それぞれが得意とする走りの楽しさとはどんなものか、どのような味付けの違いがあるのか、じっくり見くらべてみよう。
YAMAHA YZF-R25
外装デザインを一新し、ハンドル位置も22㎜下げて精悍なイメージを強めた。
新採用の倒立フォークは前モデルより硬めのスプリングと強めのダンピング特性で、ブレーキングや切り替えしでの車体姿勢変化が減って攻め込みやすくなった。
エンジンはそのまま受け継ぐが、足回りが良くなったことで積極的にパワーを使え、体感的には速くなったように感じる。
それでいて、流して乗っていても頼りなさはない。実に絶妙なバランスだ。
SPECIFICATION
●エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ並列2気筒
●総排気量:249㏄
●最高出力:35PS/10000rpm
●最大トルク:2.3㎏-m/10000rpm
●車両重量:167(※ABSは170)㎏
●燃料タンク容量:14L
●タイヤサイズ(前後):110/70-17・140/70-17 ※( )はABS
KAWASAKI NINJA250
2018年に登場した現行型から走りのパフォーマンスは大きく進化した。
特に素晴らしいのは8000回転からのパワーとトップエンド1万3000回転近辺までの伸びやかさ。
5千回転近くもの幅広いパワーバンドを持っているのでスムーズに、爽快に、そして速く走れる。
車体も前後タイヤの接地状態をより体感しやすくなっており、スポーツライディングを安心して楽しめるパッケージング。
街乗りも意外なほど快適だ。
SPECIFICATION
●エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ並列2気筒
●総排気量:248㏄
●最高出力:37PS/12500rpm
●最大トルク:2.3㎏-m/10000rpm
●車両重量:166㎏
●燃料タンク容量:14L
●タイヤサイズ(前後):110/70-17・140/70-17
HONDA CBR250RR
CBR250RRは「スポーツ性も備えたコミューター」ではなく本物のスーパースポーツ。
戦闘的なルックスを見た瞬間、ライディングポジションを取った瞬間、全開加速を試した瞬間、そして高速コーナーをフルバンクで抜ける瞬間。
スーパースポーツの楽しさを知るライダーであれば、RRに乗れば最低4回は感動するはず。
前傾姿勢がきついし、吸排気音も騒々しいが、このRRはスーパースポーツ。
尖ったキャラクターは当然のことなのだ。
SPECIFICATION
●エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ並列2気筒
●総排気量:249㏄
●最高出力:38PS/12500rpm
●最大トルク:2.3㎏-m/11000rpm
●車両重量:165(167)㎏
●燃料タンク容量:14L
●タイヤサイズ(前後):110/70-17・140/70R17 ※( )はABS
SUZUKI GSX250R
試乗にあたって、一般道→高速道路→峠道をすべて自走したが、移動区間で一番気持ちよかったのがGSX。
パワースペック以上に実際の発進加速が力強く、振動も少ないのでクルージングも快適。
峠道の登り区間をフル加速するような場面では、さすがにパワー不足を感じるが、中回転域を使ったツーリングペースなら不満ナシ。
80扁平の太いフロントタイヤの絶大な接地感と合わせ、舗装林道のような荒れた峠道でも不安なく走れる。
SPECIFICATIONS
●エンジン形式:水冷4ストOHC2バルブ並列2気筒
●総排気量:248㏄
●最高出力:24PS/8000rpm
●最大トルク:2.2㎏-m/6500rpm
●車両重量:178㎏
●燃料タンク容量:15L
●タイヤサイズ(前後):110/80-17・140/70-17
PHOTO:南 孝幸、森 浩輔、TEXT:太田安治、本誌編集部