トレールマシンのサスペンションには、二人乗りへの対応、コストパフォーマンス、様々な足かせがある。オフロードバイクでもっとも大事な「足」に本来の性能を取り戻せるとしたら、どうなのだろうか? 日本を代表するサスペンション・プロショップであり、今や世界でも活躍するテクニクスが、そのサスペンションの違いを体感できる試乗会を開催。ディープな潜入取材を試みた。

ジャンプが…飛べる…!

トレールマシンでジャンプするとすぐにサスペンションが底付きしてしまうのは、やったことない人でも想像に難くないだろう。

画像: ジャンプが…飛べる…!

こちらは有限会社テクニクスの井上代表がコースの試走をした時の様子。テクニクスのスタッフはほとんどが自身もオフロードバイクが大好きなライダー揃い。

見ての通り、ジャンプもこなせるマシンに変貌。

「フープスも気にならない!」

画像1: 「フープスも気にならない!」

自身のCRF250Lで8万kmを走っており、サスペンションのヘタリを感じてきたという岩瀬孝昌さん。今回の試乗会では自身のマシンと試乗車どちらでも自由にコースインすることができたため、じっくりと純正との比較をすることができた。

画像2: 「フープスも気にならない!」

「コースの奥が少しぬたっていて轍ができているのですが、そんなコンディションでも手前でブレーキをかけてサスペンションを沈ませて、突っ込んでいけます。トレールのサスペンションとは完全に別モノですね。マフラーが変わっているのもあるでしょうが、CRF250Lの重さをあまり感じませんでした。

コーナーで倒し込んだ時に、あ、そういえばトレールだった、と思い出す感じ。フープスみたいな早いストロークの動きが求められるようなシーンでも減衰がすごくよく効いているので、次のコーナーに意識を集中することができるんです。一番ビックリしたのはサスペンションによって体感の軽さも変わるんですね。今回はちょっと小さいコースでの試乗でしたが、もっと大きいコースでハイスピードなんかも体験してみたいですね」との感想。

「このサスがあるなら、買ってもいい」

画像1: 「このサスがあるなら、買ってもいい」
画像2: 「このサスがあるなら、買ってもいい」

「すごく、しっかりしてますね。多分ノーマルだったら、ジャンプしたらすぐに底付きしちゃいますよね。最初はおっかなびっくり試乗していたのですが、だんだんアクセルを開けても大丈夫だとわかってきて、最後はすごく楽しくなっちゃいました。

ノーマルのサスペンションでこういうコースを走るとサスペンションの挙動がバタバタして暴れてしまうのですが、これはしっかり減衰が効いているので、そんなこともなかったですね。もうね、サイドスタンドを払ってマシンを起こすだけで軽さがわかるんですよ。今ちょうどトレールマシンを何買うか悩んでいたのですが、このサスがあるんだったらCRF250Lを買ってもいいな、と思いました」と語る榎戸源範さんは、Off1.jpのツイッター投稿を見て来場してくれました!

軽さについてテクニクスの梅森氏は「最初バイクを起こした時に1Gの状態でスプリングが沈むので、それだけ軽く感じるんですね。ノーマルのCRF250Lはどうしてもリアが高い、だからコントロール性があまりよくないんです。そこで後ろを下げてディメンションを正確にしてあげるだけでオートバイがちゃんと動くようになって軽さも感じるようになるんです」と語る。

また「CRF250Lのノーマルサスは、ダンピングのアジャスターが付いていないし、拡張性がまったくない。TRICは、カートリッジを大型に変えて減衰力に余裕を出すとともにアジャストができるようにして、様々なシチュエーションに対応できるようなものにしました。今回、試乗車に装着しているTRIC FUN KITは片側ダンパー、片側スプリングというノーマルの構造を踏襲しているのですが、もっとレース志向のライダーに向けては両側ダンパー、両側スプリングのTRIC RACING KITも発売しています。市販車の限界として、どうしてもコストダウンしなければいけないところを、僕らがしっかりとコストをかけてアップグレードしているんです」と井上社長談。

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