ライダーはスーパーマンや
折口 一番分かりやすかったんが黒山選手だと思ってて。
藤原 なんか名前がね、エンターテイナー黒山になっていましたからね。
折口 黒山選手って普段デモンストレーションの時は、顔をお客さんの方にオーバーに向けたりするわけですけど、シティトライアルの、割と重要なセクションの中でやってましたね。僕もカメラ構えてて、何となくそんなオーラ、来るんじゃないかな、って思ってたんですけどね。普段こんな黒山選手の走りは、全日本では見れません。逆にそういう見せ方も出してくれるというのは、見ててすごく面白いと。
藤原 モータースポーツを初めて見たスポンサーさんの奥さんが、食い入るように見てたらしいんです。その奥さんと出会ってしゃべったら、真っ先に僕にありがとうって言ってくれて、すっごい楽しい時間を過ごしたって言ってくれて、モータースポーツファンじゃない人にそうやって言ってもらえるのって、すごいうれしくて。
ライダーのみんなもそういう空気を感じてたんだと思います。僕らトライアルの世界って、ライダー一人一人がトライアルが盛り上がって欲しいって思っているんです。みんな思いは一緒。だから選手たちもみんな色んな声を周りから聞こえてて、漏れてくる声に喜んでるみたいですね。
僕自身も予選でスタートするぞって時に、大学生が12人ぐらい横に来て、すっげえきゃあきゃあ言ってくれて。「何これえ」みたいな、「何やっとんの」みたいな。「これってあれじゃんYouTubeでよく見るすげえ動画のやつじゃん」みたいなことをワーワーキャーキャー言ってて、僕もすっげえおもろいの来たなと思って。今回の、予選の第2セクションって飛びつきやんか。
折口 ああ、せやなあ。
藤原 大ジャンプ見せれるぞと思て、ブーンって飛びついたら、大学生もウワーみたいな、もう絶叫してて、むちゃ喜んでたんよね。そんなんとかもむっちゃくちゃ面白くて、乗りながら楽しめた。見やがれ俺の走りみたいな感じ。こっちも走ってて面白いんですよ。だから僕のセクション造ってる設計の観点から言っても、ライダーファースト。これ一番重要。
折口 そうですね。走る方が楽しいと思えると、ライダーってね、スーパーマンなんですよね。持っているパフォーマンスをどんどん発揮してくれる。そこすごい大事やなと。