伝統を受け継ぎながらも時代とともに進化!
Wシリーズは新たな可能性をどんどん拡げていく。
オートバイの原点ともいえる普遍的なスタイルを、昨今のネオレトロブームなどが到来するずっと前から貫き通し、それはWらしい個性として再認識されていった。
時代を超越した美しさや手の込んだ仕上がりが、ヒストリカルな背景など気にしない新しいユーザーをも獲得。
その扱いやすさから女性やビギナーにも支持され、普通二輪免許で乗れる400もリリースされた。
そして2011年には“650”というひとつのアイコンにもなっていた数字さえも捨て、排気量を800㏄へと拡大した。
次々に殻を破り捨て、もはやWは一部マニアが知る懐古主義的なブランドではなく、生まれ変わりと成長を続ける、カワサキにとってはZやニンジャらと肩を並べるビッグネームへと成長している。
それを強く感じるのが、海外向けの「W250」や「W175」の存在。
仕向地によっては2気筒であることさえ呪縛であり、それを払拭してしまっているのだ。
これは清々しいほどの飛躍であり、新たなる挑戦そして新境地と言っていい。
2011年 W800
2008年モデルで生産を終了していたW650、その後継が800㏄となったW800だ。
360度クランクのロングストローク設計にこだわりつつ、排気量を773㏄に拡大。
キックペダルを取り払い、吸気機構はフューエルインジェクション化されていた。
ハンドルは22.2㎜のミリサイズ径に一新され、リアショックは2段バネから不等ピッチに。
2016年 W800 Final Edition
1973年に登場した650RS W3を彷彿とさせるカラー&グラフィックに専用のエンブレムを採用。
塗装段差の少ない4度塗りのペイントは、塗装工程までW3と同様という徹底した拘りぶりだった。
Kawasaki “W” Brothers
2017年 W175
レトロな色調の車体に、ミクニVM24キャブレターがセットされた177㏄のSOHC2バルブ空冷単気筒エンジンを搭載。
オーソドックスなタックロールシートやツインショックを備え、スポークホイール仕様の足まわりは前後17インチとしている。
タンクバッチには「W」の文字があしらわれ、末弟としての存在をアピールする。
2006年 W400
排気量を下げてユーザー層の拡大を狙ったが、ターゲットにはその頃のカワサキが課題としていたレディースライダーも。
カタログ広告では女性モデルを大胆に起用し、650より35㎜低いシート高765㎜を実現し、足着き性に優れることをアピール。
インチバーで太かったハンドルもミリサイズ径にし、取り回しの良さやフレンドリーさを武器にした。
1992年 Estrella
空冷4スト単気筒エンジンの生み出す心地良い鼓動感や軽快なフットワーク、そして上質感のあるフォルムで人気を博した250㏄モデル。
Wの源流であるメグロのムードを色濃く反映していたが、2017年のファイナルエディションではW3のタンクグラフィックを再現。
海外向けでも「W250」を名乗り、Wシリーズの末弟としてアピールした。
2017年 ESTRELLA Final Edition
五感に訴えるバイクとして四半世紀もの間、幅広い層に支持された。
ファイナルエディションはタンク上に専用ロゴ(水転写デカール)を採用した