『新車の納車整備』って何すんの?
前回は購入時の契約から納車までの流れをザラッと紹介したけど、この中には『納車整備』という項目があって、当然のように費用を請求される。
だけど「新車なんだから整備なんて必要ないだろ?」とか「何に費用が掛かるんだ?」とスッキリしない人も多いんじゃないだろうか。そこで今回は「納車整備」をテーマにレポートしましょう。
そもそも「納車整備」って何だ?
オートバイを購入すると、ほとんどの場合は『納車整備料』というものが加算される。この「納車整備」は法律で定められたものじゃなく、内容も費用も店によって異なる。
新車の場合、以前はエンジンオイルや冷却水、バッテリー液などは空っぽの状態でディーラーから販売店に届けられることが多かったので、それらの充填やバッテリーの取り付け、充電などに手間がかかった。でもドクターSUDAの話では「最近は液体類がひととおり入った状態で店に届くことが増えましたね。ニンジャ1000だとバッテリーのケーブル接続とスクリーンの取り付け程度で走り出せますよ」とのこと。
ただし中古車となれば話は別。走行距離や年式に応じて部品の交換や修理、調整が必要だからだ。例えば「タイヤとブレーキパッドが減ってるけど、このままでいいですか?納車前に交換しますか?」という話になる。これらは消耗度合や予算の兼ね合いで決まるから、整備内容は大きく変わってわけです。
整備内容と費用は店によって異なる
いずれにしろ納車整備は特別なことじゃなく、お客さんが店から直ちに乗って帰れる状態までに仕上げるという、言ってみれば当たり前の作業。
車両価格を安く提示し、代わりに登録手数料や納車整備代を高めにして帳尻を合わせる店もあるから、最終的な乗り出し価格を出してもらうことが重要だ。
僕がニンジャ1000を買ったドクターSUDAの場合、納車整備の項目は20種類以上。ブレーキに関しては脱脂だけじゃなく、いったんキャリパーを外してパッドを抜き出し、面取りまで行うという念の入れよう。ほかにも前後サスペンションセッティングが基準値になっているか確認したり、スロットルポジションセンサー(インジェクション車の一部)を調整したりと、僕が想定していた納車整備のイメージよりも濃い内容だった。
整備内容の記録は「カルテ」と同じ
ある程度経験のあるライダーなら不具合があっても走り出してすぐ気付くけど、まったくの初心者だと「こんなものかな」で納得して、重大なトラブルや事故を招くことだって考えられる。
担当メカニックが整備し、他のメカニックがチェックし、さらに確認のために試乗、という徹底体制を取っているのは、効率よりも安全性を優先しているからだし、ユーザーだけじゃなく店にも安心材料になる。それだけに時間が掛かるけど、このシステムに文句を付ける人は居ないんじゃないかな。
スポーツの大会に参加する前に、人間ドックで全身を検査するようなものだからね。だから整備内容の記録はしっかり取っておくこと。カルテと同じです。
次回は「慣らし運転」をレポート!
「絶対にやらなきゃいかん!」という人も「そんなの昔の話。今のオートバイには必要ない」という人もいて、とかく議論になりがちなのが新車の「慣らし運転」。次回は慣らしの意味や方法についてレポートしましょう。
ともあれ、グッと暖かくなって、オートバイシーズン到来。冬の間は小さく丸まって寒さに耐えていた僕も、春風を胸いっぱいに吸い込んでバンバン走りたくなってきた。
では楽しいオートバイライフを!