文:西野鉄兵/体験者:大関さおり/写真:柴田直行
ライディングスクールの聖地、それがSTEC
日本中のライディングスクールで、もっとも長い歴史を持つ「鈴鹿サーキット交通教育センター」(Suzuka circuit Traffic Education Center)。
略称の「STEC」(エステック)で親しまれているこの場所は、いわばライディングスクールの聖地。1964年に開業し、現在まで企業向けの運転レッスン、そして一般向けのレッスンが日々行なわれています。
一般ライダー向けのレッスンは、いつも予約でいっぱいになるというSTEC、何がそんなにすごいのか? 今回、オートバイ女子部の大関さおりさんが体験してきました。
「上手くなりたい」そう思っているなら、必ずいまより上達できますよ。
STECのココがすごい ①
トレーニング車両が用意されている!
STECでは基本的に、現地に用意されているホンダの車両でレッスンを行ないます。
そのため、愛車を現在持っていない人でも免許があれば受講できるのです。例えば数年ぶりにバイクの所有を考えているけど、運転の仕方を覚えているか不安、そんな人にもぴったり。
どの車両にもガードがしっかり備わっているので万が一倒してしまっても大丈夫。これが愛車で受講するスクールとの大きな違いです。
また、車両状態がどれも良好なため、安心してレッスンに集中できるというのもポイント。日々の徹底されたメンテナンスはもちろん、だいたい3~5年くらいで車両は新型車に入れ替えられているそう。
今回、大関さおりが選んだホンダCB400 SUPER FOURは、新車でした。ピカピカのバイクで走れるのはモチベーションも上がりますよね!
ちなみに乗車に必要なヘルメットやプロテクターなどの装具も借りられます。だから長袖・長ズボンを着てくれば、身ひとつで参加OK!
STECのココがすごい ②
インストラクターは専業のプロフェッショナル!
ホンダの創業者・本田宗一郎氏が「自動車に乗らなければ事故は起こらないが、事故を起こさないように正しい運転方法を教えることが大切だ」と始まったのが1963年にできた前身の鈴鹿サーキット自動車教習所でした。
その翌年、「鈴鹿サーキット交通教育センター」(Suzuka circuit Traffic Education Center)として開業。はじめは緊急自動車(白バイ)の講習から始まりました。
その後、通信・輸送・電力会社など、クルマやバイクの運転が仕事にかかせない企業向けの講習を開始。そして、一般のライダーやドライバー向けへと拡大していったのです。
だからいまは、56年もの歳月により蓄積された、最新の安全運転講習が受けられるというわけ。
さらに、インストラクターさんたちは全員専業のまさにプロ。何か別の仕事と掛け持ちしているわけじゃないんです。
日々いろいろなクセを持つライダーを目にしているから、ひとりひとりの苦手を見抜くのも早く、アドバイスも的確。みなさん笑顔で応対してくれるから、楽しくトレーニングできます!
STECのココがすごい ③
乗って乗って乗りまくる!
最後の3つ目は、STEC最大の魅力といえるかもしれません。とにかく乗って乗って乗りまくる!
もちろん、コツを解説したり、お手本を見せる時間はあります。でも、基本的には自分でバイクに乗りながら学んでいく、というスタイルが特徴です。
「習うより慣れよ」という言葉がありますが、ここでは「習いながら慣れよ」といった具合に、乗りながらアドバイスをもらえます。
実践最優先、仮に転んでしまっても怒られません。怪我がないことを確認したら、「気にしない気にしない、次はこうすれば上手くいきます!」と、受講者の方を励ましているのが印象的でした。
転んでヘコんでいる暇があったら、次は転ばないようにもっと乗り込もう! ってことですね。朝から夕方まで行なわれるレッスンは、なかなかハードなもの。
優しく指導してくれますが「熱血」さがあります。本当に「上手くなりたい」と思っている人ほど、その気持ちに応えてくれるスクールです。
次のページでは、大関さおりさんが実際に受講した1日のレッスン内容をお見せします!