福山理子さんの八丈島ひとり旅の最終回です! 1回目は船旅の醍醐味を、そして2回目は島内ツーリングでのエピソードを語ってくれました。まだご覧になっていない方は、順を追っていくとよりお楽しみいただけますよ!

レンタルバイクの返却の前に、ひとっ風呂いかなくちゃ!

八丈島には温泉がたくさんあって、無料の混浴もあるの。温泉がたくさんあるのも有名だし、1月の八丈島は寒い。水着に着替え、お湯に浸かることにした。

画像: レンタルバイクの返却の前に、ひとっ風呂いかなくちゃ!

目的の「裏見ヶ滝温泉」には、先客のおじいちゃんが二人いらっしゃった。仙人みたいなおじいちゃんに声をかけたら、15年間毎日来ているという。

「温泉のおかげで元気だよ。出てから飲む日課のビールは、こうやって温めとくんだ。冷たいビールは体冷やすからね」と、缶ビールを1缶荷物から取り出し、温泉の出るところに置く。体にいいのかわからないけど、可笑しかった。

島はこれだから面白い。温まったあと再びしばらく走り、バイクの返却時間はそろそろかなと時計を見る。

レンタルバイク屋のおじさんは「てきとーな時間で大丈夫」と言ってたけど、あと5分で返さないと。

ちょっと、ブレイク。八丈島 観光ガイド

本編の続きは後ほど。少しだけ八丈島の観光ガイドをお届けします。お話の続きは、次の見出し「温泉、滝、星、ライダーが喜ぶ島。」からどうぞ。

画像: 裏見ヶ滝温泉は、朝9時から21時までで、必ず水着着用。シャンプー石鹸等は禁止です。

裏見ヶ滝温泉は、朝9時から21時までで、必ず水着着用。シャンプー石鹸等は禁止です。

近くには、裏見ヶ滝があります。こちらも合わせて見ていただきたいです。

画像: もうひとつ、近くの名所「為朝神社」。ここにある石宮は不思議です。

もうひとつ、近くの名所「為朝神社」。ここにある石宮は不思議です。

夜は、南原千畳敷が、とってもおススメ! 周りが、ほんとーに真っ暗だから、星空がやばいんです! あたしも、あまりの美しさ、寒い体を震わせながらも、絶対に、忘れたくないって目に焼き付けた。星が近かったぁ。

画像: ちょっと、ブレイク。八丈島 観光ガイド

あたしは、小さな島では特にガイドブックなど購入しません。だいたい、旅館、ホテル、ご飯屋さんに置いてあるパンフレットやチラシなどで充分楽しめます。

ガソリンはリッター190円(2019年1月3日)だった。高めだよね。

あたしは、旅先で日本でも海外でもガソリンスタンド事情が大好き。必ずレシートなど撮影して残します。

地元のスーパーに入るのも大好き。見たことのないお菓子やお酒をみつけるだけでテンションあがります。

温泉、滝、星、ライダーが喜ぶ島。

レンタルバイク屋のおじさんに「着いたよ」と電話をすると、「すぐ行くよ~」と言ったのに、いっこうに来ない。

帰る前にも、もうすぐだよって電話したのになあと思っていたら、おじさんから電話がかかってきた。

「今からタクシーが行くからそれに乗ってホテルに帰って」

嘘でしょ、おじさん来ないの!? バイクの鍵はどうしたらいいんだ!?

画像1: 温泉、滝、星、ライダーが喜ぶ島。

動揺しているとすぐにタクシーは来た。

「わ、わ、どうしたらいい? 鍵は!?」と慌てていたら運転手さんは「いいよ。つけっぱなしで。俺のバイクじゃないから」

よくわからない状況のまま、タクシーに乗った。

「お姉ちゃん、いつ帰るの?明後日、成人式だから、一緒に出ればいいじゃん。人が足んないから」

え、あたし成人式2周以上しちゃってるけど……着物きて? 「来年、こっそり出ようかな~」と言うと「着なくたっていいよ。今年は50人いるかな~。今年だって間に合うよ」

旅を延長してまじで式に出ようと考えている間に、タクシーはホテルに着いてしまった。ありがとう。楽しかったよ。とお礼を言うと「鍵の事は言っとくよ」と、運転手さんはあたしを安心させてくれた。

タクシーのメーターを見たらバイクのレンタル料とほぼ同額だった。これはレンタルバイク屋さんのおじさん持ち、とのこと。これじゃ、おじさん商売になんないじゃん。

画像2: 温泉、滝、星、ライダーが喜ぶ島。

26時間の旅。この島の人たちのあたたかさと大らかさに感謝しながら、東京行きの船に乗った。

レンタルバイク屋さんのおじさんも、定食屋のおばさんも、温泉で会ったおじいちゃんも優しかった。今回もいい旅だ。

帰りの船には、行きに同室となった曖昧なカップルはいなかったけど、チーズをくれたおばさんはいた。けど、目があったのに、あたしに気づかなかった。

ちょっと残念な気がしたが、これが一期一会っつうやつだ。その感じもいいって思った。

今回、出会った人たちはみんな、あたしを忘れてしまったかもしれない。あたしも忘れてしまうかもしれない。

出発前にした知り合いとの会話がよみがえる。

「一人になりたいから島に行ってくる」

「いつも、ひとりじゃん」

そう言われて、少し傷ついた。

帰りの船の中、答えのようなものが出た気がした。

あたしは、ひとりになりたいからじゃなくて、ひとりになりたくないから旅に出ているのかもしれない。

文・写真:福山理子

画像3: 温泉、滝、星、ライダーが喜ぶ島。

福山理子 公式Twitter

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