若干21歳、モトクロスNB出身のライダーが
小池田を抜き、総合5位
2019年シーズン中にCOMP-Bクラスに飛び級を果たし、2020年はCOMP-Aで出場している大橋銀河が、クラス優勝を果たした。しかし、この優勝のウラにはそれどころではない成績が隠されていた。
なんと、全クラス総合で5位だったのだ。
渡辺学、熱田孝高、馬場大貴、小林雅裕、の次、つまり小池田猛や鈴木涼太らモトクロスIAライダーたちよりも上だったのだ。
大橋銀河の名前は、もちろん知っていた。2018年のJNCC開幕戦の阪下だったろうか。直接会うことはできなかったが、注目しているライダーであることをチーム員に伝えた記憶がある。しかし、ここまで成長しているとは、夢にも思っていなかった。
大橋銀河
「僕はジュニアの頃にモトクロスをちょっとやっていて、いなべや多度でよく練習していました。NBライセンスまでは取得したんですけど、高校生の時にバイクは一回やめちゃって。大学生でバイクの免許を取ってから、やっぱりオフロードが楽しくって復活したんです。
今は大学を休学していて、バイクに専念しているんですけど、その分お金が必要でバイトが忙しくって……あんまり練習できてないんです。もっとしっかり練習できる環境を整えて、いい就職をして、まずはAAライダーを目指したいな、と。
今シーズンはマシントラブルなどでリタイヤが続いていて、ようやく結果を残すことができました。BABANA SHOXのサスペンションがすごく良いのと、応援してくれる彼女のおかげで勝てたと思っています。今回はルスツに出ている同年代の保坂さんや飯塚さんが欠場しているので、彼らが戻ってきても勝てるように頑張ります」
と、とても頼もしいコメント。
「銀河団 オレ最速」の文字が踊る黒いウインドブレーカーに見覚えがある人もいるだろう。それを着た父親と彼女が、銀河の走りを見守る。周回時に出されていたピットボードにはCOMP-Aクラスの2位に対するタイム差ではなく、総合で一つ下の、つまりCOMP-AAライダーとの差が掲示されていた。クラス優勝よりも総合で上の順位を狙う姿勢が伺える。