こまごまとしたものをシートバッグに詰めれば準備完了
話はキャンプに戻りますが、シート下ラゲッジスペースに入りきらなかったものをシートバッグに詰めていきました。
椅子やテーブル、食器やライト、着替え、レインスーツなどです。
キャンプ道具のパッキングを楽にする方法として、「収納スペースを2カ所以上確保する」という考え方があります。
キャンプ場で道具を片付けて撤収する際、最後にしまいたい物はテントや寝袋なんです。
夜露で濡れたテントは乾かすまで時間がかかり、寝袋も一晩過ごした後はできるだけ直後に干しておきたいもの。そのため、最後に片付けるのはこの2つになる場合が多いと思います。
ただ、そのときに収納スペースが大きなシートバッグ1つだと、主役級の大きさとなるテント&寝袋からバッグに詰めないと、上手くパッキングできません。
ADV150の場合は先述のとおり、テント&寝袋はラゲッジスペースに収納できるので安心。こまごましたものは片付けたらバッグに詰めて、あとはテントと寝袋をしっかり干せたら、シート下に詰めて、バッグを積んで出発できます。
大きなシートバッグひとつでキャンプをする場合と比べたら、撤収にかかる時間が30分くらい短縮できるといっても過言ではないでしょう。
※シートバッグは著者の私物
さて、続いてシートバッグの積載についてお伝えします。
シートは前後一体式となっています。そのため、バッグを積むとラゲッジスペースを開けるのが面倒になります。だからこそ、キャンプ場でしか使わないものを入れるのがおすすめ。レインスーツをうっかりシート下にしまっちゃうと、雨が降ってきたときに困りますのでご注意をくださいね。
ところで通常、スクーターのリアシートは荷物を積載することを想定していない場合が多いのですが、ADV150はさすがです。
このリアシートまわりの優れている点は2つあります。
① 座面が広めでフラット
② グラブバーまでほぼツライチ&グラブバーにベルトが留められる
このリアシート周りを初めて見たとき、「開発者の方、ありがとう!」と思いました。
リアシートにバッグなど荷物を積むときにグラブバーが邪魔となることはしばしばあります。ADV150の場合、シートからはみ出てもグラブバーに乗るから安心。かなり大きなバッグも積載できるでしょう。
そして、グラブバーの前後がしっかりと車体に繋がっているということ。近年では、グラブバーの後端が車体と繋がっていないバイクがままあります。
CB400 SUPER FOURなどスポーツバイクに多い、クワガタのような形状のグラブバー。かっこいいんですが、キャンプとなるとバッグを積むときに、取り付けベルトがちょっと装着しにくいんです。
CB400 SUPER FOURのシート周り
また、グラブバーが備わっていないタイプのバイクも増えてきました。
例えばCB250Rなど。こういったバイクと比べるとADV150のリアシートは格段に荷物が積みやすくなっています。
CB250Rのシート周り
グラブバーの付け根にベルトを留めて、あとはそのベルトで抑えつけるだけで、パッキング完了!
こうして、無事にまったく悩むことなく、すっきりとした積載ができました。
また、バッグを積んで思ったのですが、ADV150は荷物を積んだ状態が様になるバイクですね。
もともとの冒険感あふれるデザインにマッチし、違和感がありません。なんだか「もっと大きな荷物を積んでもいいんだぜ!」と言わんばかりで、たくましく思えました。キャンプツーリングや泊まりがけツーリングのハードルを上げてしまう積載について、今回はレポートしました。
次でラストですが、続編ではADV150の『バイクとしての面白さ』についてお伝えします。
ADV150なら、簡単にバイク旅を楽しめますよ!
【文:西野鉄兵】