」が話題となっているが、そのT32についての詳細レポートに先立って、ちょっと前に登場し特にスポーツライディングを愛するライダーからは大きな支持を得ている「S22」にも改めて注目しておきたい。
フルバンクからフルバンクまで「瞬間移動」
ブリヂストンではS22よりも、さらに高いドライグリップ力を求めるユーザーに向けた「RS10」というサーキット性能も重視した公道使用可能な製品もあるが、実質的に様々な路面状況が考えられる公道でツーリングシーンも含めて使うにはこのS22が頂点モデルと言って間違いないだろう。よってスポーティなバイクを公道で安全に楽しく満喫したいライダーにはピッタリのはず。今回はトライアンフ・ストリートトリプルに装着してテストしてみた。

当日は気温も高く絶好のバイク日和。路面が温かいこともあってか「タイヤを温める」といったことを特別意識することなく、バイクに慣れた頃にはタイヤも準備OKといったイメージ。バイク、ライダー、タイヤのウォーミングアップが同時に済んでしまうような感覚で、スポーティな走りに移行するための準備みたいなものが要らなかったのが嬉しい。早い段階でストリートトリプルらしい活発な走りを楽しむことができた。
印象的なのはフロントの軽さ。フロントはタイヤのプロフィール(断面の形状)がそれなりに尖っているようでいかにもスポーティなタイヤというイメージ。走っても見た目通りの印象でとても軽くバンクしていき、また左右に切り返す時もただでさえ軽快なストリートトリプルがもう、ハンドルを握ってなくてもスパスパと行きたい方向へと倒れ込んでいくような素直さだ。複合コーナーではフロントブレーキをチョン掛けしてキッカケを作ってあげればフルバンクからフルバンクまで本当にあっという間。気軽に乗っていても怖くない軽快さが楽しめ、積極的にイケばその先も楽しめてしまうという印象で、ストリートトリプルの良さをさらに引き出してくれていた。

フロントはワインディングをスポーティに走って、ちょうどハイグリップコンパウンドの領域に踏み込めるぐらい。まだ7mmほど余っていることを考えると、空気圧を落としてサーキットを走っても良さそう。
対するリアは良き脇役に徹し、フロントの軽快さを安定感でサポートしているようなイメージ。これだけ軽快なのに神経質さが全く感じられないのはリアのおかげじゃないかと思う。なお立ち上がりでは大きな接地面を強力に感じられて、遠慮なくパワーをかけていくことができ、かつそんな走りをした後でも表面が荒れたということはなく、先代のS21と同等のライフを確保しているというのも真実に感じる。
これだけ意のままにスポーツライディングを楽しめるのにウェット性能やライフも確保し公道でのあらゆるシチュエーションに対応するS22。特に公道向けスポーツバイクや、スポーティマインドを持ったライダー、さらにはサーキット走行会も、という人に薦めたいブランドだ。

新パターンの採用によりウェット性能と軽快感を向上させているという。実際の走りではフロントの軽快さに対してリアの安定感が公道での気負いのない性格をサポートしていると感じた。空気圧は車両の指定で走り出し、走行後はフロント2.7、リア3.1まで上昇していたものの、それでも硬いと感じさせない許容度を持っていた。




超軽快な走りに大満足の筆者。「GSX1000SやCB1000Rといった、上半身を残して公道でコーナーの先を確認しながら走れるような、アップハン公道スポーツモデルにピッタリに感じました」

■Hレンジは茨木カメラマンが装着!
「S22」は250クラスや、400クラスに適合する「Hレンジ」もラインアップしている。そこで、普段からYZF-R3でワインディングを走っている茨木カメラマン(webオートバイの動画担当)が、愛車にS22を装着して走行した。「私はヒザを擦るような走り方はしませんが、それでもリアタイやは端の方まで使えました! フロントの曲がっていこうとするフィーリングは、感じることができましたよ」とのことで、S22のスポーツ走行のしやすさは際立っているようだ。
なお、今回テストに使用したタイヤは、いずれの空気圧も車両の指定値となっている。
BATTLAX HYPERSPORT S22 サイズ表 ※メーカー希望小売価格は税込み

■Zレンジ
Front
120/70ZR17(2万3870円)
■Hレンジ
Front
110/70R17(1万8150円)

■Zレンジ
Rear
160/60ZR17(3万2010円)
180/55ZR17(3万5200円)
180/60ZR17(3万6850円)
190/50ZR17(3万5970円)
190/55ZR17(3万6850円)
200/55ZR17(3万9050円)
■Hレンジ
Rear
140/70R17(2万3100円)
150/60R17(2万4090円)
写真/柴田直行