今年の鈴鹿8耐で会場を最も沸かせたのって実はスズキなんじゃないのか? 2チームがトップ10入り! スズキって本当に耐久レースに強いですよね……!?

壮絶な3位争いを制したヨシムラとサステナブル仕様で戦うCNチャレンジ

画像1: 壮絶な3位争いを制したヨシムラとサステナブル仕様で戦うCNチャレンジ

大盛況で幕を閉じた鈴鹿8時間耐久ロードレース2024。すこし時間は経ちましたが、スズキは2チームがトップ10入りという結果となりました。

やっぱりスズキは「耐久レースに強い!」ということを証明してくれた鈴鹿8耐だった訳ですが、改めて振り返ってみると思うのです……今年の鈴鹿8耐でもっとも観客を楽しませたのは、それこそスズキだったんじゃないか? って。

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バイクの世界耐久レースでもあるEWC 2024にフル参戦している「ヨシムラ SERT MOTUL」は、第1戦のル・マン24で優勝、第2戦のスパ8時間耐久でも2位表彰台を獲得し、EWCランキングトップで第3戦となる鈴鹿8耐に出場。

ライダーは、EWCで好成績をおさめるダン・リンフット選手と、鈴鹿サーキットをよく知る渥美心選手加えて、事前テストで負傷したブラック選手の代役として急遽参戦することになったMoto2ライダーのアルベルト・アレナス選手の3名体制でレースに挑みました。

まさかのブラック選手のリタイヤで決勝レース前から不穏な空気……

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そして、サスティナブルな未来の実現のためにスズキの社内チームとして結成され、バイオ燃料やサステナブルパーツなどを組み込んだGSX-R1000Rで、EWCクラスとは仕様が異なるエクスペリメンタルクラスに出場したのが「Team SUZUKI CN Challenge」です。

ライダーは、ヨシムラSERT Motulのライダーであるエティエンヌ・マッソン選手のほか、2017年にスズキで鈴鹿を戦った濱原颯道選手、自身もチームを率いて鈴鹿8時間耐久ロードレースへの参戦も行ってきた歴戦の生形秀之選手の3名体制で参戦しました。

事前の鈴鹿テスト走行でも、最高峰クラスのマシンに全く引けを取らない2分07秒557をマークし、ライダーやチームディレクターの佐原伸一氏からも「すごく普通に走るから驚いた」と言われていた様子。スズキはサステナブル仕様でも充分に鈴鹿8耐を戦える! そんな期待感が高まっていました。

画像4: 壮絶な3位争いを制したヨシムラとサステナブル仕様で戦うCNチャレンジ

予選となる決勝前日の「トップ10トライアル」で決定したグリッドは、ヨシムラ SERT Motulが5番グリッド、チームスズキCNチャレンジが16番グリッドに着きます。

そして、決勝日当日の11時30分。

鈴鹿8耐の名物でもある第一ライダーが走って跨るル・マン式で、8時間先のチェッカーフラッグに向け46台のマシンが一斉にスタートしました。

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ヨシムラ SERT Motulのスタートライダーは渥美心選手。

オープニングラップはヨシムラが5番手に着き、序盤から上位争いに食い込んで行きます。

画像6: 壮絶な3位争いを制したヨシムラとサステナブル仕様で戦うCNチャレンジ

スズキCNチャレンジのスタートライダーはエティエンヌ・マッソン選手。オープニングラップで10番手あたりまでポジションアップしコントロールラインを通過します。

54℃の路面温度、気温33℃の暑さなども影響し、レースがスタートしてから1時間後くらいまでは、いくつかのチームで転倒が多発しましたが、その後のレースは落ち着きを取り戻していきました。

スタートから2時間が過ぎると燃料給油やタイヤ交換などでピットインを行なうマシンが増え始めます。

画像7: 壮絶な3位争いを制したヨシムラとサステナブル仕様で戦うCNチャレンジ

ピットインするタイミングは各チームでそれぞれ異なりますが、ヨシムラ SERT Motulはピットインのタイミングをやや遅らせながらダン・リンフット選手と渥美心選手が交互にスティントしながら終始安定した走りをみせました。

