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早くも今シーズン第2戦を迎えたJNCC、第1戦と同様にトップライダーですらミスを招くセクションがレースのスパイスとなった

JNCC Rd.2 ビッグディア広島
日時:4月2日
会場:広島県テージャスランチ

このノリは……GNCCのようだ!

ライダー達のレベルが向上するにつれ、日本のクロスカントリーレースはハイスピード化していく。通常、スピードが上がれば上がるほどトップ陣の差も拡がりやすく、レース展開は単調になりがちだ。しかし今年のJNCCはそうではない。開幕の巨大丸太に続き、広島に登場した難所は2段ヒルクライムの通称「ラスベガス」。1段目でしっかりスピードが落ちてしまい、2段目の助走はほぼゼロからスタートとなるためAAライダーでもミスが多くなってしまうほどの難度だった。さらに、ヒルクライム後に続く右へのターンも、右側のラインが難しく設定されていてイン側をとりづらいという絶妙なライン作り。イン側へチャレンジするライダーにはギャラリーから賞賛の拍手が送られるほどだった。

画像1: このノリは……GNCCのようだ!
画像: ラスベガスを走る渡辺

ラスベガスを走る渡辺

クロスカントリーの本場アメリカGNCCでも、勝負ポイントとなるセクションが見どころであることが多い。観客もそのセクションに集まるため、ライダーはここぞとばかりに攻める。

画像2: このノリは……GNCCのようだ!

このラスベガスの他にも、テージャスヒルとよばれるエルズベルグロデオのような直登ヒルクライムも設定された。今大会の会場となったテージャスランチは近年モトクロスサーキットが増設されたことで、テージャス山が削られている。モトクロスサーキットができる以前は、テージャス山をのぼらせるヒルクライムが名物だったこともあって、古くからのJNCCファンには懐かしさのあるセクションの復活となったはずだ。

馬場大貴、手痛い脱落。渡辺学、手堅い2勝目

画像1: 馬場大貴、手痛い脱落。渡辺学、手堅い2勝目
画像2: 馬場大貴、手痛い脱落。渡辺学、手堅い2勝目

エンジンオフからの一斉スタートがJNCC AAクラスの見せ場であり醍醐味。先陣を切ったのは渡辺学と馬場大貴だった。シーズン開始前から最も注目される、最多チャンピオン経験者の渡辺と、現チャンピオン馬場のバトルはまさに1周目から始まることになる。後続には、カワサキの熱田孝高がにらみを効かせるが、次第に渡辺と馬場が集団から抜け出る形に。ところが、序盤のラスベガスで渡辺はマシンを投げるほどの失敗をしてしまい、リカバリーにも時間をとられてしまう。馬場はその隙に逃げ、熱田が渡辺に合流。渡辺にとって苦しい展開となった。渡辺は「序盤のペース設定は間違えていたなと思いました。後ろを引き離せるだろうというペースで走っていたんですが、少し足りなかったですね。あわててラスベガスでミスって、ダメにしちゃった感じですね」とこのときのことを思い出す。

ところがこのラスベガスにやられたのは、渡辺だけではなかった。AAライダーのほとんど全員が1度はラスベガスで転倒を喫し、数分単位でタイムを削られていく。渡辺は序盤の一度以外大きなミスなくしっかり追い上げの体勢をとり、終盤でトップを取り戻したのだった。この時のタイムは序盤より40秒ほども速く、周囲を震撼させた。

画像3: 馬場大貴、手痛い脱落。渡辺学、手堅い2勝目

接戦が展開されたのは、馬場・熱田のほうだった。ラスト2周、先行する2番手熱田に追いすがる馬場だったが、熱田が周回遅れに引っかかり転倒。これに突っ込む形で馬場もクラッシュしてしまう。このタイミングで熱田はトップ争いから脱落、馬場もラジエターを潰し、指を負傷してしまう。リカバリー後も追走を試みるが、その勢いむなしく、次第にエンジンは冷却システムのダウンによってオーバーヒートを起こしてしまう。「ラストラップ、ピットに寄って水を入れてやれば、走り切れたかもしれない。判断ミスでした」と言う馬場。ゴールまでたどり着けず、レースを離脱することになってしまった。

画像4: 馬場大貴、手痛い脱落。渡辺学、手堅い2勝目

渡辺は「ラスト3周で勝負をかけたのが、うまくハマリました」とこれで開幕から2連勝。次々とレースから脱落していくトップ陣の中、総合第2位に入ったのはラスベガスでも大きなミスをすることなく高アベレージを保ったAA2クラスの小林雅裕だった。AA1はどうなったのかと言えば、最終的にモトクロスのマルチタイムチャンピオンである成田亮が2位に入る形で決着した。次戦も会場は西日本の広島、中国地方で最大級のスキー場である芸北国際スキー場だ。このコースでJNCCが開催されるのは初めてとなるため、イコールコンディションでのバトルに再び注目が集まりそうだ。

画像5: 馬場大貴、手痛い脱落。渡辺学、手堅い2勝目
画像6: 馬場大貴、手痛い脱落。渡辺学、手堅い2勝目

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