マラソンステージ2日目で、今大会初勝利を掴んだホセ・イグナシオ・コルネホ。ダカールラリーステージ8

１月３日からスタートしたダカールラリーも残すところあと４ステージ。総合優勝を狙う上で重要になるかつ、最も過酷なステージとも言えるマラソンステージ２日目でHondaファクトリーのホセ・イグナシオ・コルネホ（ナチョ）が今大会ステージ初優勝を飾り、総合優勝を近づけた。

追いかけるトビー・プライスの猛攻

トビープライスは総合順位2位、今回の７位スタートを活かし、総合１位のナチョに、１秒でも迫りたい気迫のこもった走りで、第一WPをTOPタイムで通過。後からスタートしたホアン・バレダと区間タイム数秒差を競いながら、第４〜７WPの区間でTOPタイムを叩き出し、ステージ優勝を狙った。

ここで驚きなのは、トビーは昨日のマラソンステージ１日目の序盤で岩場によってタイヤを損傷。タイラップで補強したタイヤで、２日目も走り区間TOPのタイムを出している。信じられないライダーだ。

逃げるホセ・イグナシオ・コルネホ、サポートに回る前回王者

昨日ステージ２位で、終えたナチョはルートを切り開くリッキー・ブラベックを全力で追いかけた。前回王者のリッキーも自身のタイム差を縮めるべくかなりのハイペースで走っているが、調子を上げてきたチリ人ライダーのペースは前回王者を上回り、残り1/3でリッキーに追いついた。Hondaファクトリーとしては、総合１位のナチョが現状最も総合優勝に近い。前回王者もチームオーダーを理解し、ナチョのサポートしつつチームプレーでレースをリード。結果、トビーの猛追を振り切り、ナチョが初のステージ優勝を、最も重要なステージで成し遂げた。

ステージ８順位表（暫定結果）

Hondaファクトリーがリードする後半戦。

今回、ナチョが総合順位をキープした意味は大きい。通常追いかける側が有利で、ステージ優勝のシーソーゲームが続いたように、総合TOPもシーソーゲームになる可能性は十分あった。しかしルートを切り開きつつも、ハイペースを維持できる確固たる実力があることをリッキーとナチョが今回のステージで示した。またまだ僅差で続く、総合順位だが、今日の結果、ランキング上位の顔ぶれを踏まえると、KTMのファクトリーに対して、Hondaファクトリーの方がやや層が厚く優勢に見える。残すはあと４ステージ、18連覇の実績を誇る絶対王者KTMが、どのような攻勢に出るのか、更に激しい戦いが予想される。

総合順位表（暫定結果）