4回目のピットインでは、初めての鈴鹿8耐決勝のコースを走ることになったアルベルト・アレナス選手に交代。急遽参戦でもMoto2ライダーらしい安定した走行を続けてチームに貢献します。

画像8: 壮絶な3位争いを制したヨシムラとサステナブル仕様で戦うCNチャレンジ

一方、スズキCNチャレンジはエティエンヌ選手と濱原颯道選手の2人でスティントを交代しつつ、EWCクラスに引けを取らない安定した走行を続けます。

ちなみに鈴鹿8耐は、ヨシムラ SERT MOTULが出場する最高峰EWCクラスと、改造範囲が異なるSST(スーパー・ストック)クラスに加えて、今回はチームスズキCNチャレンジが参戦する特別枠ともいえるエクスペリメンタルクラスの3カテゴリーがあるのですが、全てのクラスが一緒に走る言わば「混走レース」です。

世界の頂点を目指す強豪チームと一緒に走りながら、バイオ燃料やオイル、サスティナブルパーツでもトップ10圏内を維持し続けるのは、ライダーやピットスタッフもちろん、マシン開発やパーツ供給メーカーなどチームの総合力が高くなければ成し得ないことでしょう。

しかも、レース展開の重要なファクターとなるタイヤに関しても、他のEWCチームとは異なる再生資源&再生可能資源比率を向上させたサスティナブル仕様のタイヤです。

そんな、ある意味で“ハンデ”とも言えるサステナブルマシンで、トップ10争いにまで食い込んでしまう……スズキCNチャレンジは本当に凄いとしか言いようがありません。

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その後のレース展開は、ピットインのタイミングで順位の変動はあるものの、上位のオーダーは固まりつつありました。

しかし、レースの残りが2時間を切る頃、4番手を走行していたヨシムラ SERT MOTULにピットスルーペナルティが課せられます。

給油中の小さなミスをレースディレクションに指摘されたことで、ライドスルーペナルティになりましたが、ダン・リンフット選手のその後の走りで見事に解消。

3番手とはやや距離が離れてしまいましたが、後続チームとはタイム差があったため、そのままの順位でレースに復帰しました。

画像10: 壮絶な3位争いを制したヨシムラとサステナブル仕様で戦うCNチャレンジ

チェッカーまで残り30分。鈴鹿サーキットが夕暮れを迎える中、ヨシムラ SERT MOTULにチャンスが訪れます。

路面温度が下がってきたこともあり、レースも終盤のタイミングだというのにヨシムラ SERT MOTULの渥美心選手がまさかの2分7秒99というチームベストラップを記録!

その後に渥美心選手は3番手を走っていたDUCATI Team KAGAYAMAの背後に迫り、激しいバトルの末にオーバーテイク!まさに劇的といえる展開で表彰台に食い込んだのでした。

また、サステナブル仕様の実験機だったにも関わらず、スズキCNチャレンジが総合順位で8位を獲得するという大金星をあげました。

クラスやマシンの仕様は違えど、スズキ車の2チームには本当にドラマがありました。不運に見舞われたけどオートレース宇部の津田選手も最高だった! 今年のスズキ、鈴鹿8耐を本当に楽しませてくれました!

(下に続きます)

EWC2024としては決勝での3位と予選5位の結果により、ヨシムラSERT Motulは22ポイントを獲得。EWCランキングは現在トップのヤマハとの差は僅か6ポイントなので、まだまだ充分に逆転は狙える!

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次戦の第4戦EWC 2024はいよいよ最終戦です。9月14-15日にフランス/ポールリカールサーキットで開催されるボルドール24時間ですべてが決まります。

最終戦にも注目! そして!

スズキが大暴れしてくれるとレースは格段に面白くなる! 改めて、そう感じさせてくれた最高の鈴鹿8耐でした!

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