文:西野鉄兵/写真:西野鉄兵・関野 温・山口銀次郎/モデル:北岡博樹・岩瀬孝昌
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日帰りツーリングに必要な荷物とは?
日帰りなら手ぶらでジャケットのポケットに入るものだけを持っていく、そんな方も多いと思います。もちろんそれでもOK。
なんですが、バッグがひとつあるだけでその可能性はうんと広がりますよ。ツーリング中の安心感も格段にアップします。
下の写真は、西野が日帰りツーリングで持っていく荷物の一例です。

【日帰りツーリングの持ち物リスト】
・レインスーツ
・メガネ(コンタクトレンズ用品)
・地図
・マルチツール
・テープ類
・タオル
・飲み物
・ウエス(バイクを拭く布)
・ビニール袋
・ストレッチコード
・モバイルバッテリー
・筆記用具
・カメラ
このほか、免許証/車検証/財布/スマホ(携帯電話)など絶対に必要なものはお忘れなく!

レインスーツ
収納に余裕があるときは、なるべくしっかりとした防水性の高いものを選んでいます。
西野のツーリング歴は15年ほど。経験上、免許証など絶対に必要なものをのぞき、必ず携行したいのはレインスーツです。
自宅を出るときに快晴だったのに峠では雨が……なんてことは数えきれないほど経験しています。レインスーツを持っていないときに限って雨が降るんですよ。楽しいツーリングのはずが、全身びしょ濡れになると、苦行以外の何ものでもなくなります。
レインスーツは、防寒着の代わりにもなり、標高の高いワインディングロードを走るときは必携です。山は天候も変わりやすいですからね。

メガネ/コンタクトレンズ用品
普段コンタクトレンズを使っている方は、メガネは必須ですね。走行中に風でコンタクトがずれた、飛んでいったということも何回か経験しています。メガネケースには、予備のコンタクトレンズも入れています。サングラスを携行している方も多いでしょうね。
以降は、正直好みの範疇。自分にとって必要なものは何か選んで持っていくといいでしょう。

地図
地図は最近ではスマホの地図アプリで充分と思うことが多くなりました。でも昭文社のツーリングマップルにはライダーのためのレア情報も記載されていますから、役立つことは多々あります。必要な部分だけコピーをして持つのもいいでしょう。

マルチツール

テープ類
テープは布テープが万能。個人的には養生テープが好み。ほかにもビニールテープを携行するライダーも多いですね。テープはスペースを取るので、潰したり、一定量を厚紙などに巻いて持っていくのもおすすめ。
工具に関しては、車載工具とマルチツール、テープ類でどうにかできることはやる、それ以上のことが起きたときは、潔くロードサービスを呼ぶと割り切っています。オフロード車で林道ツーリングを楽しむ場合だとまた変わってきますけどね。工具に関しては、個人の考え方で大きく変わり、個性が出るポイントでもあると思います。

タオル
白いタオルは汚れやすいので、色の濃いものがおすすめ。

飲み物
もちろん水筒でもいいですよ。
タオルと飲み物に関しては、夏場はとくに持ちたい。バッグにペットボトルが入っているだけで、なんだか安心感が増します。タオルは長めのものが便利。日帰り温泉施設に立ち寄ったときにも役立ちます。

ウエス
バイクを拭くための布をタオルとは別に携行しています。汚れたり濡れたりするものなので、ビニール袋の中に入れて持っていきます。

ストレッチコード
この製品はタナックス「キャリングコード3-V」(税込1,375円)。
www.tanax.co.jpバッグを積んでいるけれどストレッチコードを持つのは個人的なこだわりです。お土産とかで荷物が増えたとき、これが活躍します。

モバイルバッテリー
モバイルバッテリーは、充電システムが備わっていないバイクの場合は必携でしょう。スマホのGPSをオンにして一日走っていると、思いのほかにバッテリーを消費します。自宅で充電を済ませておくことと、対応のケーブルもお忘れなく。

筆記用具
筆記用具は普段から使っている手帳を携行しています。休日に仕事の連絡が来るかもしれない、というのが第一の理由ですが、ペンとメモはかさばるものではないので、バッグに入れておくのがおすすめ。

カメラ
旅先で写真を撮るのが楽しみのひとつなので、カメラはスマホと別に持っていきます。コンパクトなデジカメでもスマホで撮るのとは、なんだか写真一枚一枚の重みがちがう気がしています。自宅で旅の思い出を振り返りながら飲むビールは旨い!
アウトドア用品をプラスするのもあり!

