モーターサイクルショーで小耳に挟んだエンジンの話
いろんなスズキのバイクに乗っていると、時として『なぜだ?』と思うことがけっこうあります……
その中でも大きな謎として解明されていないのが、特に250ccバイクの『エンジンが完全に同仕様なのに体感としてはまるで走りが違うこと』なのですが、その理由として有力な新説が浮上したので共有させて頂きます。
ただし、この説に確証はありません。あくまで推測の範囲となるので、それを踏まえてご興味あるかたはお楽しみください!
でも、この説に私(北岡)は説得力を感じています……
キッカケは大阪・東京・名古屋の『モータサイクルショー2024』で(ガラじゃないけど)スズキさんの「GSX-S1000GXトークショー」のMCを務めさせて頂いたことです(←応援に来てくださったみなさま、ありがとうございました!)
このトークショーに来ていただいた人は思い当たる話だと思うのですが……2024年現在、4モデルを展開するGSX-S1000シリーズは『4台とも完全にエンジンおよび吸排気は同仕様』となっています。
だけどこの4台、明らかに走り(エンジンフィーリング)が違う。
これについては我々『スズキのバイク!』だけでなく、トークショーのゲストである谷田貝洋暁さんも同意見のようで、それをポルトガルで開催されたGSX-S1000GX試乗会において開発者たちに質問してみたとのこと。
その返答は開発陣(テストライダーさん等)の返答は『エンジンは同仕様だけど体感的な違いはある』というものだったそうです。
そりゃそうでしょう……わかりやすいところで言うと新型カタナとGSX-S1000GTなんて『フューエルインジェクションのセッティングとか絶対違うよね?』と思うレベルで走りに差がありますから。
カタナはアクセルをちょこっと開けただけでドカッ! と加速するのに対し、GSX-S1000GTはもっとトルクを感じさせつつズオオオォーーーッ!と吹け上がっていきます。
だけどエンジン本体および吸排気の仕様は完全に同じなんです……
そして、スズキ開発陣側の導き出しだ推測としての『エンジンフィーリングの違いの理由』は吸気抵抗によるものではないか?というものだったそうです。
要するにカウルの有り・無しで『空気の吸いやすさ』に違いが生まれ、それがエンジンフィーリングに差を生んでいる可能性がある、ということ。
私(北岡)はそれを聞いた瞬間にハッとしました。それって250ccにも同じことが言えるかも……
ジクサー250とジクサーSF250が明らかに違う
当サイトでも何度も言っていることなのですが、新型油冷エンジンを搭載したフルカウルスポーツの『ジクサーSF250』とネイキッドの『ジクサー250』の2台には、ライディングポジションや車両重量の差だけでは説明できないレベルでエンジンフィーリングに違いがあります。
具体的に言うとネイキッドのジクサー250は、フルカウルのジクサーSF250より、明らかに加速が元気に感じるというもの。
信号待ちからのダッシュ力、コーナー立ち上がりの加速感。どんなシチュエーションにおいてもアクセル操作に対するレスポンスが良く感じるんです。
対してフルカウルのジクサーSF250はアクセル全閉の状態から加速へ移る瞬間がわずかに穏やか。穏やかというか、カドが取れたような扱いやすさが感じられます。
ただしフルカウル&セパレートハンドルでスポーツ性を高めたジクサーSF250の場合、その扱いやすさがコーナーの脱出では武器にもなるので『どちらが良い』というものではありませんが……
だけど単純な『体感としての楽しさ』はネイキッドに軍配だと私は思っています。
同仕様の新型油冷エンジンなのにフルカウルとネイキッドでエンジンフィーリングに違いを感じる理由。
推測の範囲を出ない話ですが、これも『カウルの有無による吸気抵抗』が関係しているのかもしれません。だってジクサー250の弾けるような加速、めちゃくちゃ楽しいんだもん……
ちなみに今回、同じく新型油冷エンジンと搭載するVストローム250SXは除外となります。SXは吸気の仕様が変更されているのが公式で発表されているからです。
そして!
ここから先、話はさらに眉唾なものになるのですが……
GSX-250RとVストローム250にも同じニュアンスを感じる……
人気モデルの『GSX250R』と『Vストローム250』の2台。
私の個人的な感覚としては、この2台にも近しいエンジンフィーリングの差があるように思えています。
ただしこの2台は車両重量から最終減速比、その他もろもろ大きな違いだらけ。
なのですが、こうして『スズキのバイク!』というサイトをやっていることにより、私(北岡)の体内に育ったスズキセンサーはジクサー250シリーズと同じようなエンジンフィーリングの差を感じるんです。
ここまで来るともはや『勘』のレベルでしかありませんが……
GSX250Rよりもボディが大柄で重量も10kg重いVストローム250。
最終減速比が低速型になっていることもエンジンフィーリングに違いを感じる理由のひとつだと思いますが、アクセル全閉から1ミリだけアクセルを開けた瞬間……その『0から1』のレスポンスはVストローム250のほうが元気に感じられるんです。
対してGSX250Rは高回転域に向けての伸びやかさのほうが印象に残っています。ちなみにツーリングやワインディングをマイペースなスポーティさで流すときは、このフィーリングが疲れなくてちょうどいいと感じます。
これは単純に最終減速比の違いかもしれません。だけど、それだけでは説明できない気がするんです。
(下に続きます)
再度言いますが、これらの差が実際にあるとしても、それは『どちらが優れている』というものではありません。
そう思う理由は、それぞれのエンジンフィーリングが、結果的に各バイクのキャラクターにフィットしているものになっているから。
なのでこのお話はハッキリ言って『ネタ』程度のものです。こんな話をしておいてアレですが、バイクっていうのは『自分が好きで選んだ愛車が世界一』ですから、些細な差なんて実はどうだっていいと私個人は思っています。
だって、どのバイクを選んでも『最高の相棒』になってくれることだけは間違いのない事実ですので!
スズキ250ccは2023モデルから大きく進化しました!
【ジクサーSF250】
【ジクサー250】
【GSX250R】
【Vストローム250】