乗る前の予想とはぜんぜん違ったスズキの次世代型コミューター『e-PO』。試乗会の会場でちょっと独自に実験してみたことがあるのですが……

時間が許す限り『ひらすらバッテリー削り』をやってみた!

スズキさんが開催したメディア向けの『e-PO(イーポ)』試乗会で、はじめて乗ったイーポの感想は『え? これって電動バイクじゃなかったの!?』というものでした。

それと同時に、悩ましいというか、伝えるニュアンスが難しい乗り物だとも感じました。乗った感想も含めて、そのあたりは先の【前編】をご覧いただければ幸いです。

でも今回は「イーポがどういう乗り物であるか」という立ち位置の問題はひとまず置いておいて、試乗会の会場で私(北岡)が実験して、体当たりで感じてみたことをお伝えします。

ちなみに私、雑誌編集者時代に『電動アシスト自転車』という本を作ったことがあるので、電動アシスト自転車に関しては厳しい目線で見ます。それに加えて、これまでに乗ってきた『電動バイクの経験』も、そこまで好印象なものではなかったり……

画像1: 時間が許す限り『ひらすらバッテリー削り』をやってみた!

何がいちばんイヤって『バッテリー切れの不安』です。個人的にはこれ一点に尽きると言ってもいい。

なので今回の試乗会において、与えられた時間枠のなかで「ひと通りの写真撮影が終わったあと」に……

とにかくバッテリー残量を削りにいきました。

画像2: 時間が許す限り『ひらすらバッテリー削り』をやってみた!

他のメディアさんたちがコース内での走行を切り上げた後も、私だけは延々とコースをグルグルグルグル……この時「ペダルを漕ぐ」のは一切無し!

とにかくモーターに負担を掛けることだけに心血を注いでいました(笑)

バイクもそうだけど、やっぱり『ガッツリ乗らないとわからないこと』ってあるじゃないですか?

なるべくそれに近い状態にしてみたかったんです。なので『ひとり耐久テスト』を開始して、その結果……

画像3: 時間が許す限り『ひらすらバッテリー削り』をやってみた!

試乗枠の時間をギリギリまで走り込んで15kmの距離を走ることに成功。

この時のバッテリー残量はフルの10目盛りから3つ削れて、残り70%となっていました。撮影中はペダルを漕いだりもしていたので15km全部をフル電動で走った訳じゃないというのが残念なところですが……

ちなみにこういうのって過去の電動アシスト自転車/電動バイクでの経験上、後半のほうが目盛りが早く減っていくようなイメージが私にはあります。※個人的な見解です。

だけどこの残量なら、スズキさんが公称する『航続距離30km以上』は確実だと思う。あくまで経験上の予測ですが……

数年したら電池がヘタるんじゃないの?

でも、これってバッテリーの状態が良い時の話でしょう?

購入後に時間が経ってバッテリーが劣化したら、航続距離がガクンと減るんじゃないの? 私はそれが心配です。

画像1: 数年したら電池がヘタるんじゃないの?

それに対してスズキさんからの回答は『パナソニックさんの電池は三年保証されている』とのこと。となると三年間は(一般的な運用方法であれば)著しい航続距離ダウンを心配する必要は無さそうです。

こういうところは「既存技術ならではの信頼性」があるなと感じた次第。電池もそこまで高額ではないのでランニングコストも納得できるレベルに収まると思う。

ちなみに、ちょっと伝えておきたいのが『疲れかた』です。

画像2: 数年したら電池がヘタるんじゃないの?

クローズドのテストコース内だったとはいえ、正直な話「15kmぶっ続けで走る」のは、なかなかに疲れました。

自転車の乗車感だけどスピードは出るから、それなりの緊張感もあったと思います。乗車姿勢もけっこう前傾姿勢だし。

でもその疲労感から言うと、例えば毎日の通勤に使うのであれば片道3km前後がちょうどいい範囲かな……と感じました。慣れたら片道5km未満くらいもアリ。どのみち1日で往復10km以内がおすすめです。

画像3: 数年したら電池がヘタるんじゃないの?

となると『ALLフル電動』で走った場合での充電頻度は週に1~2回かなぁ。

ちなみにイーポは乗っていると「なんとなくペダルも漕ぎたくなる」ので、普通に通勤・通学に使うのであれば、充電頻度が週に3回以上になるというのは逆にイメージしにくいです。

実際問題として私は毎日充電するのは面倒くさくてイヤなのですが、3日に一回くらいなら許容範囲かと。

ちなみにイーポに直接関係ない唐突な余談ですが、電動アシスト自転車は有酸素運動にも非常に効果が高いです。身体への負荷を少なくしたまま心拍数をすこし高めに維持できるので、真面目な話、ダイエット効果も狙いつつ……というのも実はアリな選択肢かもしれません。

画像4: 数年したら電池がヘタるんじゃないの?

あとはそう!

完全にバッテリー切れを起こした場合は、変速機を1とか2にしておけば、スピードは出ないけど、重量23kgの負担を大きく感じずに漕いで走らせることができました。

完全にバッテリー切れとなった場合のエマージェンシーとしては十分です。

画像5: 数年したら電池がヘタるんじゃないの?

イーポはまだ開発途中なので車両本体価格などは未発表ですが、しかるべき価格で登場すればコスパもなかなか悪くない「日常のアシ」になると感じています。

あとは維持費として原付一種として税金等をどう思うか、といったところでしょうか……この部分の判断は人それぞれでしょう。

でもまぁ……個人的にはトータルとして『大いにアリ』です!

ただしっ!

(下に続きます)

先の【前編】で言ったとおり、イーポは純粋な50cc相当の電動バイクでもなく、既存の電動アシスト自転車と同じように扱うこともできない『新しい感覚の乗り物』です。なので扱う側もそれを正しく理解して乗る必要があると思う。ここ、けっこう大事!

でもそれを踏まえれば、日常の足からレジャーまで使える『次世代コミューター/電動モペッド』としての可能性は無限大!

っていうかコレのお値段、真面目な話、いくらになるんだろ?

ガチで15km走った後にそれが気になるってことは……

けっこう私、真面目にイーポが欲しいのかも!?

よろしければ【前編】からお読みくださいね!

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