場合によっては、簡単なアウトドア用品を持っていくことも。シェラカップとガスがあれば、景色のいい場所でコーヒーを入れたり、カップラーメンを食べたりできます。
行った先で美味しいものを食べるのも定番ですが、ちょっとしたアイテムがあれば自分だけのお気に入りの場所でゆっくりとくつろげますよ。

このときは椅子とテーブルも持っていきましたが、ガスと金属のカップがそれだけでも充分に楽しめます!
日帰りツーリングにおすすめのバッグ
さて、これらの荷物をどう持っていくか。手段は大きく分けて2種類あります。
ひとつはリュックなどのボディバッグで身に着けて持っていく。もうひとつはバイクに装着したバッグで持っていく。経験上、短距離ならリュックでもいいけれど、半日以上走る場合は、シートバッグやタンクバッグの方がいいと思っています。

リュックを背負って走ると肩が凝ります。しかも身体の動きに制限が出て、走りを思うように楽しめない。その点、日帰りツーリング向けの小さなシートバッグやタンクバッグは、バイクに装着しても空荷状態とほとんど変わらない走りが楽しめます。肩も凝りませんしね。
ここからは、そんなシートバッグやタンクバッグのおすすめ製品を紹介していきます。
タナックス モトフィズ「ミニフィールドシートバッグ」

容量:19~27L
日帰り~宿に泊まるツーリング向け
メーカー希望小売価格:税込15,400円
日帰りツーリング・バッグの最高峰と思える定番製品
個人的に最強と思っているのが、この「ミニフィールドシートバッグ」です。バイク用バッグの老舗タナックスの伝統と新技術が詰まった傑作といえるでしょう。
ひと言で魅力を表すなら「バランスが絶妙」!
つくりのよさ、サイズ感、機能性、装着の簡単さ、コストパフォーマンス、どれをとっても一級品です。

装着車量はホンダ・400X。
さきほど紹介した持ち物を入れてみました。

容量は19⇔27Lの可変式。縮めた状態の19Lでも悠々とすべて入りました。拡張すれば、菓子類などのかさばるお土産も入ります。
メイン気室のほか、多彩なポケットやドリンクホルダーが備わっているのも大きな特長。誰でも簡単に整理整頓、分かりやすい収納ができるはずです。


メイン気室には、レインスーツ、タオル、地図、カメラ、モバイルバッテリー、テープなどを入れています。

ドリンクホルダーは左右2カ所に搭載。仲間と2人で走るとき、とても喜ばれます。ソロならお茶とコーヒーなど2種類の飲み物を持つこともできますし、西野の場合は、片方にタオルなどを入れることもあります。


片側のポケットには小物を。マルチツールのほかウエットティッシュなどを入れるのもいいですね。反対側のポケットは、バイクを拭くための布を入れています。
タナックスの全製品に共通するのことなのですが、ファスナーの開閉がとてもスムーズ。しっかりしているけど開け閉めしやすいちょうどいい硬さです。

フタ部分の裏にもメッシュポケットが備わっています。ここにはバッグに標準セットされているレインカバーとストレッチコードを入れています。

さらにトップ部分にはホールディングコードが装備されていて、ここには脱いだジャケットやグローブ、濡れてしまったレインスーツを留めたりすることができます。


これはおすすめのテクニック。バッグのDリングにカラビナをひとつ付けておくと、「簡易ヘルメットホルダー」になります。かなり便利ですよ。
これら多彩な機能は、触れているだけでなんだかワクワクします。自分にとって最適な収納を突き詰めていくのもまた楽しみです。

