スポーツランド菅生は初夏の陽気で!
4月14日のもてぎ大会から1カ月と少し。今週末は宮城県・スポーツランド菅生で全日本ロードレースの第3戦が行なわれています。杜の都・仙台は今週末、すばらしく天気が良く、きょう土曜日は初夏を思わせる陽気に恵まれての開催となりました。
この菅生大会は、JSB1000とST600クラスが2レース制で、きょう土曜に決勝レース1が行なわれました。さらに、いつものように、全日本ロードの土曜日といえば、そうですJP250クラス! 相変わらずWebオートバイではJP250クラスをエコひいきしておりますので、まずはそれを!
今シーズンのJP250クラスは、昨年までとは勢力図が一変。2023年のランキング上位のライダーが不在となり、一気に若返った――そんなイメージで始まっています。
昨シーズンの国際ライセンスクラスチャンピオン千田俊輝は、ST600クラスへ、国内ライセンスクラスチャンピオン荻原羚大はJ-GP3へ、高橋匠はヤマハbLU cLUヨーロピアンカップで海外へ、とJP250をステップボードに巣立ってくれています。
かわって開幕戦のもてぎ大会からセンセーションを巻き起こしているのが齊藤太陽(SDG Nプランレーシング)。齊藤は22年にMiniGPに参戦すると、23年にはアジア選手権TVSワンメークに出場。全日本ロードレースのデビューレースとなった開幕戦もてぎ大会で、コースレコードをマークしてポールポジションを奪取するというデビューを飾ったのです。
しかし、そのデビュー戦では、レース中盤にハイサイドを喫して転倒。この第2戦に雪辱を期しての参戦で、公式予選では見事ポールポジションを獲得。予選2番手には開幕戦ウィナーの久川鉄平(bLUcLU WebikeチームNORICK)、3番手に22年のJP250ナショナルクラスのランキング2位を獲得した野村唯人(MTR+SHIN.ライディングサービス)が入りました。
土曜日の最終レースとして行われた決勝レースでは、フロントロー2番手グリッドスタートの久川がホールショットを獲得して先行すると、齊藤、野村、中沢寿寛(i-FACTORY & Mガレージ)、森山浬(bLUcLU WebikeチームNORICK)、岡田陽大(bLUcLUアケノスピード)が続く展開。
しかし、そのまま3コーナー、4コーナーヘアピンからS字を駆け上がったところで、2番手を走っていた齊藤がハイサイドを喫して転倒! 3番手以下を走っていた野村、岡田、中沢、森山らが転倒した齊藤をかわしたためにタイムロス。ここで久川の独走が出来上がってしまう。
これで先頭は久川。大きく間が空いた2番手を中沢、岡田、土岩直人(SHINライディングサービス)、野村、森山が争う形となり、この5台のセカンドグループに、後方からサードグループの小室旭(サニーモトKTM JP250チーム)、飯高新悟(キジマKISSレーシングチーム)、片田泰志(bLUcLUチームベビーフェイス)らが追いつき、一時はセカンドグループが10台ちかくの大集団になるシーンもあった。
レースはこのまま久川が独走してもペースを緩めることなくブッチギリで、2番手争いは、セカンドグループの中から野村、土岩のSHINライディングサービスのコンビや飯高、森山がペースアップ。JP250の特徴で、国内ライセンスライダーと国際ライセンスのライダーが入り混じるポジション争いとなって進んでいく。
結局レースは、久川がこのまま独走で開幕戦もてぎ大会に続いて2連勝を獲得。総合2位以下には野村、土岩、岡田、飯高、中沢、森山と続いてフィニッシュ。しかし、最終ラップのシケイン(=このレースから「ラプラスシケン」と呼ばれる)で転倒者があり、その黄旗区間で追い越しがあったとして岡田が30秒のペナルティを受け、久川→野村→土岩→飯高→中沢→森山→片田の順でチェッカーを受け、国際ライセンスクラスは①久川②土岩③飯高、国内ライセンスクラスが①野村②森山③片田の順で表彰台に登壇したレースとなった。
久川鉄平
「もてぎと菅生で、齊藤君が速いのはわかっていたので、レースではとにかく最初から前に出よう、と。1周終わってサインボードをみたら『2位まで+2秒』って出ていて、0.2秒の見間違えだと思ったら、次の周は4秒とかになって、齊藤君のマシンがコースサイドにあったので、そこでやっと齊藤君が転んだんだ、ってわかったんです。独走態勢になってからは、集中力を切らさないように、何かテーマを持って走ろうと思っていたので、最後までペースを落とさずに後続との差をキープしたままレースができました。これで開幕戦から2連勝で、少し自信が持てたというか、今までより落ち着いてレースができると思います」
写真/小縣清志 中村浩史 文責/中村浩史