談:Ruriko/写真:webオートバイ編集部/まとめ:大冨 涼
オートバイ女子部 Ruriko
スズキ・ハヤブサやトライアンフ・デイトナ675を乗り回し、バイク旅系YouTuberとして活躍する一方、webオートバイの生配信の裏方や動画制作などを担当。
最近行った海外旅行では、カリブの砂浜が裸足で歩いても熱くなく、さらさら気持ちが良かったことに感動。砂だと思っていたのはすべて珊瑚礁が砕けてできたものなんだとか。
Rurikoさんは旅先にグローブを3組も持っていくらしい……
ロングツーリングの荷物を用意するときは「余分なモノのは置いていくべし!」と力強くおっしゃっていたRurikoさん。しかしシートバッグの中には、着用する分とは別に2双のグローブが入っていました。グローブをコーデに合わせて変えているの? それとも紛失したときのため? うーん私には理由が分かりません。
Q.グローブを合計3双も持って行く理由を教えてください!
Ruriko 予備があれば万一無くしても安心! って、それはその通りなんですけど、荷物を増やしてまでほかのグローブを持っていくのには、別の理由があるんです!
1カ月ツーリングだと私の経験上100%、何かしら天候の影響を受けるんです。途中で雨に降られたり、気温の変化が結構大きくて、走行中、寒かったりだとかですね。そんなときのため、お気に入りの革グローブのほかに、予備のグローブを用意しているんですよ。
なるほど、「予備」=「紛失時のため」と勝手に思い込んでいた私。さすがRurikoさんです。
以下では、Rurikoさんが実際にツーリングに持っていくグローブを紹介。選び方のポイントとあわせて、それぞれの特長や役割を簡単に解説してもらいました。
Rurikoが携帯するグローブとその特徴を紹介
Rurikoさんが通年アイテムとして旅先に持ち歩いているのは、以下3双のグローブです。
1.革製グローブ
Rurikoさんが春や秋の暑くもなく寒くもない季節にメインで愛用しているのは、革製のグローブ。何年も使っているためすっかり手に馴染んでおり、買い換えのタイミングを見失っているそう。
摩擦でダメになることも多いグローブですが、革製のものは耐久性が抜群です。お手入れさえきちんとしていれば、Rurikoさんのように数年単位で使うことができます。小傷や皺も味がある感じに見えるので、手元もおしゃれにしたい方にはぴったりだと思います。
ただし、お手入れが必要であるとと、水気に弱いことは革製品のデメリットですから、これらを考慮した上でグローブを選びましょう。
グローブの選びのポイント1
ぴったりサイズを選ぶべし!
Ruriko お洋服では「オーバーサイズ」なんてものも存在しますが、グローブに関しては「ぴったりサイズ」が絶対いい!
自分の手の大きさに合わないグローブを使うとレバー操作がしにくく、危険だし走行中のストレスになります。可能であれば購入する前にはめてみて、指先が余らないもの、簡単に脱げたりしないもの、またラクにグー・パーができるものを選ぶといいじゃないかな、と思います。
なので、はじめてバイク用グローブを買うという方は、ネット通販ではなく用品店で選ぶのがおすすめです。
もし革製グローブを選ぶ際に“少し緩め”と“少しきつめ”で悩んだら、きつめの方を選ぶのがいいと思います。革はだんだんと伸びてくるので、しばらくしたら自分にぴったりのサイズになるはずです(きつすぎるのはダメですよ~)。
2.レイングローブ
雨が降ったときに使うレイングローブ。名前のとおり、グローブの表面に防撥水加工がされているので、多少の雨であれば手元を濡らさずに済みます。
ただ、雨でも構わず目的地まで駆け抜けるRurikoさんの使い方だと、防水性能はあまり感じられなかったそう。これまでほかのレイングローブも試してきたそうですが、どれもしばらくすると雨が浸透してきてしまうそうです。
Ruriko このグローブは、雨の日専用に「濡れても良いグローブ」として活用しています。ツーリング好きの方なら誰でも経験したことあると思うんですが、グローブって一度濡れるとなかなか乾かないんですよね。湿った状態で翌日もツーリングするのって、かなり不快感があるんです(笑)。普段使いのグローブが革製っていう理由を抜きにしても、メイングローブは絶対に湿らせたくないので、雨用を用意しているんですよ。
ちなみにRurikoさんのレイングローブは裏地がポリエステルメッシュなので、ほかのグローブに比べて乾きが速いというメリットもあるようです。確かに、ひとつ持っておくだけで旅の快適さが変わるアイテムですね。
グローブ選びの疑問
Q.極論、メインで雨用グローブを使えば良いのでは?
