「現代に甦る」を「新車以上に新車な作り」で実現する

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「現代に甦るZ」。現役当時のルックスやスペックをベースにしながら、新車以上に新車。加えるなら単なるリフレッシュ以上のパフォーマンスが盛り込まれている。ブライトロジックによるこのZ1には、そんな説明が合うだろう。

同店で所有していたノーマル車をベースに、販売用に仕立てられたもので、’24年3月の東京モーターサイクルショー、オーリンズブースにも展示されたものだ。多くの車両が居並ぶ同ブースで、ひときわの美しさも放っていたから印象に残ったという人も多いだろう。

その仕立ては同店・竹中さんをして「隅から隅まで手をかけた渾身の1台です。今後作れないくらいの一生もののZです」と言わしめるほど。フレームは補強なしのオリジナルを確認&塗装し、改めてネジ山を清掃(塗装膜厚分も補正)。φ36mmのフロントフォークや当時の最先端と言えたフロント19/リヤ18インチのハヤシ・キャストホイールは新品を使い、配線は新品作り直しと、フレームとエンジン以外は全部新品を使っている。

新品パーツを用意すれば新車になるのか? と思う人もいるだろうが、ブライトロジックの作業はそんなものではない。キャブレターもしかりだが、新品を用意しながらそれぞれをいったん分解&確認(きちんと高レベルで作動するように組めるかなどを見る)した上で、再組み立てして装着する。

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エンジンもクランクケースバリ取りなどトラブル予防やスムーズ化を施し、Zの弱点となるクラッチハウジングのダンパースプリングを対策した上で精密組み立て。ボルト類も一新し、レギュレーターは現代モデルでアップデートされる。

パーツが揃い、組むまでの下準備に多くの時間と手間を費やして、さらに前述のエンジンの加工同様に必要なもの=同店では必須のブレンボ・フロントマスターをZに合う丸タンクリザーバー仕様で装着するなどの作業、もちろん外装再塗装やシート再製作等を行って、このように完成に至った。

各部操作も押し引きも軽く、新車以上の垂涎と言えるレベルで仕上がったZ。販売車としてこのレベルが作られるわけだから、ほしい向き、探している向きはぜひ同店に問い合わせするべきだ。

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ハンドルバーはやや低めで操作しやすいものとし、メーターまわりも一新。フロントマスターはブライトロジックで必須とするブレンボ・ラジアルの鍛造品でタッチと効きを高め、リザーバーはマスター直付けのクラフトマン製丸型でZのルックスに合わせた。

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火の玉カラーの外装は段差なくリペイント。こうした部分への配慮も欠かされていない。

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リヤフェンダー&シートは新品。本当に今新品を手に入れたかのような印象(実際その通りなのだが)も味わえる。

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ステップもステップラバーも新品以上の仕立て。各部ボルトをヘキサゴンボルトに換えて整備性を高めている点も注目ポイントだ。

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エンジンはワイセコ鍛造ピストン(1105cc化)やハイカムを使い精密組み立て。ケースバリ取りなどの下準備も入念に行われる。クラッチはハウジング軽量化や対策加工を施し、PMC製レリーズで作動も軽くした。配線は車体に合わせて引き直し、レギュレーターも変更し点火はウオタニSP2を使う。

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キャブレターはヨシムラTMR-MJNφ36mmで、排気系にはブライトロジックワンオフのチタンショート管をセット。

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フロントフォークはφ36mmの新品を用意し、フロントブレーキは当時のカスタムのイメージを持たせるようにAP・CP2696キャリパーをリーディングマウントしてサンスター・TRAD TYPE1ディスクに組み合わせ、十分な効力を得る。

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リヤブレーキは純正ドラムでブレーキパネルも磨き込まれる。スイングアームはグリスニップルも備えた純正スチール丸パイプで、車両の全体感に合ったオーリンズショック(KA216)を装着する。

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2.15-19/2.50-18サイズのハヤシ・キャストホイールに100/90-19・130/80-18サイズのブリヂストンBT46タイヤをセット。ドライブチェーンはRKの520XXWへコンバートし、走りを軽くしている。単に往年の新車状態の復活でなく、その先という手法も込められているのだ。

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写真は純正スチール丸パイプスイングアームのピボットシャフト貫通部で左が前側。中央にグリスニップルが見える。こうした部分もきれいに仕上がり、今後の定期整備にも力を入れたくなる作りと言える。

取材協力:ブライトロジック

レポート:ヘリテイジ&レジェンズ編集部

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