタイムアウトしていたため、かなり後方からのスタートだったが、スタートから30分ほどの地点で早くも大きく順位を上げていた。さらに狭いヒルクライムでも華麗なフローティングターンを駆使してゴールドクラス2台をパッシング!
最初にCP1にたどり着いたチームジャパンは山本ではなく、佐々木。ここで、スタッフに入った無線の情報から、山本がミスコースしてこのCP1をスルーしたことが判明した。山本は既にCP2に向かってしまっているとのこと。失格こそ免れたが、大きなペナルティは避けられない。
佐々木に続いてCP2を通過したのは原田。各国のメディアやたくさんの観戦客が集まる岩場のヒルクライムをあっさりと押し上げ、日本人の「押し」テクニックを披露した。
原田から少し遅れて水上。この時点で原田と水上の差はかなり詰まっていた。
CP2からすぐのところにある枯れ沢にて、原田と水上。レースも中盤を過ぎたが、2人とも疲れは見えない。
レース開始からおよそ5時間後、山本がゴール地点に到着! この時点で既に#28、#22、#1の3人のゴールドクラスライダーがゴールしており、山本は4番手だ。あとはCP1をスルーしたペナルティがどれだけ付くかで順位が確定する。
山本礼人
「僕はチェホンよりも3分遅れでスタートしたのですが、途中でチェホンに追いついて、一回抜いたんですよ。そしたらチェホンに『お前ルート間違ってないか?』って言われたんです。僕はミスコースをしている自覚がなかったので『いや、大丈夫だ!』って言って。でもCP2に到着した時にユンがいて、『お前CP1通ってないだろ。ペナルティあるぞ』って言われました。なんなら僕はそこがCP1だと思ってましたからね。
でも一緒に走ったことでチェホンの走りをしっかり見ることができたのですが、はっきり言ってテクニックは僕の方が上だと思います。ヒルクライムでめちゃくちゃ押すんですよ。そして韓国の路面はすごくグリップが良いから、進むんですよ。日本では押しても絶対に上げられないような見た目のヒルクライムでも、けっこう下から押し上げられるんです。この辺はルーマニアクスと似ていますね。僕らは押しても上がらない日本の土に慣れてるから、失敗したら一回降りて登り直すのですが、彼らは押せば上がることを知っているから押す。その辺の経験の違いがタイムにも出ていると思います。
その後、佐々木さんに追いつかれて一緒に走ったのですが、僕がミスコースしたことを知っていて、めっちゃ嬉しそうでした(笑)。全体的にセクションの難易度はそんなに高くないのですが、周回するのに必要な技量はG-NET黒ゼッケンレベルだったと思います。ただルーマニアクスと違って『失敗したら確実に死ぬ』ようなセクションはないので、楽しく走れました。もしルーマニアクスに出たいと思ってる人がいるなら、その前にこのサンリムを経験することをお勧めします」
まもなく佐々木もゴール。
なんと佐々木はCP2の少し前でリアブレーキを破損。「効きが悪い」ではなく、完全にリアブレーキなしで後半のコースを走破してきた。
佐々木文豊
「今日はスタートから結構難しくて楽しかったです。CP2の少し手前のガレ場でちょっとバックした時にリアブレーキのキャリパーをヒットさせてしまったみたいで、それからしばらくは付いていたのですが、効きが悪くなって、ヒルクライムで失敗して転んだ時に完全に外れてしまいました。なんとか完走することができて良かったです。サンリムのゴールドクラスはルーマニアクスのシルバークラスよりもちょっと難しいかもしれません。ゴールドクラスだけのセクションはあまりなくて、1日に5個くらいですね。すごく難しいところもあればそんなに難しくないところもありました。シルバー以上はG-NETで20番以内くらいじゃないと厳しいかもしれません」
原田皓太
「今日はずっと一人旅でしたね。DAY2の方がコースが難しくなると言われていたのですが、昨日のコースの方が全然難しかったです。今日はコースもわかりやすかったですし、昨日壊してしまったフロントブレーキディスクをユンファクトリーのメカニックに交換してもらって、ノートラブルだったのも大きいですね。また昨日はリアタイヤにVE33s GEKKOTAを使ったのですが、今日はJX8 GEKKOTAに変えてみました。このコースにはJX8の方が良かったですね」
水上
「僕はスタート順が遅かったので、序盤のヒルクライムでシルバークラスがすごい渋滞してしまっていてどうしても登れなくて。他のライダーに『お前はもう先に行け』って言われて仕方なくヒルクライムをキャンセルしてしまいました。これでペナルティがあったら仕方ないですね。でもそのあとは順調に走ることができて、コータ(原田)がもう近くにいるって聞いていたので追いつきたかったのですが、最後まで追いつけませんでした。昨日は完走できなかったので、今日はゴールできて本当に嬉しいです!」
また、ゴールしたチームジャパンはみんな一様にあるセクションの話を口にした。それはCP2の後、コース後半に出現するヒルクライム。ヒルクライムの一番上にコースの目印となる青いテープが貼ってあるが、どう考えても登れない高さで、仕方なくヒルの手前からキャンバーに入ったという。
山本「ヒルクライム登った後のすごいキャンバーどうしました? 本当はもう少し上にテープがあったけど、あんなの全然届きませんよね?」
原田「あれは届かないですね。キャンバーにはラインがついてなかったけど、できるだけGPS沿いに走るために横へ横へ、落ちないように慎重に移動していきました。昨日、僕と佐々木さんと2人で押し上げたところから行けば、行けるのかもしれません」
山本「僕はそこを何回もやって。最後はキャンバーから加速して3mくらいヒルクライム登らないといけなくて、失敗して落ちて40分くらいロスしてしまいました。そしたら佐々木さんが追いついてきたんです」
水上「僕はあそこ発射台みたいなのがあって、怖かったけど頑張ってやりました。ラインが全くわからなくてコータに電話してラインを聞こうかと思ったくらいです。『これほんとにみんな行ったの?』って」
レースはこれで終わりだが、表彰式や順位、韓国の旅の総評に着いては、また別に記事を作りたいと思う。お楽しみに!