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勝てるライダーは、勝つ準備「も」している

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渡辺の実力は、非常に高い。もしシーズンチャンピオンにオッズがつくとしたら、Off1.jpとしては1.2をつけたいくらいだ。だが、渡辺は言う。「誰が勝つかは正直わからない。準備不足で負けたら悔しいから自分なりにとことん準備はしている」と。

JNCCに参戦しはじめた頃とは、その勢いや考え方の深さがまるで違っている。1ヶ月あとに控えているISDEのことも考えていて、つまらないケガだけはしたくないとも考えている。

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「ケンジさんのほうがペースが速かったから、チャンピオンも決まるし譲ろうとも思ったが、開幕は負けたが後はすべて勝ちたいという思いもあった。無理なら確実に2位でチャンピオンを獲りにいこうとしていたから、余裕のマージンが大きかったね。はじまってみると、やっぱり勝ちたいと思った。

画像: 渡辺がタイム計測をしたスポット。こちらは、崖を滑り落ちてくるライダーがいて、予測不可能なトラブルがある

渡辺がタイム計測をしたスポット。こちらは、崖を滑り落ちてくるライダーがいて、予測不可能なトラブルがある

淡々と走って勝つことは、観ていておもしろくないと思う。だから、攻めているし、魅せる走りを心がけている。ISDEの準備は順調だよ。バイクで走り込んでいて自分のレベルも上がってきている。テストで攻め込む走りもしているし、先週で600km乗っている。バイクの動く感覚に慣れてきて、何が速いか、どう速いのかわかるようになってきた。コーナースピードも上がって入って、頭を使って疲れないように速く走るみたいなね。今日はまだ余裕があるし、このレベルではまだ負けたない」

最終戦を待たずして、チャンピオン。毎戦、渡辺にインタビューを重ねてきたが、思慮の深さに驚かされる。1年をかけて、レース参戦を通じてテスト&トライを続け、いまだにスピードを上げている。今年、どこかのレースで渡辺は言った。「たとえ、レベルの違うライダーだとしても、いいラインを知っていることがある。俺は、いろんな人のラインを盗もうとしているんだよ」と。些細なことにも目を向け、静かに思考をこらし、渡辺は前進し続ける。きっと2020年も。

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