圧倒的な強さ。これが真の下田だったのだ
そしてむかえた250Proのヒート2。やはりナーバスなムードを醸す下田だったが、3度目の正直でスタートを成功させた。5番手での立ち上がりで、ロレッタリン3ヒート目にしてようやく勝負をかけられるチャンスが到来。しかし、こういう時にはライバルもスタートを成功させており、ジェットは瞬く間にトップへ躍り出る。
下田は、またもラインチョイスに手間取りペースのつかめない序盤。しかし、それはトップクラス比であって5番手から着実に一人ずつ仕留めていく下田。スウォルを料理してから、あっさりランス・コバッシュをパスして2番手へ上がった中盤、トップで十分な逃げを引くジェットは4秒前にいた。
下田には、コース後半にジェットより速い区間があった。だから、フィニッシュ前でぐっと差をつめることが見て取れたし、もし最終周でもつれたとすると、その区間でパスできる可能性も見えてきた。だいぶ離れているものの、勝利への糸口が見えてきていた。
だが、ジェットの神がかったフローは、見ているモノを困惑させるほど。相手が悪い、天才的なテクニックとスピード、そしてスパートをかけられる技術…そんな思いを去来させたのも束の間…。下田のラインはつながり、ペースがグイグイとアップ。中盤で実にジェットより1秒以上速いラップを刻み始め、あっという間にジェットを追い詰める。