6月4日、オートレース選手養成所の第34期生卒業式が、筑波サーキット内にあるJKAオートレース選手養成所にて行なわれました。
今回卒業を迎えた第34期生は、307名の応募者から入所テストを通過した20名で、約9カ月間の訓練を経て、この日を迎えました。
オートレースと言えば、1周500mのオーバルコースを、通常8台のバイク(スズキ製600ccエンジン搭載。新人選手は500cc。)で周回するレースで、最高速度は150km/hにも達する。元ロードレーサーや、元モトクロスライダーの活躍も目覚ましく、バイクファンにとっては、かなり楽しめる公営競技なんです。
なお、第34期生の最優秀賞は元ロードレーサーの上和田拓海 選手で、6月17日に川口レース場で開催されたデビュー戦で早くも勝利を挙げています! また、優秀賞の野本佳章 選手は伊勢崎レース場で6月21日に、松尾 彩 選手は山陽レース場で7月8日にデビューを迎える予定となっています。
元全日本トライアルのトップライダー、野本佳章 選手を直撃!
これまでロードレースやモトクロス出身のライダーたちが、オートレースの世界で活躍をしているのはご存知の方も多いと思いますが、スピードよりもバランスを競うトライアルライダーがオートレースに挑戦するとどうなるのか? そんな新しいチャレンジを果たした元全日本トライアルのトップランカーで、世界選手権への参戦経験もある野本選手にお話を伺いました。
--29歳から始める養成所生活はいかがでしたか?
野本選手「いままでのトライアルライダーとしてのプライドは全部捨てて養成所に入りました。もちろんオートレースのことは全然わからないことだらけですから。養成所生活の前半は【ド素人】として入って、みんなとも上手くいってたんですけど、なんて言うんですかねぇ、段々みんなも上手くなってきて、そうすると昔の(競技者としての)プライドが蘇ってきて、みんなには負けたくないと思い始めて…モチベーションを保てました」
--トライアル選手としての経験は役立ちましたか?
野本選手「途中辛かったのは、なんでこんなに今までの経験が役に立たないんだろう。トライアルはバランスで、オートレースはスピードで、全然違うとは覚悟していたけど、オートバイの操作には自信があったんです。でも、どう操縦しても速くならない。タイムが伸び悩んでいるときはすごい打ちのめされました。でも、トライアルライダーたちに夢を持ってもらうためにも、自分がトップで卒業しなきゃな、とは思っていました」
養成所での最後のタイムアタックでは、見事トップタイムを叩き出した野本選手。第34期の選手が続々デビューを果たし、訓練生時代の最大のライバルだった上和田選手は6月17日のデビュー戦で勝利を挙げた。
野本選手のデビュー戦は今日(6月21日)、伊勢崎レース場の第4レースが予定されている。
撮影/南孝幸