ライダー専用メガネのパイオニア
メガネを使っているライダーは多くの悩みを抱えている。ヘルメットを被ってからメガネを差し込むときにテンプルやリムが変形しないように気を使い、頭の前傾角に合わせてメガネの位置を調整する手間もかかる。テンプルの形状によっては耳や側頭部が押されて痛くなり、フィット性が低下して下側にズレたり、逆に浮き上がってしまうこともある。
ほとんどのメガネライダーは「メガネはそういうもの」と諦めているが、その不便さを解消すべく、フレームからレンズにまでこだわり抜いたライダー専用メガネを開発したのが京都市にある『ダブルオーグラスギア』だ。
07年から販売を開始した「ライディングアイウエア」は、その見やすさと使いやすさにより一般ツーリングライダーからトップクラスのレーシングライダーまで、愛用者を増やし続けている。ライダー用メガネのパイオニアとして認知されている理由は何か?
開発者であり店長でもある檜垣氏にお話を伺った。
独自のフレーム形状と特注オリジナルレンズ
檜垣氏が最初に考えたのはヘルメットを被った状態でのフィット性を最適化すること。そこで内装とのマッチングを図るため何種類ものヘルメットを購入して内装形状を調べ、着脱のしやすさはもちろん、走行中にズレにくく圧迫感のないテンプル形状と、日本人のフェイスライン、ライディング中の視線角度に合った形状のフレームを開発した。
通常のメガネ
通常のメガネは足元が視野に入るように設計されているため、頭が前傾すると上側の視野がレンズから外れる。左右方向の視野も少なく、進路変更では大きく首を振る必要がある。
ライダー用メガネ
レンズ(リム)の仰角と左右方向まで回り込んだ形状が特徴。テンプルの形状、長さ、パッドの硬さも細かくチューニングされている。
このフレームだけでも使い勝手はかなり向上するが、檜垣氏はこれだけでは満足せず、レンズの特性を研究してライディングに適した形状、屈折率のレンズを自ら設計し、メーカーに特注することで見やすくて広い視野を得ることに成功。その後も改良が重ねられ、現在の仕様は5代目となっている。ライディングアイウエアが高く評価されているのは、考え抜かれたフレーム形状と特注レンズという、ダブルオーグラスギアのオリジナルアイテムが組み合わされ、それがさらなる相乗効果を生んでいるからだ。
ライディングアイウエアのフレームはサイズの異なる3種類で、それぞれ9色が用意されている。フレームを選んでから視力、用途(街乗り、高速ツーリング、レースなど)、体型、ライディングポジションに合ったレンズを決めるため、検眼にはしっかり時間を掛け、納期は最短で3週間とのこと。
オーダーは京都市左京区の店舗で受け付けているほか、京都まで行けない人のために全国各地でのイベントやバイク用品店で行われるTRUNK SHOW(トランクショー)でもライダー専用メガネ各種を展示し、試着、無料検眼(約1時間掛かるため予約制)、オーダーができる。実物に触れ、試着すればライダー専用のメリットを実感できるはずだ。サングラスの「ヘリウム」と「ハイドライト」、ゴーグル内に装着する「OSマスクシリーズ」も用意されているから、詳細はダブルオーグラスギアのwebサイトでチェックして欲しい。
取材協力:DOUBLE O GlassesGEAR(ダブルオーグラスギア)
京都市左京区下鴨夜光町27番地1
メゾン・ルミエール1階
TEL.075-746-4747 FAX.075-746-4749
[営業時間] AM11:00〜PM7:00
[定休日]不定休
PHOTO:島村栄二 MODEL:平嶋夏海