※本企画はHeritage&Legends 2021年7月号に掲載された記事を再編集したものです。
レプリカは水冷に譲り後期油冷はネイキッドとの親和性を新たに得る
’90年代に入ってGSX-Rシリーズが水冷化した後、油冷には新たな道が開けた。ネイキッドモデルだ。
他社で用意されたのは空冷が主だったが、スズキでは〝らしい〟エンジンとして油冷が選ばれた。レースの機能をストリートでと作られた油冷のメリットはここでも生きた。
最終的には排出ガスと騒音の規制により、その歴史を閉じることになるが、現存する車両はまだ楽しんでいけるはずだ。
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’90年代に入ってネイキッドモデルとして新たな道を開く
GSF1200(1996-2000)
’80年代後半から実用的なカウルレスモデルやツアラーに転用された油冷だが、’90年代のネイキッドブームに現れたGSF1200とハーフカウル装備車Sで再び脚光を浴びる。後期型1100を1mmボア拡大した1156㏄を鋼管ダブルクレードルフレームに積み、スポーツ色を強く見せた。
INAZUMA1200(1999-2000)
ショートホイールベース+油冷パワーで過激感もあったGSFに続いた油冷ネイキッドは’98年からのイナズマ1200。780mmの低シート高やBST36→BSR32+TPSとしたキャブなどでマイルド化を計り、スタイルもオーソドックス。誰にでも扱いやすい実用的な1台として展開した。
GS1200SS(2001-2003)
イナズマ1200のフレームを補強し、φ79mmボアのバンディットベースエンジンを搭載。’80年8耐優勝のGS1000Rをモチーフとした外装を架装した2本サスモデル、GS1200SS。当初ブラックから2年目に青×白、3年目に黒×赤と、往年のスズキレーサーモチーフカラーを展開する。
Bandit1200(上)/Bandit1200S(下)(2001-2005)
油冷モノサスネイキッドのGSFをモデルチェンジしたのが2001年のバンディット1200とハーフカウル仕様の1200S。鋼管ダブルクレードルのフレームワークを直線基調としホイールベースは短縮、キャブと点火を変更することで元気良さを維持しつつも扱いやすさを高めていた。
Bandit1200(上)/Bandit1200S(下)(2006-2007)
バンディット1200/Sは、’06年にモデルチェンジしヘッドライトまわり等外装(Sではカウルも)を変更。スイングアームも45mm伸ばし、シートも2段調整式とする。同年後期には’07年型=ファイナルモデルとして特別仕様車(写真、両車とも)を設定した。
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従来型油冷を発展させた上でFIと組み合わせた最終型
GSX1400(2001-2008)
GSF1200系油冷をベースにボア拡大/ヘッドまわり新作で1401㏄とし、ツインフラップのSDTVを持つFIを組み合わせたネイキッドがGSX1400。排気系は左右出しから’05年にメガホンタイプ集合となり(写真上の黒車両は同年の特別仕様車)、’08年型でスペシャルエディション(写真下)を設定した。この’08GSX1400が、GSX-R系油冷の最終型となる。