Ruriko たしかに使い方次第とはいえ、雨用グローブであれば手指が濡れるのも防げますし、先にも書いた通り、普通のグローブに比べて乾くのが早いものも多いです。
でも、絶対に普段使いに向いていない理由があって、これ、実際に着けると分かるんですけど、ものすっごい蒸れるんですよ。 レイングローブは、表面から雨が浸透してこないよう、生地が何層かに分かれてできているので、水が浸透してこない反面、手汗も外へは逃がしてはくれないんです(笑)。
ですから、揃えるのであれば、メインのグローブ→サブグローブ→レイングローブの順で、「濡れても良いグローブ」があるなら無理にレイングローブを用意する必要はないかと思います。
3.サブグローブ
サブグローブとしてRurikoさんが携行しているのは、数年前に2りんかんで購入したという冬用グローブ。生地に厚みがあり、寒さから手指を守ってくれるほか、裏地がもこもこしていて肌触りもバッチリだそうです。
指先には特別加工が施され、グローブを付けたままでもスマートフォンの操作が可能です。スマホをナビ代わりに使うRurikoさんとしては、この機能が必須条件なんだとか。
Ruriko 春や秋でも朝夜が冷え込んだり、気温の低い山中を走ったりするので、そういった場合に快適に旅ができるよう冬用グローブをサブとして持っています。雨の日が続く時なんかは、先に紹介したレイングローブと、このサブグローブを併用して「絶対に革グローブを濡らさない作戦」を取っているんですよ。
生地が厚手なので、お気に入りの革グローブに比べて少し操作性は劣ります。ですから、オールシーズン用や夏用に比べて「自分にあったサイズを選ぶ」ということがかなり重要だと思っています。ポイント1でも紹介しましたが、はじめてグローブを購入される方は冬用こそ、お店で試着してから選んでくださいね!
グローブ選びのポイント2
プロテクター入りのものはやっぱり安心感がある
Ruriko 万一のためにも、拳にプロテクションがあるもの、手首の骨まできちんと隠れるものを選ぶようにしています。
グリップを握る手のひら部分は摩耗が激しいので、その箇所が十分に補強されているものを選ぶと比較的寿命が延びるかもしれません。
あと、知っている方も多いと思いますが、指に特殊な加工が施されていて、グローブを外さずともスマートフォンの操作ができるものもラインナップされています! スマホをナビ代わりにツーリングを楽しむ方(とくに私みたいなタイプ!)は、この機能がついたグローブをおすすめします。
ここまで紹介したグローブは通年シーズンのもの。暑い時期や、寒さの厳しい冬には、先に紹介したものとは異なるグローブを使っているそうです。
以下では、期間限定で活躍する夏用グローブと冬用グローブを紹介します!
4.メッシュグローブ【夏用】
夏用のグローブとしてRurikoさんが愛用しているのは、56デザインとスピーディのコラボレーショングローブです。カラーはレッド、マスタード、コバルトブルー、ブラックの4色展開となっており、Rurikoさんが選んだのはもちろんブルー!
風通しの良いメッシュタイプなので、暑い時期でも手元が蒸れず、快適に走行することができます。薄手で軽いつくりですが、ナックルパッドが搭載されているので、安心感も高いですよ。
Ruriko 夏場はこのメッシュグローブと、お気に入りの革製グローブ、レイングローブでツーリングにいきます。ナックルガードがグローブの内側に埋め込まれているので、スマートな見た目なのがポイントです。
スピーディのグローブには、いっしょくたにされがちな「レディースサイズ」の中にもサイズの展開があるんです。ですから、手が小さくてグローブ選びに苦戦している方にもおすすめできるブランドなんですよ!
5.電熱グローブ【冬用】
電熱グローブとは、電気が供給されると発熱するユニットが搭載されたグローブのこと。
Rurikoさんが使っている「ヒートマスター」シリーズの電熱グローブは、オートバイに積まれているバッテリーを電源とし、付属のハーネスでグローブとつなぐことによって手元のスイッチひとつでグローブが発熱し、手指を温めてくれるそうです。
Ruriko この「ヒートマスター」シリーズ、すでに電熱グローブを使っている方ならご存じだと思うんですが、これ、“走るコタツ”なんですよ! バイクから電源を取っているのでグローブ自体に重さはありませんし、途中で充電が切れた……なんていうトラブルがないので、長時間でも安心して使えるんです。
あと、サイズ展開が豊富なところもこのシリーズのポイントです。電熱グローブの厚みは、だいたい冬用グローブと同じくらいですから、サイズが合うものでないと操作がしづらいんですよね。私、人より手が小さいんですけど、「ウーマン」サイズをはめたらぴったしで。もやっとすることなく、運転ができています。
冬場は、この電熱グローブに加えて、先に紹介した冬用(サブ)グローブとレイングローブを持って旅にでています。
グローブ選びのポイント3
冬用は必須! 夏用はあると便利
Ruriko ツーリングを快適に楽しむためには、お洋服と同じでグローブも、夏用・冬用の2種類を揃えておくのがおすすめです。
とくに、用意必須なのは冬モノです。グリップヒーターがあったとて、指先の冷えはオールシーズ用のグローブでは防げません。クラッチ操作やブレーキングに支障が出ると危ないですから、必ず用意しましょう。
ちなみに、冬用グローブをしていても寒いは寒いんですよ。ですから、冬場でも長距離ツーリングを楽しみたい方には電熱グローブがおすすめです。ただ、普通のグローブよりもお値段は張りますし、配線の面倒もありますので、そこはご注意を。
談:Ruriko/写真:webオートバイ編集部/まとめ:大冨 涼