いや、これ悩ましいね。プレスカブとかカブストリートならすぐに走り出せそうだけど、サビ具合は、スーパーカブ50が凄く良いね。
よし、エンジンはなんか手元にあるはずだし、スーパーカブ50にするよ。
やったぜ、オンボロカブ仲間ゲットだぜ! 細かいところ撮影しとくんで、その間に電話で値段交渉しといてくださいね。
オンボロっぷりはこんな感じ。
カビィさんこれくださーい。
車に積んどくんで、その間に請求書作っといてくださいね。
あー、そうなっちゃいましたか…。
直して乗りたかったな…。大事にしてくださいね!
大丈夫っすよ、「一生乗るつもりのカブを探してる」って言ってたし。
ともあれありがとうございます!
そうときまれば、部品探しますか。
鍵はあるし、フロントまわりは自分が乗ろうと思って、ちゃんとしたフォークにしてあります。
シートは…朽ちてますね。
あとセンタースタンド、ステップ、レッグシールド、ペダルかな。
メインスタンド付け根のシャフトは新品つけときますね。これがないとセンタースタンドだけじゃなくブレーキペダルが装着できないので。
では、フレークスさんに渡しに行きまーす。
ちなみに、積み込んで帰るとき、珍しく影山さんがずっと見送ってた。
悪いことしちゃったかな。
というわけで納車です
こういう場合でも納車って言うのかな。ジャンク部品の引き渡しって感じだけど。
うわぁ。笑えるくらいボロボロだね。
というかこれ、直すの結構時間かかるじゃん。俺、休日なくなっちゃうよ。
大丈夫ですよ、なんやかやいってどうせすぐ直してますよ。
そうそう、これだけは伝えとかないと。
今回は仕事としてのレストアじゃなくて、自分用に乗れればいいやっていう程度のレストアだからね。
かしこまりでーす!
注意
今回の記事はFLAKES佐藤さんの個人的なレストアです。
そのため通常業務とは最終的な仕上がりや作業行程が異なります。
それより見てくださいよこのサビ具合、しぶくないです!?
このサビ具合はいいね。これに自分が乗ると思うと、笑えてきますね。
あ、でもリアホイールはさすがにヤバそうだね、これは変えよう。
エンジンは、探したらモンキーバハベースの88ccと遠心クラッチの50ccがあったからどっちかにしてみようかな。
なんやかんやいってさっそくインスタにあげてたサトーさん。
レストアの方向性は「パティーナスタイル」で
そういえばレストアというとピカピカにするイメージですが、ボロさを残しますよね?
こういう場合は、ラットになるのかな。やっぱりレストアなのかな。
ラットは「わざと汚くする」ってニュアンスがあるからちょっと違うんじゃないかな。
今回の場合は、錆とかの経年劣化を活かしていくので、レストアの中でも「パティーナスタイル」が近いですね。
パティーナってのは調べたら「緑青(ろくしょう)」という意味らしい。
なるほど。自分のカブもパティーナスタイルってことにします。
ついでに調べてたらレストモッドとかラットロッドとか、ほんといろんなカスタムがあるのね。
ちなみにレストモッドは、新車のように綺麗にレストアしつつ最新の技術を取り入れる、って感じ。往年の名車のエンジン足回りを現代の水準にもっていったり、果てはEV化したり。割と何でもあり。ラットロッドは、ぼろさを楽しむラット要素とホットロッドの合わせ技。ホットロッドだとキラキラにするけど、経年を活かしたりエイジング塗装などを駆使して、見た目は味のある感じ。
納車翌日から作業開始。まずは足回りから
翌日。
案の定、さっそく連絡きたよ。
仕事前に少しさわったよー。
あれ、いきなりフロントホイールが仕上がってるじゃないですか。
外側は軽く掃除するだけにして、見えない内側はちゃんと仕上げました。
エンジンどっちにしようかな。
50ccだと制限速度30km/hだし、世の中原付二種ブームだし、88ccのが良いと思いますよ。
でも、左手にクラッチがつくんですよね。
うーん、じゃあリンク作ってハンドシフト化して、スーサイドにしようか。
スーサイドって、ハーレーとかの足でクラッチ操作するやつですか※。頭おかしくて最高ですけど、信号待ちでゆったりできないですよ。カブなのに。
※正確にはFブレーキレスでハンドシフト&足クラッチがスーサイド。ここでは足でのクラッチ操作機構をスーサイドと言っています
あ、そりゃだめだ。普通にハンドクラッチにするよ。
タンクは意外と綺麗だった。綺麗とは
そして数日後。
別件で顔出したから、せっかくなので分解手伝ってきた。バラバラにしちゃえば、作業するしかなくなるんじゃ無いかと思ってね。
分解するだけして帰宅。組み立てを気にしなくて良いのは楽しいね。
ほどなく「ガソリンタンク直したよ」との報。
ガソリンタンクを洗浄したんだけど、予想より綺麗でしたよ。
ガソリンタンク洗浄工程の画像を送ってもらったよ。
天面は良い感じのサビ具合。
まずはサンドブラスト。
で、チェックすると穴があったので修正。
強い力が加わる場所ではないので、溶接ではなく銀ロウで作業。
そして天面のボロさを残すためにマスキング。
見えない裏側はこんなに綺麗に仕上がりましたよ。装着したら全く見えないけどね。
で、天面はこんな感じ。
次回で完成するよ
とりあえず前編はここまで。
後編では一気に完成までいくよ。お楽しみに。
レポート:若林浩志