ーー切れ角で曲がるSV650と、バンク角で曲がるSV650Xだと。
「はい。サスの違いはあんまり感じなかったけど、どっちも真ん中よりちょい固めなのかな。でもライディングポジション的にハンドルに体重が乗るからか、Xの方が路面のギャップを強く感じたので、そこは少し気になる人もいると思います。あとSV650で良かったのは、ニーグリップがすごくしやすいこと! 最初、タンク形状のおかげで挟みやすいのかなって思ってたんですけど、タンクの下にあるプラスチックのサイドカバー部分がほど良く膨らんでて、太ももにピッタリ沿ってくれるんですね。タンクからシートにかけてあまりにシャープなバイクって、結構太もも部分に隙間ができてニーグリップしようにも上手くできない時があるんですけど、SV650はそこがピッタリはまってくれるなって」
ーー645ccという排気量はどうだった?
「装備車重197kgと軽いのもあって、良い意味で400ccくらいの感覚で乗れました。すごいトルクを感じるとかではないので、大型バイクならではの感触を求める人には物足りないところもあるのかもしれないですけど、私はそんなにトルクを気にするタイプじゃないというか、そこにロマンは求めないので(笑)、全然気にならなかったです。高速走行中にちょっとフロントブレーキを掛けた時も、沈み込み過ぎることもなくて、もし急なブレーキワークをしちゃったとしても、そこまで心配しなくても大丈夫そうだなって思いました。
発進時のエンジン回転数の落ち込みを防いで、スムーズな発進を実現する『ローRPMアシスト』は、初めて体験したんですけど、大型を初めて乗る人とかにはラクだろうし、私も一度もエンストしそうになることなく毎回発進ができたから便利だなって思いました。ただ、走り出す時に回転数が上がるわけじゃないですか。そこに安心しきってスタートでラフに開けちゃうと、結構勢い良く進んじゃうので、そこには大型らしさを感じましたね。あと気になったところは……クラッチがちょっと重く感じたんですけど、これは個体差なのかな? 女性ライダーはもう少し軽いと嬉しいんじゃないかと思います」
ーー取り回しの感じはどう?
「めっちゃ軽いです! 車体を起こす時も軽いし、全然重さを感じなかった。Xはポジション的にもっと重く感じるかと思ってたんですけど、思ったより全然平気でした」
ーーやっぱりジムカーナに向いてる感じはあった?
「そうですね。アップハンドルのSVは、やっぱりクイックに切れてくれるのが良くて。もっと重たくなるかと思ってたけど、結構ぐっと曲げるとそのまんま切れてくれるので、ジムカーナコースを走ったら楽しそうだなって思いました。いつも乗ってるVTRより大きくなるけど、SVでも同じくらい寝かせられると思うので、結構いけるんじゃないかな。小回りも効きそうだし。アイドリングはもっと高くしないとムリでしょうけどね。あと、シートもジムカーナをやるにはちょっと滑るので、滑らないシートに替えたいです。私のVTRも滑らないように、スウェード調の生地のシートに替えてるんですよ」
ーーやっぱりジムカーナ用にするには、ちょっと手はかけないとなんだね。ところで、こうして試乗してみて、購入候補になった?
「うん、安心してラフに乗れる、すごく扱いやすいバイクでした。だからこそ、もっとワインディングを走りたかったな〜って。今回は時間的に行けなかったけど、まだまだ乗ってみたいバイクはいろいろあるので、編集部さん、次はワインディング込みで試乗させてくださいね!」
足つき性もチェック!
撮影/柴田直行