そもそもエルズベルグロデオって?
エンデューロと総称される耐久オフロードバイクレースのうちでも、難しさを売りにしたものをハードエンデューロと呼ぶ。エルズベルグロデオは、まさにそのハードエンデューロの頂点として君臨しているオーストリアのレースだ。なんせ、会場では500人のライダーが崖に向かって突撃し、続々散っていく。知らない人から見たら、ただの滑落事故だ。
そして、このレースのさらにすごいところは、「宇宙一タフ」と言われる通り、1500台の予選から500台の決勝参加者が選抜され、決勝で完走できるのは例年10名ほど。年によっては、5名ということもあった。このレースに完走することは、まさに「超人」であることを証明する。
エルズベルグの数字
観客動員数は、45000人。4日間、1500人のコンペティターが40カ国から集まり、4500人が参戦の選考から漏れる。スタッフは800名、200名のガイドに、100名のエマージェンシースタッフが待機。ジャーナリストは250名が来場する。3つあるパドックは、10000台は駐車する。
なんだたったそんなもんか、と思うことなかれ。
この45000人の観客の濃さが尋常ではないのだ。
ダカールでは現地住民がずらーっと数十キロにわたり絶え間なく連なるけれど、45000人全員がエンデューロを見たい超コアな観客で、勝手な予測をするとそのうち40000人はエンデューロをしていると思う。ここに集まっているのは、一般人ではない。明らかにコアなハードエンデューロ野郎ども。だから、熱量が半端じゃない。むさ苦しいこと、この上ない。