脚? タイヤ? 階段を登る4脚モビリティー『MOQBA』!
10月28日から11月8日にかけて東京都のビッグサイトを中心に開催される「JAPAN MOBILITY SHOW 2023」(旧東京モーターショー)。
乗用車を中心に、バイクを含む車体やパーツメーカーが多く出展するモビリティーエキスポで、もちろん4輪・2輪を世界で販売する我らがスズキもブースを出展!
ブースで展示予定のモデルが既に公開されていますが、参考出典モデルの中に1台、異色を放つ物体が……。
なんかSFロボットみたいなのキタ!?
この奇妙かつ近未来的でカッコイイ乗り物は、参出品車としてモビリティーショー当日にスズキブースで出展される『MOQBA(モクバ)』。
スズキの提案する次世代四脚モビリティーです!
『モクバ』は車輪と4つの脚を活かして平地・段差を問わずシームレスに移動することができる乗り物を目指して考案され、階段・段差の多い地域での移動の課題に取り組みます。
では実際『モクバ』ってどんな乗り物なのでしょうか? とりあえず公開されている情報を基に見ていきましょう!
『MOQBA(モクバ)』という名前は「Modular Quad Based Architecture」の略で“木馬”とかけているようです。
4つの脚を持ち先端には車輪を有していますが、乗車部分はショートテールのバイクのような形状で、ウィンカーを内蔵したハンドルも自転車やバイクに近しいものが採用されていますね。
確かに乗車イメージは木馬っぽい。
平地では4つのタイヤを活かしての移動になるようですが、操作感はバイクに近いのでしょうか? 実乗り味がとても気になるモビリティーですね!
そして段差では足を使っての移動に切り替わります。
独特な「への字」フレームで低重心化と脚の可動域を確保し、ライダー(?)の乗車部位を水平に保ちつつシームレスに移動できるみたいです。
この辺りの駆動も実際の動きが見てみたくなる仕組みです!
モビリティーショー現地ではイメージ映像とか見られたりするんだろうか……?
ちなみに『モクバ』はシート高が1000mmあるので、稼働形態ではおそらく身長173cmの私でも足着きません(汗)
4輪あるからコケはしないものの、じゃあどうやって乗り降りするんだ、ってなりますよね。
でもご安心ください!
乗り降りする際には足を折り畳み車体を傾けることで乗降ポジションにすることができます!
……なんか、犬の「お座り」みたいで可愛いですね(笑)
この乗り物なら、確かに階段の多い地域での移動とかに役立ちそう。それこそ斜面転移モノレール「てんじんくん」が稼働する長崎市のような地域とか。
でも、高齢者の方も乗りやすくしようと思うと跨るタイプの形状は乗りづらいんじゃ……?
と思ったらこの『モクバ』、形態はこれひとつじゃなかった⁉
用途に合わせた形態で幅広いシーンでの活躍に期待!
近未来的な四脚モビリティー『モクバ』ですが、ベースシャーシはそのままに車体部を入れ替えることで様々な用途に対応できる形態もいくつか提案されています!
ひつめは上記で心配していた“乗り降りの容易さ”を解決する「椅子仕様」。
これなら単純に移動範囲の広い「車いす」としても、階段を登れる「セニアカー」としてもかなり便利そうです!
これはひょっとすると場所によってはスロープ等の設置が難しいバリアフリー問題解決の一端になるのでは……?
そして2つ目が「救命救急仕様」です。
平たく言えば「担架モード」ですね。
平地&段差の環境を選ばずに活動することを目的とする『モクバ』と相性抜群に思えます。医療・救助現場で大活躍しそうなモードですね!
デフォルトの“バイク仕様”の他、上記の“椅子仕様”、“救命救急仕様”に加え、「立ち乗りモード」を使用した“ゴミ収集仕様”、“荷物配送仕様”など、いくつかの派生形態が展開されていて、様々な用途に対応しています。
中にはアームが装着された“軽作業車仕様”なるものも!
個人的に「コレは⁉」と思ったのはゴミ収集仕様。
これ無人運転と組み合わせて街中に配備されれば、周辺美化に繋がったりしないでしょうか?
……というか、こんなゴミ回収ロボット、SFアニメで見た気がするんだが……⁉
(下に続きます)
SFチックな造形に心躍る次世代モビリティー『モクバ』。
実際にこの『モクバ』が公道を走れる日が来たなら、多くの場面で活躍しそうですね!
かくいう自分も近場の移動は全部これにしたい(笑)
そんな次世代電動モビリティー『MOQBA』に興味が湧いた方は、是非モビリティーショー当日にスズキブースに足を運んで見てください!
【文:石神邦比古(モーターマガジン社)】