ストリートファイターの草分けであるトライアンフが誇るミドルスポーツネイキッドがストリートトリプル。モデルチェンジ以降、日本ではスタンダードの「85」が人気を博しているが、後にスポーツグレードの「R」が上陸を果たすことになった。2014年当時のインプレをどうぞ!

日本の道にピッタリで楽しく 内容を考えればお買い得

トライアンフのロードスターシリーズの中で、このストリートトリプルRは非常にバランスのいいバイクだと思う。

パワフルだが少し落ち着きを優先するスピードトリプルと違い、街中で俊敏なフットワークを実現する軽快さ、クイックな峠道でもすぐに向きを変えてくれる運動性能とツーリングでの程よい落ち着きまでも併せ持つ。

そのハンドリング、エンジンがすばらしくコントロールしやすい。そんな万能優等生なのだ。

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ベースモデルのストリートトリプル85と違って、このRの足回りは前後ともカヤバ製のフルアジャスタブルショックを採用。

バネそのものはソフトめだが、そのダンパーの作動性は滑らか。

その分乗り心地がよく、荒れた路面、特にコーナリング中に乗り越える凸凹に対する走破性は格段に安定している。

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トレードマークの3気筒エンジンは熟成を重ね、非常に扱いやすく仕上がっている。

スロットルの応答は滑らかで、そのパワーは中域以上での粘りと高回転域の伸びもある。

パワーの核は8000から1万3000回転の少し手前までだ。

急激な変化は無く、あくまでもなだらかにこの回転域に繋がるので、非常に回しやすい。

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100km/h・6速でも5100回転も回ってしまう減速比だが、振動が少なく快適だ。

ただ、好き嫌いの話なのだが、このエンジンはノイズが大きめなのが気になる。ヘッドからは連続したメカ音が出ているし、排気音もドスが利いた迫力あるもの。

トリプル独特の音質なんだが、聞きようによっては騒々しく感じる人もいるかもしれない。あとひとつ、気になったのはABSの作動が少し早すぎる傾向があること。

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少し荒れたコーナーに減速しながらアプローチすると、もうひと効かせくらいできそうなのに、という感覚だ。ちょっと面倒見が良過ぎる気がする。

気になるのはせいぜいそんなことくらい。これだけの足回りが付いたスポーツNKで、ハンドリングは素直で軽快。日本の道に何不自由なく適合できる。

日本のビッグNKと比べれば少し排気量は小さめだが、それを感じさせない動力フィールもある。

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これとよく似たプライスの国産NKたちとは十分に競合できる走り、質感を持っているといっていいだろう。

つまり、けっこうお買い得だ。興味があれば、どこかで試乗してみるといい。

トリプルフィールはかなり個性的だ。気に入るかどうかは乗ってみるのが一番いい。

SPECIFICATION
■エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ並列3気筒
■総排気量:675cc
■ボア×ストローク:74×52.3mm
■圧縮比:NA
■最高出力:104PS/11850rpm
■最大トルク:6.52kg-m/8400rpm
■燃料供給装置:FI
■全長×全幅×全高:2055×740×1060mm
■軸間距離:1410㎜
■シート高:820㎜
■車両重量:193kg
■燃料タンク容量:17.4ℓ
■ブレーキ前・後:φ310mmダブルディスク・φ220mmディスク
■タイヤ前・後:120/70ZR17・180/55ZR17

RIDING POSITION

画像1: RIDING POSITION

横から見るとコンパクトだが、高さがありボリュームはある。

ごく自然な前傾姿勢で、街中や郊外の道を流すようなペースだとずっと走り続けられそうなナチュラルさが魅力。

画像2: RIDING POSITION

85よりシート高は高めだが、足着き性はまだ十分良好。

ライポジはこの方が自然だと思う。

DETAILS

画像1: DETAILS

メ排気系は変更されたものの、日本仕様の最高出力は104PS。

フルパワー版との差はわずか2PS、ほぼ遜色のないスペックとなった。

画像2: DETAILS

むき出しの異型デュアルヘッドライトとコンパクトなバイザーという、トライアンフ流のストリートファイタースタイルは健在。

画像3: DETAILS

基準の厳しい騒音規制などをクリアするために、日本仕様は本国仕様などと形状の異なるロングマフラーが装着されている。

画像4: DETAILS

多機能液晶は速度や燃料残量、燃料消費率、走行可能距離、ラップタイマーなどを表示。

回転計の青いインジケーターはギアチェンジライト。

●PHOTO:赤松 孝●TEXT:宮崎敬一郎

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