初出場のA級ライダー2人

いよいよ「NAPS MOTOGYM」本戦の開催も間近に迫ってくる中、大磯を目指すライダーのさまざまな姿を紹介するこの企画も6回目。今回は二輪ジムカーナの最高峰・A級のトップライダーの中から、「NAPS MOTOGYM」に今年初出場する2人の選手を、オートバイ杯開幕戦で取材。本戦に向けた意気込みを語ってもらった。

「オッサンたちをぶっ潰してやりますよ!」小川直人(A級)

画像1: 「オッサンたちをぶっ潰してやりますよ!」小川直人(A級)

小川直人選手は31歳、ベテラン選手も多いA級の中で若手の筆頭というべき存在だ。2017年のオートバイ杯第4戦、当時B級だったがA級のトップライダーを押しのけて総合優勝しA級に特別昇格。以来トップ争いにたびたび加わるようになり、2018年の年間ランキングは7位。

「ジムカーナのトップ、A級を見るとオッサンばっかじゃないですか! あいつらぶっ潰してやりますよ! そろそろ世代交代だ!」と、いきなり過激な発言を連発!
「な〜んてね、プロレス的なコメントも面白いでしょ? でも、若いライダーがもっと頑張らないといけないのは確かなんで、いつも本当にこう思って走ってますよ。実際、オッサンたちはめちゃくちゃ速いから、簡単には勝たせてくれないし。だからもっともっと練習して、速くなんなきゃいけない」

画像2: 「オッサンたちをぶっ潰してやりますよ!」小川直人(A級)

「ジムカーナをはじめたのは、大学卒業して会社に入った年だから2010年。その頃よく安全運転講習会に行ってたんだけど、そしたら講習会に来てる人の上手い人にはジムカーナやってる人が多くて。どれ、オレもやって見るか! と思って。まず事務茶屋杯に出てみたんだけど、その最初の大会でトップタイム比195%! トップの選手のほぼ倍のタイム! もう箸にも棒にもかからないレベル。で、その時に「オレ遅いんだな…」って落ち込んだんだけど、それ以上に「このままで終われるか!」って思ってシャカリキに練習、練習、練習! その後ずっとA級に上がるまで、いや、今でもそんな感じかな。良くいえばハングリー精神、悪く言えばネガティブなパワーがここまでやって来れた原動力」

画像3: 「オッサンたちをぶっ潰してやりますよ!」小川直人(A級)

「『NAPS MOTOGYM』には去年出てないんですよ。エントリーはしてたんです。してたんですけど、でも当日ね、風邪ひいちゃった…。ところがそういう時に限って、あんなに盛り上がって、作田さんとか冨永さんとか、みんないいカッコして。ジムカーナの中で一番目立つイベントになるという。もう悔しくて、オレも目立ちたかった! とずっと思ってたんで、もう、今年こそはやってやります! 勝ちにいきます! 多少のリスクは承知の上で勝負に出ます。ま、『NAPS MOTOGYM』だからってんじゃなく、いつもそうやって走ってるんだけど。そうしないとあのオッサンたちに勝てないから。イチかバチか、ギリギリの走りを見せますよ!」

画像4: 「オッサンたちをぶっ潰してやりますよ!」小川直人(A級)

「『魅せる走り』でジムカーナの魅力が伝われば」関 吉美智(A級)

画像1: 「『魅せる走り』でジムカーナの魅力が伝われば」関 吉美智(A級)

関 吉美智選手は35歳、近年はGSX-R1000を駆ってSB級を主戦場としている選手。2018年シーズンからA級に昇格を果たしている。
「学生の頃、スポライとかHSMとかによく参加してたんです。そこで前の方を走れるようになってきたんで、ちょっと天狗になりまして。いきなりシード昇格するぐらいのつもりで、2006年の中部ダンロップ杯最終戦に出たのが最初のジムカーナ大会でした。結果、トップタイム比135%でみごとに鼻をへし折られたんですけどね。それをきっかけにジムカーナを始めたんですけど、最初のうちはサーキット走行とかミニバイクレースとかも並行して楽しんでましたね」

画像2: 「『魅せる走り』でジムカーナの魅力が伝われば」関 吉美智(A級)

「でも、だんだんジムカーナの魅力に引き込まれて…。私の考えるジムカーナの魅力は、オートバイの走りの全てが凝縮されてること、と思ってます。例えば、最高速とかはパワーがあるマシンで長い直線があれば誰でも楽しめるじゃないですか。でもジムカーナは、右に左に旋回して、フルブレーキングして、全開加速をするというのを、短いコースの中で全力で絶え間無く完璧にしなきゃならない。加えてレースよりはリスクが小さいし、本格的にやるにしても敷居は低いってこともあります。
で、2010年頃からジムカーナに専念するようになりました。そうやってジムカーナに集中するようになってから、やる以上は上を目指そうと思ってですね、時間はかかりましたがA級まで昇格できました。次の目標はSB級チャンピオン…ライバルは多いし、道のりはかなり険しいんですけどね」

画像3: 「『魅せる走り』でジムカーナの魅力が伝われば」関 吉美智(A級)

「実はジムカーナに集中するようになってから、大会は関東のダンロップ・オートバイ杯にしか出てなくてですね。だから去年は『NAPS MOTOGYM』に出てないんです。だけど、今年は中部地区の地方推薦をもらったこともあってエントリーします。『NAPS MOTOGYM』は注目度が高いし、ジムカーナに興味のない人にアピールするいいチャンスじゃないですか。
私、ヤマハ発動機の社員なんですけど、ロードレースやモトクロスに比べて社内でのジムカーナの認知度は低いんです。オートバイのメーカーでそうなんだから、一般の人なら何それって感じでしょう。だから大磯で、ビッグバイクなのにこんな走りができるんだ、こんな世界があるんだという、魅せる走りをしたいと思ってます。だからといって勝負は二の次なんて思ってません、もちろん本気で走りますよ! いつだって勝ちを狙ってますから」

画像4: 「『魅せる走り』でジムカーナの魅力が伝われば」関 吉美智(A級)

写真/柴田直行

NAPS MOTOGYM 公式サイト

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