思うままに細部をチェック
この日はオートバイ8月号の特集の撮影で、中央道と首都高速を使って八王子→新橋を往復。往復とも混雑のピークを外れての移動だったので、目立った渋滞にも巻き込まれずに済んだ。周囲の流れに乗り、常識的なスピードで空いた高速を巡航しているときのVT1300CXはこの上なく快適だ。
さて、これまでの5日間で、およそ想定されるシチュエーションはすべて走ってみた。
そこで今回は目先を変えてVT1300CXの細部をチェック。気に入った部分、気になった部分をピックアップしてみよう。
まずこのスタイリング。好みがハッキリ分かれそうデザインだけど、目を引くことだけは確か。街中やあちこちの駐車場、高速道路のSAなどでも明らかに視線を感じる。タンクにメーカー名が書かれていないこともあって、「これはどこのバイクですか?」と聞かれたのも1度や2度じゃなかった。
実は僕自身、クルーザーモデルはそれほど好きではない。「買うならスーパースポーツかハイパーネイキッド」というのが正直なところだ。
でもこのVT1300CXは純粋にカッコイイと思うし、このスタイリングでハンドリングをまとめ、世に送り出したホンダの開発陣には称賛の声を送りたい。そして、新たなホンダクルーザーシリーズのフラッグシップとして、かなり気を配り、お金をかけて仕上げられている。
フロントフェンダーマウント部のすぐ脇にまでバフがかかっている。これ、想像以上に手間とコストがかかるって知ってた? こんなあまり目立たない部分にまで手をかけているところが、高級車の証というわけです。
しか~し、その反面でパッシングスイッチ、ハザードランプ、ブレーキ&クラッチレバーのアジャスターは付いてない。
レバーアジャスターはせめてブレーキ側には付けて欲しかった。
僕の手は大きい方だけど、握り込んだときに「あとレバー1~2本分手前に来るともっと力が入れやすいのに」と感じることがあった。このクラスのモデルなら付けて欲しかったなぁ…。
あとメーター。シンプルで見やすく、質感も高いけど、液晶パネルが1段だけでオド、トリップA/B、時計を切り替え表示するようになっている。
ま、普通といえば普通だけど、欲を言えば2段表示にして、時計は常に表示させておきたいところだ。逆に感心させられたのはシート。ホールド感が良く、しかも長く乗っても尻が痛くならない。これはすごく良くできている。
ただ、4日目のレポートでも書いたように、タンデムシートはちょっと…ね。
●本日の走行距離:134.4km(約70%が高速道路)
■燃費:18.3km/L(134.4km/7.35L)