文:二輪車新聞 編集部
※この記事は、『二輪車新聞』の公式ウェブサイトで2020年8月1日に公開されたものを転載しております。
取材したのはYSP京葉に勤務する内藤一代さん。店舗では常連客の相談相手にもなっている看板女史だ。勤める店舗は前身の『大月ヤマハスポーツショップ』から半世紀近い歴史を持つ国内のヤマハスポーツプラザ=YSP第1号店でもあり、トライアルモデルに強みを持つ店舗でもある。
店舗の設立者はヤマハの「TY125/175」の開発者で、現在はヤマハの全日本トライアル「Team FwO with YAMALUBE」を率いる大月信和さん。内藤さんの父親だ。
設立当時は父親がトライアルなどヤマハの支援する競技に関わる傍ら、販売店も経営していただけに内藤さんにとって二輪車は家業。「外では父の活動を見て、家に帰ると展示車や整備中の二輪車がたくさん置かれている。そんな生活が当たり前でした」と、当時を振り返る。
その後は自身もポケバイに乗り始め、高校生くらいからはミニバイクレースに参戦するなど、順調に二輪車人生を歩んできたそう。今でも夫婦でトライアルモデルを駆り専用コースを走り回っているとか。
現在、YSP京葉はYSP千住をはじめ墨田、船橋、つくば、福島まで店舗を持つアンフィニスポーツのグループ会社となっている。内藤さんもグループ店としてYSP京葉で勤務しているが、父親から店舗は受け継いでいない。その理由は鬼籍に入られた母親をずっと見てきたからだという。
「当時は来店客との商談もしながらスタッフの面倒を見るなど切り盛りし、家に帰ると今度は家族に食事を作って主婦業もしっかりこなす母でした。父は看板的な役割で外に出て仕事をしている事が多かったので、お店を守っていたのは実質、母でした。そんな……経営者でもあり、主婦としても偉大だった母にはかなわないと思い、家を出て嫁いだのもあり、父やスタッフとも相談して会社を譲渡しました」と話す。
アンフィニスポーツグループになったことで相乗効果が高まっているのを強く感じているという。
「グループ内のイベントでは以前からキャンプツーリングが開催されていたのですが、YSP京葉ではトライアルを楽しむお客さんもおり、そのふたつを同時に楽しむ贅沢なイベントが発足しています。グループ店のつくばの周囲でトライアルコースがあり、そこで週末にキャンプツーリングとトライアルの両方を楽しむスタイルで盛り上がっています。グループでお互いの長所が上手く掛け合っています」と、思わぬ効果に顔をほころばせる。
YSP京葉で開催しているトライアルのライディングスクール(※今年は新型コロナウイルスの影響で未開催)も好評だそうで「トライアルはバイクの乗り方を学ぶ基礎的な要素が多く、ロードレースに参戦するライダーもトレーニングメニューの中に取り入れています」と話す。
この仕事ではたくさんの人に出会えるのが嬉しいという内藤さん。これからも多くの来客と会えるのを楽しみにしているに違いない。
◆YSP京葉
▽所在地=東京都江戸川区西一之江2-14-14▽TEL03・3656・5485▽営業時間=10時30分〜19時▽定休日=毎週水曜日、第2火曜日
http://infinisports.co.jp/
文:二輪車新聞 編集部
※この記事は、『二輪車新聞』の公式ウェブサイトで2020年8月1日に公開されたものを転載しております。