ベテランの凄さを感じた2&4でした!

今まで観たレースでもベテランの選手って凄いなと思った事はあるのですが、今回は「こんなに経験の差が出るんだ」と今までで1番感じたレース内容でした。

4月24・25日に三重県の鈴鹿サーキットで行なわれた「NGKスパークプラグ鈴鹿2&4レース」は全日本ロードレース選手権第2戦。開幕戦は雨が降ったりと荒れた印象でしたが、今回は晴天の中で行なわれました。

レースを終えてみると経験値の差がホントにわかりやすく出た内容で、このレースを観ることができて良かったと強く感じたのです。

結果だけ見ると、中須賀選手が2レースとも優勝。開幕戦から全て勝っていて、レース展開も同じ。もう圧勝状態。

「また中須賀選手の圧勝かぁ」と思ってしまった自分もいるのですが、でも今頑張っている若手の選手を見ていると「今後の展開が面白そうだな」と感じるし、今回の2レースとも2位だった清成選手の言葉や表情から、今の悔しすぎる心境が感じられます。だからこそ、観戦する側としては苦しい“いま”をしっかり見ておくことが大事だと思います。今後トップとの差が縮まったり、他のライダーが勝てた時に今観ているのと観ていないのでは違うなと思えるんです。

実は、今回私が楽しみにしていたのは『中須賀選手に渡辺一樹選手と清成選手がどう仕掛けていくのか?』という所。開幕戦のみスポット参戦予定だった渡辺選手が鈴鹿も出られる事になり、参戦発表後は期待が膨らみました。

開幕戦の2レースは1位は変わる事がなかったのですが、2、3位が変わりレースの内容も違いました。

今回はどっちがどう攻めていくのか? そこを楽しみに観ようと思っていたのですが、渡辺選手が怪我の為、欠場することになってしまったのです。
この時の渡辺選手の「出られなくなってしまったレースを見るのはホントに辛い」という言葉から、やはり選手として1番この時が辛いんだろうなと感じ、早く復帰してまた全日本ロードレース選手権にも参戦して欲しいなと思いました。

今回のレースは2&4という要素もありますが、それ以外にもいつもと違う点がありました。
それは、土曜日に行われたレース1。JSB1000の決勝というだけでなく、鈴鹿8耐のトライアウトも兼ねていて、完走し、エントリーしている上位18台が8耐に出られるという内容。開幕戦の時よりも参戦台数は多く、全部で67台のエントリーでした。

予選で41台まで絞られてしまうというこの大会ならではの台数にびっくり!! 予選しか走れない選手がいるなんて思ってもいませんでした。

コースを走るライダーが沢山いると、よりワクワク感が増します。特に1、2周目はそこまで差がひらかないので、次々に走り去るマシンを観られるのはたまらなかったです。

私は土曜日はヘアピンで観ていたのですが、ちょうど110Rからヘアピンに向かってくるマシン。減速して曲がり、またアクセルを開けて駆け抜けていくこの音や選手の姿には痺れました!

「ここで観てよかったなぁ」と思っていたのですが、3周目の110Rで5台が絡んだクラッシュ。セーフティーカーが入り、追い抜き禁止になってしまったのです!

セーフティーカーが入ったロードレースを久しぶりに観たからか、その光景が新鮮に感じました。

画像: すごくかっこよく見えません?!

すごくかっこよく見えません?!

ライダーからしたらタイヤは冷えてしまうし、メンタル的にも嫌な時間だったかもしれませんが、セーフティーカーのマシンを引き連れてコース真ん中を走るどっしりとした感じとその後ろでタイヤマネージメントしながらも解除を待つライダーが、速く走っている時とは違った迫力があり凄くかっこよく観えて感動しちゃいました。

でも、このセーフティーカーが今回のレースの鍵でした!
この時はトップを走っていたのが清成選手。
その次に中須賀選手。3番手に濱原選手・岩田選手・加賀山選手と続いていました。

濱原選手は開幕戦でもトップ争の中にいたり、レース2では3位表彰台で総合ランキング3位。
今回の順位はどうなるかな、とわくわくして観ていたのですが、セーフティーカー明けで一気に攻めていくのかなと注目していると何故か合図を出して後退。

シートカウルが割れてしまい、そのままPIT INでリタイアとなってしまいました。

こんな事が起こってしまうんだと思っていると、アナウンスで「1台転倒」の声。
名越選手が最終コーナー手前で転倒してしまいました。
今年からJSB1000で戦う期待の若手選手だったので、思わず「あぁ。残念、、、」とそんなこんなで感情がアワアワしていると、3位まで加賀山選手が上がっていました! なんだか凄く「ノッている」という言葉がハマるような走りをしていたのです。

トップ争いにも近づき、また面白くなっていく展開にドキドキ・わくわく。4位に下がった岩田選手も加賀山選手を猛追。

ラストラップは3位争いから目が離せませんでした! でも、10周目で清成選手を抜き、トップで走っていた中須賀選手がチェッカーという時にその裏でバトルがヒートアップし、岩田選手が130Rで転倒。

結果は、中須賀選手→清成選手→加賀山選手という順位で終わったのですが、フィニッシュ後のクールダウンラップで加賀山選手がバトルをした岩田選手をタンデムしてPITに戻ってきたのです!

このシーンには誰もが感動し、胸をうたれたと思います。こんな姿見た事がなくて、これが加賀山選手の熱さ、なんてカッコイイんだとホントに胸に響きました。

この日、表彰台に上がったのはベテランライダーばかりで、この鈴鹿サーキットの難しさとセーフティーカー後の走り方など、知り尽くしているからこそ完走でき、表彰台に上がれているんだなと、レースだけではなく、記者会見の言葉からも感じました!

中須賀選手は「昔、セーフティーカーあけで思いっきり攻めて転倒したことがあるから、自分に言い聞かせて慎重に、いけるまで待ってから攻めました。」と自分の経験から冷静に走ったことを話していたり、加賀山選手の「セーフティーカーの後はいけると思っていた」という自信に満ちた言葉。

若い選手の方が強気で攻めていけるのかなと感じやすいですが、この展開では経験の大切さ、タイヤの使い方など熟知しているベテランだからこそ出来る走りがあるんだと知ることができました!

だからこそ、私は今のベテランライダーの昔を観る事ができなかったので、年齢的に若手や中堅で頑張っている名越選手や岩田選手が、さらに経験を積んだライダーになった時、こういった場面をきりぬけていく姿が観れたら凄く感動するだろうなと思いました。

また、加賀山選手は自身の表彰台最年長記録を自分で塗り替えているとも記者会見で話されていて、ずっと参戦し続け、自分を超えていく姿にもホントに凄いな、かっこいい!と思いました。

画像: 加賀山選手が岩田選手を乗せて帰ってきたシーン。

加賀山選手が岩田選手を乗せて帰ってきたシーン。

画像: 加賀山選手の記者会見の様子。

加賀山選手の記者会見の様子。

This article is a sponsored article by
''.