普通に街乗りすると、極めて普通のナナハンネイキッド。だけどGSX-S750は『アクセルを大きく開ける』と、とある変化が訪れるバイクです……

普通に街乗りやツーリングを『GSX-S750』でしてみると?

画像1: 普通に街乗りやツーリングを『GSX-S750』でしてみると?

先の【前編】において、私(北岡)にとって『GSX-S750』がどれくらい特別なのか? をお伝えしてきたつもり。

でもこのバイクは本当に『ちょっと街乗り』くらいじゃ、その素晴らしさが極めて感じにくいタイプだと思います。

エンジンはびっくりするくらいスムーズで、車体に剛性感があるからどっしりと安定感もある。それこそ大型バイク免許を取ったばかりの人でも難なく乗れるレベル。

ただし、街乗りにおいて、特に強烈な『何か』を感じることはありません。

画像2: 普通に街乗りやツーリングを『GSX-S750』でしてみると?

だから、大型バイク初心者の人がGSX-S750に乗ったら『見た目はイカついけど運転はしやすいな』で第一印象は終わるかもしれない。

実際、私も初乗りの時はそう思いましたし、うちの新人スタッフ(23歳の大型バイク初心者)に、街ですこし乗らせてみた時も『普通に乗りやすくてイイですね』以上の感想は出てきませんでした。

画像3: 普通に街乗りやツーリングを『GSX-S750』でしてみると?

今回は生産終了となるので遠慮なく言いますけど、GSX-S750っていうバイクは……

普通に乗ると『すごく普通のナナハン』

なんです。

はっきり言って軽い街乗り程度じゃ、GSX-S750の魅力の5%も感じられないと思います。

アクセルをワイドオープンできるなら……

画像1: アクセルをワイドオープンできるなら……

でも私は、このバイクに心酔してますから、その奥に潜むものを伝えたくて仕方ない。

そして、その第一歩は高速道路にあります。のんびりと左車線を時速80kmくらいで流しながら、追い越しついでに『ガバッとアクセルを開けて加速』する。

その時の……

音。

耳に届く音が、あまりにも素晴らしい。スポーティなバイクが好きなら、絶対に惚れます。断言してもいいです。

画像2: アクセルをワイドオープンできるなら……

マフラーから吐き出される4気筒サウンドにワイルドな吸気音をブレンド。

それだけでもGSX-S750を買う価値があるんじゃないか? と思えるほどに『ライダーの本能を刺激する音』がするんです。

中回転域では鳴くよう震えて、高回転域で突き抜ける。

その高揚感と共に、風を切って走るのは恍惚そのものです。この満足感は、ちょっと他では味わえないものがあります。

だけど『GSX-S750』は楽器じゃない

画像1: だけど『GSX-S750』は楽器じゃない

でも当然、GSX-S750は楽器じゃありません。

いやまぁ、ライダー専用の楽器としても素晴らしいんですが、根底はスポーツバイクです。それも『映え抜きのスポーツ』だと言いたい。

スーパースポーツGSX-R1000Rや新型『隼』、新型GSX-S1000など粒が揃った『スズキの大型バイク最新ラインアップ』の中でも引けを取らないほど、GSX-S750の走りはトップクラスにあると私は思っています。

画像2: だけど『GSX-S750』は楽器じゃない

5年以上も前に登場した排気量750ccのバイクが、2022年の最新モデルに引けを取らない魅力を持ってる。普通に考えたら、これ嘘っぽい話です(笑)

でも私(北岡)にはヨイショしてる、とか、提灯記事のつもりは1ミリもありません。

そして、ここからすこし『偏ったこと』を言います。

最新の電子制御は素晴らしいものです。ボタンひとつでシーンに合わせて走行フィーリングを変えられるとか、夢のようなシステムです。

画像3: だけど『GSX-S750』は楽器じゃない

だけどGSX-S750に乗ると、あまりにもエンジンフィーリングが最高すぎて『パワーモードとか別に無くてもいいや』ってなります。おそらく現在GSX-S750のオーナーの人たちは、多分みんなそう思ってる。

万が一のセーフティとしてABSとトラクションコントロールはあるんだし、とりあえずソレで十分じゃないの? って。

実際の話ですが、パワーモードとかクルーズコントロールとか最新の電子制御は素晴らしいし、あれば嬉しいけど『純粋に走りを楽しむ』だけなら、ABSとトラクションコントロールがあれば、十分っちゃ十分なんですよね。

(下に続きます)

しかも、その走りが最高レベルのクオリティに整えられてるならば……バイク乗りにとって『それ以上』なんて必要なかったりもするんです。

そして、それこそがGSX-S750。

公道を走るスポーツバイクとして、限りなく理想に近い傑作ナナハン4気筒。

ベテランライダーすらも震えるそのパフォーマンスを、この後の後編にてお伝えさせて頂きたいと思います!

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