ーーエンジンのパワーとか、フィーリングについてはどう?
「今まで乗ったSVやニンジャと比べて、パワーにすごい差があるとかは感じなかったですね。もうほんとミドルクラスのバイクだなっていうか……。どうしても私の場合、普段、ジムカーナで乗ってるVTRと比較したインプレになっちゃうんですよ。だから、そりゃVTRと比べたら650ccは力強いよね、みたいな(笑)」
ーーそこを比較できるようになるための、この企画です(笑)。毎回下調べもしてるし、乗った後の感想ノートも欠かさないんだから、だいぶ引き出しは増えてきたんじゃない?
「頑張ってます(笑)。でも私的に、ドコドコ系のエンジンはあんまり好きじゃないんで、今回みたいにナチュラルに回るような4気筒のエンジンは感覚として好きでした」
ーー見た目の印象はどう? たとえば特徴的な4本出しのエキパイとかは、ヨンフォア(CB400Four)を彷彿させるものだけど。
「ヨンフォアは、存在は知ってます(笑)。エキパイの形は、私のお父さん世代の人とは『やっぱこの形が気になりますよね』って会話になるだろうし、私たちの世代だと逆に新鮮な印象ですね。それに、こういう他のバイクとは違う特徴があったり、お金や手間がかかってる感じがするのは、やっぱり大事だと思う。一人で乗ってるだけなら作りが安くても全然いいけど、いざ人とお出かけしたりする時に、自信を持って見せられるバイクの方が嬉しいじゃないですか」
ーー他に、ここは気になるって点はあった?
「長く乗ってると、お尻が痛くなる(笑)。もうちょっとシートがふわっとしてたら、最高なんですけどね。シート形状もすっぽりハマるのはいいけど、角が張ってるから、私みたいに片側にお尻を落として止まる人には、太もも部分に刺さって痛くなるんですよ。素材もちょっと滑りやすい気がします。タンクが抉れてる分、どうしても前に滑りやすいので、ブレーキングやUターンでは、かなりしっかりニーグリップしないとダメでした」
ーーUターンは、やっぱりCBの方がやりやすかった?
「CBの方がやりやすいけど、CBRでも全然余裕だったんですよ。セパハンのUターンは初めてに近かったのでドキドキしたけど、思ったより上手くできて良かったです」
ーー確かに、セパハンが苦手とは思えないくらいスムーズだったね。
「私がちょっと上手くなっちゃったのもあるんですけど(笑)。ふふっ。CBRはハンドルの位置が低めだったから、身体の下でクルンて車体を回せた感覚がありましたね。アップライトなポジションだと、Uターンの時は身体と一緒に車体を持ってく感じなんです。箱根の峠でも、CBRの方が車体を寝かせた時に、足で車体を押し込んで曲がる楽しさがあったんです。ライポジのせいか、CBではあんまりそれが感じられなくて」
ーーちなみに、なっちゃんのジムカーナのやり方は、曲がる時に足で倒し込むの? ハンドルを切っちゃうの?
「ハンドルも切るけど、足でも倒し込みます。腰をひねるっていうか、太ももで持ち上げるっていうか。回転する時は、最初に寝かし込んで、フルロックして、抜けてくみたいな感じです。最近、右回転はフルロックしてできるようになったんですよ。左回転はまだなんですけど。左だとアクセルを開けるのに腕が遠くなっちゃうから、ついクセで戻しちゃうんですよね。だから左手でハンドルを引くんですけど、今はまだちょっと意識が喧嘩しちゃってます」
ーーすごい。難しい話だ!(笑)
「そんな話もできるようになりました(笑)。私は腕が届かないから左回転の方が苦手だけど、人によっては、左回転の方がラクって人もいるんですよ」
ーーでもCBRみたいなセパハンタイプって、ハンドルを切って曲がるバイクじゃないよね。
「そうです。それでも曲がりやすいくらい、すごい車体を押し込みやすかったんです。ポジションもあると思うんてすけど、思った通りに、スッと車体が傾いてくれました。CBの方は、ちょっと想像より行き過ぎちゃったりしましたね」
ーーじゃあ、今回の2台のうち、どちらかをジムカーナで使うとしたら?
「最初はCBかと思ってたんですけど……。最近のジムカーナは、CBRみたいなカウル付きのバイクの方が人気があるんですよ。ニンジャとか、GSX-R1000とか750とか多いんです。Wディスクをシングルにして、ブレーキをちょっと効きづらくするんです。そうすると、馬力はあるのに軽くなるから」
ーージムカーナの世界も流行があるんだねぇ。
「はい。それにCBは、ハンドリングがちょっともっさりしてるように感じたんですね。CBRの方がクイックに、スマートに攻めれる感がありました。見た目的にも、今のジムカーナではカウル付きの方が速そうに見える気がするので、そういうトレンド含めて、自分が買うならCBRかな。初のセパハン選択ですね(笑)」
撮影/柴田直行