レース1でバウティスタが優勝し連覇達成
レース1は天候が晴れ、気温24度、路面温度28度のドライコンディションの中、20周で行われた。ポールシッターのバウティスタがスタートを決めターン1をトップで通過。2番手にはジョナサン・レイ(KAWASAKI RACING TEAM WORLDSBK)、3番手にはアレックス・ロウズ(KAWASAKI RACING TEAM WORLDSBK)とカワサキ勢が続く。
2周目のターン1でトプラク・ラズガットリオグル(PATA YAMAHA PROMETEON WORLDSBK)がロウズをパスし3番手に浮上する。予選ではまさかの7番手に沈んだラズガットリオグルだが、レイもオーバーテイク。2周目にして早くも2番手までポジションを上げてきた。
ラズガットリオグルはトップのバウティスタにも接近し、チャンスを伺っていく。しかし、レースの折り返し時点を迎えると両者の差は徐々に開いていった。
バウティスタはラズガットリオグルとの差を広げ単独走行に。ラズガットリオグルは一矢報いたかったが、2位でフィニッシュするのが精一杯だった。
バウティスタはトップを譲ることなくポール・トゥ・ウイン。そして今シーズンのチャンピオンを決定させ、SBK連覇を達成した。
圧倒的なバウティスタを相手に、最終戦までシリーズ争いを展開したラズガットリオグルは2位。3位には終盤にカワサキの2台を抜き去ったアンドレア・ロカテッリ(PATA YAMAHA PROMETEON WORLDSBK)。レイは4位、5位にはダニロ・ペトルッチ(BARNI SPARK RACING TEAM)が入っている。
2023 スーパーバイク世界選手権 第12戦ヘレス レース1 結果
日曜日もバウティスタが制圧しハットトリック達成
日曜日午前中に行われたスーパーポール・レースは激しいバトルが繰り広げられた。スタートではドミニク・エガーターがホールショットを奪い、同じくスタートを決めたロウズがバウティスタの前に出る。
オープニングラップのバックストレート手前でロウズはエガーターもパスしトップに浮上。オープニングラップが終了し、2周目のターン1では、ラズガットリオグルが一躍トップに浮上。ロウズはバウティスタにも先行され、背後にはチームメイトのレイも迫ってきた。
2周目にして早くもラズガットリオグルとバウティスタのトップ争いが白熱する中、5番手につけていたエガーターのマシンからは白煙が上がりストップ。このトラブルでコースコンディションが悪くなったことを理由に、赤旗が掲示されレース中断となった。
中断を経てレースは残り8周で再スタート。ここでもエガーターが好スタートを切りトップでターン1に進入。しかし、翌周にはバウティスタがトップに立ちギャップを築いていく。
エガーターとカワサキの2台、そしてラズガットリオグルによる2位争いは激化。ポジションを入れ替えながら周回するも、残り6周となったターン1でロウズが転倒。
一方、バウティスタが後続との差を守り切りトップチェッカー。赤旗の原因となったものの、再スタートでも好走を見せたエガーターがSBK最上位となる2位を獲得した。
レイはラズガットリオグルの接戦を制し3位に入り、表彰台を獲得。ラズガットリオグルは4位でスーパーポールレースを終えた。
今シーズン最後のレースとなるレース2は、気温22度、路面温度24度のドライコンディションの中、20周で行われた。グリッドはスーパーポール・レースの結果通り、バウティスタがポールポジション、以下、エガーター、レイ、ラズガットリオグルと続く。
バウティスタがホールショットを奪うも、ターン5でレイがバウティスタをパスしトップに浮上する。一方、4番グリッドスタートのラズガットリオグルはエガーターとバウティスタをオーバーテイクし、2番手に浮上。逃げにかかるレイを追う。
カワサキで最後のレースとなるレイは独走体制に持ち込もうと序盤からハイペースで周回するも、5周目のターン2で痛恨の転倒。低速コーナーでの転倒ということもあり、すぐにレースに復帰するも、優勝戦線から脱落してしまった。
レイの転倒によりトップに浮上したラズガットリオグルがレースをリード。2番手のバウティスタに1秒の差をつけるも、周回を重ねるごとにその差は徐々に縮まっていく。
10周目、ついにラズガットリオグルを捕らえたバウティスタは11周目のホームストレートでトップに立つ。しかし、ラズガットリオグルが得意のブレーキングでトップを死守。2台の後ろにはエガーターとマイケル・ルーベン・リナルディ(ARUBA.IT RACING)が続く。
以降、ラズガットリオグルとバウティスタは順位を入れ替えながらトップ争いを展開。加速の良いバウティスタに対し、ラズガットリオグルはブレーキングで応戦する。
10周近くにわたり繰り広げられた優勝争いは接近戦のままファイナルラップに突入。バウティスタはオーバーテイクポイントである最終コーナーでラズガットリオグルのインに飛び込むも、ラズガットリオグルがクロスラインを取り先行。そのまま逃げ切りトップチェッカーを受けた。
ヤマハでの最後のレースとなるラズガットリオグルのとって最高のエンディングになったと思われた矢先、ファイナルラップの最終コーナーでトラックリミットを取られてしまい、1ポジションダウンの裁定を受けてしまった。
よってバウティスタが優勝となり、最終戦でハットトリック達成となった。ドゥカティはライダー、チーム、そしてマニファクチャラーの3冠を達成。圧倒的な強さで2023年シーズンを締め括っている。
ラズガットリオグルは悔しい2位。来季BMWでどのような走りを見せてくれるのかに注目したい。3位には週末好調のエガーターが入った。
来季はライダーの移籍が多く、予想のつかないシーズンとなる。バウティスタとドゥカティの栄光は続くのか、それともチャンピオン経験者の逆襲があるのか、はたまた新たなチャンピオンが生まれるのか。シーズン開幕前に行われるウィンターテストから目が離せない。
2023 スーパーバイク世界選手権 第12戦ヘレス スーパーポールレース 結果
2023 スーパーバイク世界選手権 第12戦ヘレス レース2 結果
レポート:河村大志