鈴木式織機製作所ってなんだ??

きょうからちょうど100年前の1920年――和暦でいうと大正9年の3月15日。遠州・浜名郡天神町村(=現 浜松市)に鈴木式織機製作所が誕生しました。社名から察するに、鈴木式っていう織機(=織物の機械ですね)を製造する工場。創業者は鈴木道雄さん。
しかしこの工場が、43年後の1952年に2ストローク36ccの「パワーフリー号」というエンジンを完成させ、発売。自転車に取りつける補助エンジンを発売したこの会社こそ、後の鈴木自動車工業、1990年から「スズキ」と呼ばれている、あのスズキなのです。スズキの100周年沿革はコチラ<https://www.suzuki.co.jp/100th/>をご覧いただくとして、気になったので他のメーカーも調べてみました日曜日の昼下がりなのです。

画像: パワーフリー号 自転車取り付け用エンジンです

パワーフリー号 自転車取り付け用エンジンです

僕らが普段、ホンダ、と呼んでいるメーカーは、正式名称「本田技研工業」。創業は1948年(昭和23年)9月で、その前身は46年創業の「本田技術研究所」で、創始者は本田宗一郎さん、創業の地はこれまた浜松ですね。

画像: ホンダの1号車はA型 これも自転車搭載用エンジンですね

ホンダの1号車はA型 これも自転車搭載用エンジンですね

ヤマハことヤマハ発動機は1955年(昭和30年)創立。その前身は、ピアノメーカーとしてもおなじみの「日本楽器」(こちらは1897年=明治30年創業)で、ヤマハ第1号車として知られているYA-1は、実はヤマハ発動機製じゃなくて日本楽器製だったりします。YA-1発売は55年2月に発売、ヤマハ発動機が発足したのは7月でした。

カワサキは、いくつかの合流・合併を経て成立したメーカー。ルーツとなると、1960年に「メグロ」こと目黒製作所と業務提携を結んだ「川崎航空機」だろうか。この時、50~125ccはカワサキが、それ以上はメグロが生産。63年にはカワサキ・メグロ製作所が誕生しますが、64年にはメグロ製作所が操業を停止、すべての業務を引き継いだのが川崎航空機でした。

けれど、スズキのルーツが鈴木式織機製作所とするならば、カワサキのルーツは1848年(明治11年)創業の川崎築地造船所で、それが川崎航空機を生み、メグロとの関係が誕生するわけです。
しかし、一方でカワサキが独自にエンジン製造・販売をするためのチャンネル「明発(メイハツ)工業」が53年にスタート。これは、それまで川崎航空機工業・明石工場内にあったエンジン製造部門が独立したもので、明発=明石工場の発動機を略した社名、翌54年には川崎明発工業へと社名を変更しています。ちなみに、クルマメーカーの「ダイハツ」は大阪発動機を略してダイ・ハツですね。
その後、製造は川崎航空機、販売はメイハツという体制が続きましたが、川崎航空機がカワサキ・メグロ製作所を吸収し、その大本である川崎重工業、さらに1928年創業、鉄道車両製造部門を担当していた川崎車両が3社合併を果たし、現在のカワサキに続いて行くわけです。

となると、国産4メーカーでいちばん古いのは……1848年創業の川崎築地造船をルーツとするカワサキでしょうかね♪ たまにはこんなお勉強でした^^

文責/中村浩史

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