ファクトリーマシンといえば、昨今は入念なエンジンマウントによる剛性チューニングに注目が集まるところだが、今シーズンは富田・渡辺車ともにアッパーマウントはスリムな形状だ。剛性を落とすのだが、ライダーのコメントからはブレーキングギャップでの弾かれ具合などがだいぶマイルドになり、そこからのターンインについてもフィーリングが向上するとのこと。
フロントのエンジンマウントは、ファクトリーでいくつか仕様を用意しているとのことで、テストを繰り返して個人にあわせていくが、21年は二人とも同じものになったという。ポイントは、最上部のボルトで、20年からこのボルトは通しボルトに変更された。このボルトの材質や太さを変更することでも、剛性チューニングしている。スピードが上げていくなかで、昨今はフレームの剛性を落とす方向にある。フレームの剛性を落とした上で、サスペンションをあわせていく作り方をとっているとのこと。
市販車は、この世代のYZ450Fになる時にフレーム自体の剛性が少しあがったのだが、マイナーチェンジで剛性を落とし、さらにOWで剛性を落とすような方向性でマシンを仕立てている。基本は、生産車をベースとして追加工する方向で仕上げており、フレームの一部を取り替えるような手法は使っていない。