装着車両:ホンダ・400X
タナックスにはさまざまなバッグがありますが、「ミニフィールドシートバッグ」をイチオシとしたのにはワケがあります。
それは、兄弟モデルの存在です!
同じ設計コンセプトでつくられた製品が3モデルもラインナップしています。
タナックス モトフィズ「ミドルフィールドシートバッグ」

容量:29~40L
宿に泊まるツーリング向け
メーカー希望小売価格:税込19,250円
タナックス モトフィズ「フィールドシートバッグ」

容量:39~59L
キャンプ or 宿に泊まるツーリング向け
メーカー希望小売価格:税込22,000円
タナックス モトフィズ「キャンピングシートバッグ2」

容量:59~75L
キャンプツーリング向け
メーカー希望小売価格:税込25,300円

一番大きな「キャンピングシートバッグ2」をホンダ・400Xに装着。キャンプツーリングはこれひとつでもOK!
ツーリングの期間や用途に合わせてバッグは変わるもの。ただそのたびにまったく別の形状や機能のバッグにすると、とまどうことも。
同じシリーズなら、「あれ、どこに入れたっけ?」と思うことは激減します。いま初心者で「まずは日帰りから、ゆくゆくは泊まりがけやキャンプツーリングもしてみたい」と考えている方には、とくにおすすめです!
簡単装着を実現! タナックスの「Kシステムベルト」
「ミニフィールドシートバッグ」を装着してみましょう。

タナックスの日帰りツーリング向けバッグには、「Kシステムベルト」という取付ベルトが備わっています。これがツーリングバッグの革命ともいえる、画期的なベルトなのです。

タナックスが開発した「Kシステムベルト」。4つのバックルがひとつにつながっているため、取付ベルトを紛失する心配もありません。
これまでのツーリングバッグは、前後4カ所独立したベルトで装着をするのが一般的でした。これを「もっと気軽に、さまざまなバイクに装着できるようにならないか」と考えられて生まれたのが最新の取付システム「Kシステムベルト」です。
【装着手順】
① シートを外して「Kシステムベルト」を装着します。

リアシート中央のおさまりのいい場所に備え付けます。
② グレーのベルトをキュッと締めます。

グレーのベルトをシートのサイズに合わせて締めこむことで固定力が格段に増します。
③ リアシートを普段どおり戻せば装着完了。

シートを戻す際、4つのバックルがシートの下に挟み込まれないよう気を付けてくださいね。写真のようになれば成功。
⑤ 4カ所のバックルとバッグをくっつければ完成です!

装着までの時間は約3分。2回目以降は、各ベルトの長さ調整も終わっているから1分で装着できました。
「Kシステムベルト」は、簡単なだけではありません。固定力も安心できるもの。グレーのベルトと中央のハブ部分によって高い密着性を実現しています。
また、何よりも見た目が美しい。

装着車量:ホンダ・400X
特性上、バッグをまるでリアシートの上に置いているようにしか見えないのです。
バッグを取り外して移動するときは、4カ所のバックルを外せばいいだけなのも利点。普通なら外したベルトがマフラーに当たらないように、取付ベルトを紛失したりしないように、など気をもみます。
ちなみに「Kシステムベルト」が備わった製品には、バッグを外したときに留めるための「ホルダーベルト」も備わっています。

「ホルダーベルト」が2本セットになっているので、バッグを外したときはこのように留めておけます。
近年のバイクはリアシートの後ろ側に荷掛箇所が備わっていないモデルも増えてきました。お尻がシャープなバイクでも、リアシートを外すことさえできれば、「Kシステムベルト」が取り付けられるのです。
そういった面でも「Kシステムベルト」がツーリングライダーに与えた恩恵は大きいと思います。

荷物を積むことなどほとんど想定されていないスーパースポーツマシンのスズキ・GSX-R1000Rにもこのとおり「ミニフィールドシートバッグ」は装着できます!
ぜひ週末のツーリングスポットなどで、周りのライダーの方のバッグをチェックしてみてください。いま多くのライダーが「Kシステムベルト」製品を愛用していますよ。
次のページでは、「Kシステムベルト」を採用しているほかのおすすめバッグを紹介します!