軽快な走りがウリの ザ・レジェンド
FXDL LOWRIDER
ローライダー! そのネーミングはハーレーについて、あまり詳しくない人でも耳にしたことがあるだろう。
1977年に登場して以来、その後、いつの時代にも欠かせないロングセラーモデルとなり、カスタム系FXの代表格となっているモデル。
その名の通りローアングルの車体、そして軽快なシルエットはスポーティさを感じさせるもので、走りも機敏。
エンジンを始動すると同時に全身が縦に揺さぶられ、これぞダイナファミリーと思わずニンマリしてしまう。
というのも、伝統の空冷Vツインはカウンターバランサーを持たないシンプルなパワーユニットで、それを専用のダイナフレームにラバーマウントしてあるのだが、エンジン懸架ポイントはたったの2つ。
アイドリング時にエンジンを覗き込むと、まるで生き物のようにVツインがブルブルと震え、ハーレーに普段接していない人なら「コレ、壊れていないの?」と思わず聞きたくなるほどの激しい振動だ。
しかしながら走り出せば、回転を上げるほどにさっきまで感じていた揺れが収まり、心地良いソリッドな鼓動感だけが体に伝わってくるから面白い。
わずか2000rpm(6速)にも満たない回転域でも、スピードメーターの針は80㎞/hを示し、高いギアを使ってのクルージングが得意なことがわかる。
さらに100㎞/h巡航は2300rpmほどで悠然とこなし、常用回転域となるのは2000〜3000rpmと低く、まさに余裕の走り。
もちろん、そこからアクセルをワイドオープンすれば、最大トルクを発揮する3500rpmまで頼もしく回り、怒濤の加速感が味わえる。
フロント19インチは安定志向のハンドリングだが、クセがなくニュートラルで体重移動とともに車体が素直に曲がっていく。
ポジションをコンパクトにするための脱着式のシートパッドは、小柄な人にとっては嬉しい装備。
着けるか外すかは、体格により、リアへのトラクションを掛けやすい方を選べば良いだろう。
RIDING POSITION 身長:175㎝ 体重:67㎏
新採用された脱着式のランバーパッドによって、着座位置を3.8cm前後調整できるようになったほか、ハンドルをマウントするライザーの付け根が可動式になり、60.9mmの範囲でハンドル位置を変えられる。
ステップの位置は通常のミッドコントロールに比べ前方に50.8mm移動した。
SPECIFICAITON
全長×全幅×全高 2345×905×1185㎜
ホイールベース 1630㎜
シート高 680㎜
車両重量 311㎏
エンジン型式 空冷4ストOHV2バルブ
V型2気筒(TWINCAM96)
最大トルク 11.83㎏-m/3500rpm
総排気量 1584㏄
ボア×ストローク 95.3×111.1㎜
燃料タンク容量 17.8ℓ
レイク角/トレール 30.5度/128.3㎜
変速機形式 6速リターン
ブレーキ形式 前・後
ダブルディスク・ディスク
タイヤサイズ 前・後
100/90B19・160/70B17
ポジションが自由に選べる画期的なハンドルとシート
ロー&ロングのフォルムを追求したニューローライダー。
フロントフォークを深く寝かせているのは、初代FXSから受け継いだもので、レイク角は30・5度とワイドグライド(チョッパーカスタム)の34度を除けば他のダイナモデルより深い。
このワイルドなスタイリングはローライダーならではのもので、復活を待ち望んでいたハーレーファンにとっては垂涎の1台となるはずだ。
そして、燃料タンクの上に縦置きされるスピード/タコの2連メーターは、ローライダーの代表的なアイコン。
通常のダイナモデルでは、スピードメーター内の小型液晶画面にエンジン回転数とギヤポジションなどをデジタル表示できるが、ニュー・ローライダーではアナログ式の大径タコメーターを追加装備しているため、ディスプレイにはギアポジションは表示されないようになっている。
また、アルミ製キャストホイールにセットされたフロントのダブルディスクブレーキは、強力なストッピングパワーを獲得しているだけでなく、タッチを含めコントロール性も抜群。
もちろん他のダイナ同様ABSを搭載していて、ホイールロックの心配は無用。
フロント19インチというホイールサイズも昔から変わらない。
さらに2ー1集合マフラーや燃料タンクにペイントされた大文字の力強いHーDロゴ、ヘッドライトバイザー、タックロールの段付きダブルシート、ロープロファイルな前後サスペンションなどもローライダーにはなくてはならない装備の数々。
新型ではシートの腰骨が当たる部分に脱着式のパッドが追加され、好みに合わせふたつのポジションが選べるようになった。
ライディングポジションへの配慮は徹底したもので、ハンドルをマウントするライザーの付け根を可動式にし、グリップ位置を前後60.9㎜の範囲で調整できる。
乗り手の体格を選ばなくなったのは、女性にもありがたいはずだ。