ちょっと取り上げるのが遅くなってしまって恐縮なのだが、ついに今年からエンデューロIBに昇格するということで満を辞してこの記事をあげさせてもらいたい。JNCCやJECをしっかり追いかけている人は、その名を聞いたこともあるだろう。しかし、その評価はまだまだ足りないはずだ。青木琥珀というライダーは、近い将来間違いなく、前橋孝洋や保坂修一に続く、日本エンデューロ界を牽引する存在になってくれるだろう。

イタリアGP見学「俺、海外行くわ」

琥珀にとって、大きなチャンスが訪れた。大神によるジュニアエンデューロライダー育成プログラム「GAMMy with young guns」だ。琥珀はこれに飛びついた。

画像: 世界で戦える若手エンデューロライダーの育成するGAMMy with young gunsを取り組む大神智樹。

世界で戦える若手エンデューロライダーの育成するGAMMy with young gunsを取り組む大神智樹。

「この時はただ、自分が速くなりたくて、大神さんにイタリアに連れてってください、とお願いしました」

これに対して貴督さんは条件を出した。

「ガミーと琥珀が2人して当たり前のように「イタリア行くから金出してくれ」って言うんですよ(笑)。だから条件を出したんです。JNCCほうのきと、JECルスツ。そこでそれなりの成績が出せなかったら、行っても無駄だから金は出さないって。

そしたらJNCCではCOMP-R5位。ルスツでは2日目が雨でキャンセルになっちゃったんですけど、1日目でしっかりNBクラスのトップタイム、NAクラスでも3位のタイムを出してきたので、まぁこれならいいか、と」

そしてイタリアで生のEnduro GPを見た琥珀は、しっかり影響を受けて帰ってきた。

画像: イタリアGP見学「俺、海外行くわ」

「イタリアに行って初めて、ここで勝ちたいと思いました。それまでは漠然としていた目標までの距離が具体的に見えてきたんです。まず、ジュニアライダーの身体が全然違いました。あとバイクを操る基本能力も全然足りませんでした。だから帰国してからSUGOまではまたひたすら基礎。加速・減速・旋回をとにかく練習しましたね」

「イタリアから帰ってきて琥珀に最初に言われたのが「俺、海外行くから」だったんです。親の目から見ても、ヨシカズやイッコー、トモなんかと比べちゃうと、間違いなくセンスはない。でも何かが突出しているとしたら、一つのことを積み重ねる能力だけは突出していると思うんです。あと、イメージを具現化する能力もあると思います。がむしゃらに走って速くなるタイプじゃないけど、イメージを作って、それに自分の動きを合わせる能力は高いのかな」

父・貴督さんは冷静に、しかし確かな期待を込めて琥珀の成長を見守る。

This article is a sponsored article by
''.