Photo by 吉田悠太
引き続き2009年JECチャンピオンであり、JNCC、G-NETでも優勝経験のあるエンデューロライダー池田智泰氏のインプレッションをお届けしよう。
外気圧センサーが改良されセッティングの信頼性が高まった
まず今年のTPIモデル全車に共通する一番大きな改良点が、外気圧センサーだ。例えばスキー場などでのレースで麓と頂上での細かな標高差でも、外気圧の変化に合わせて瞬時にインジェクションのセッティングが変わり、常に適切な混合気を供給してくれる。2019モデルまでは、TPIはクランクケースの気圧センサーを外気圧センサーとして利用しており、それなりに高度に対応できたのだが、さらにきめ細やかに対応するために、今回新たな外気圧センサーを取り入れた、というのがKTM本社の回答である。
2018年モデルからいち早く2ストロークモデルをフューエルインジェクションでリリースしたKTMとハスクバーナ。その背景に排気ガス規制EURO4(ひいてはEURO5以降も)があるのは間違いないのだが、レーシングEFIとして開発され、ファクトリーの面々もTPIを使ってきた。
18モデルから19モデルで、気になる部分はほぼ解消されたというのがOff1.jpの見解だ。それに加えて、上記の外気圧センサーは重箱の隅をつつくようなきめ細やかなアップデート。「TPIはパーフェクトとよべる域に達し、現状で改善する場所は外気圧くらいのものだった」というのが、正統な解釈だろうか。だが、ここでOff1.jpとしてはあえて変化を追わずにTPI初体験の池田智泰に試乗を依頼した。