今年の鈴鹿8時間耐久ロードレース選手権の後にwebオートバイの生配信を行ったのですが、みなさん見て頂けましたか?
今回初めての試みだったのですが、選手やチームのみなさんがお疲れの中、沢山想いを伝えて下さったのが凄く印象に残っています!
それぞれのチームが感じた事を教えて下さったのですが、チームによって話す内容も全然違い、中でも"このメンバーで走れてよかった"という言葉やチーム感を感じるお話しが多く「これが耐久レースなんだな」とスプリントレースとの違いを感じた瞬間でした。
私が最初にお話しを聞いたのは#72 Honda Dream RT 桜井ホンダの濱原颯道選手と國井勇輝選手。
このお2人は8耐前のトーク配信に出演頂き、意気込みなどを聞いていました。
なので、そのお話をふまえ実際に終わってみての感想を聞いていたのですが、最後締めようとした時に濱原選手が「最後に僕言いたい」とこのメンバーで走れた事の嬉しさや想いを話して下さったのです。
濱原選手は今回、日浦選手という主にセッティングをしてくれる心強いメンバーとMr.後輩というホントに“理想の後輩”國井選手を自分が選んだと8耐前に話して下さっていて「このメンバーにしてよかった。自分の体格が大きいのでマシンに対して我慢する部分もあるけど、このチームの為ならいい我慢になるなって。ホントにみんなで走れてよかった。また挑戦できるならみんなでやりたい」と熱い想いを伝えて下さいました。
レース終わった直後にこれがどうしてもいいたいと思える程、濱原選手にとってこの8耐をチームの軸となり進めてきた過程や想い、日浦選手と國井選手へのチーム愛の強さが溢れている姿を目の前で見ていて、込み上げてくるものがありました。
スプリントレースではマシンも共有しないですし、ライダーさんは1人。耐久はマシンも共有しなければならないし、バトンを繋いでいかなければならないって8耐を見始めてから知ってはいたけど、やはり直接選手から聞く言葉で知る重みが全然違うと感じました。
チームメイトは"ライバル"でもあるとも言われているのでここまで団結したり"チームで戦う"事を想像できていなかったので今回この想いを聞けて耐久レースの見方が変わり凄く面白いなと感じました。
また立場によっても違うとは思ったのですが、普段トークショーやSNSで見ている濱原選手とは違った責任感と自分の信頼している仲間との戦いを終えた表情や言葉がとてもかっこよく見えました。
またそれと対象に初めての8耐を経験し、チェッカーを受ける最後のライダーだったこともあり空腹だったのかお腹を満たす為にモグモグしながら登場してくれた國井選手もさすがMr.後輩と言われる言葉と愛嬌。
今回日浦選手にはお話が聞けませんでしたが、みんなでリベンジしたいという言葉も最後に聞けたのでその時がきたらまたこの3人の選手がどんな風に挑み、仲間として戦うのか興味深いなと感じました。
"リベンジしたい"という言葉がでたのはもう1チームあったのですが、それは#40 Team ATJ with日本郵便の小山知良選手からでした!
今回岩田悟選手がコロナウイルス陽性となってしまい、高橋裕紀選手と3人で走れなかったので今回急遽走ってくれた伊藤和輝選手には申し訳ないけど、来年こそはリベンジしたいとおっしゃっていました。
今回コロナウイルスの関係で出たくても出られなくなってしまったり、いろいろ大変だったと思うのですが、やはり8耐に出場するにあたってこのメンバーでという強い想いがあったんだなと小山選手の喋る言葉や表情からひしひしと伝わってきました。
来年に向けてのお話しは真剣な表情でしたが、レース振り返っての感想を聞くと思っていたよりみなさん楽しそうで少し驚きました!
このチームはベテランライダーの小山選手に高橋選手。急遽参戦する事が決まった伊藤選手は若手なので先輩から後輩への温かいダメ出しがあったり、高橋選手の1スティント目の走行終わりにデータを抜き取り燃費計算をした真面目な話しなどいろいろ聞けたのですが、それを楽しそうにみんなで話すあの雰囲気・言葉や表情が凄く輝いて見えたんですよね。
たぶんどのレースもメカニックと監督・ライダーでこうして話していると思うのですが、8時間耐久レースとなるとライダーも増え、スタッフさんの人数も増えって関わっている人が多いからこその盛り上がりや、みんなでやりきったのが伝わってきて、チームで戦うって心に響くものがあるなと感じました。
あとレース後の配信という事だったのですが、タイミング良くツナギを着たままでお話しを聞けたのが#95 S-PULSE DREAM RACING・ITECの生形秀之選手と津田拓也選手・渥美心選手。
このチームは最後の方もバトルを繰り広げ、ワークスチームに次いでチェッカーを受け結果4位だったのです。
プライベーターチームでこの結果なのが嬉しいという気持ちとこのチームの軸となる生形選手への感謝の想いが津田選手から伝わってきたり、生形選手からは「ドキドキしたこともあったけど、拓也も心もスタッフもみんなミスなく頑張ってくれたからこそ得られた4位」という言葉が、それがホントに結果に繋がっているんだと感じました。
そんな熱い想いとは反対に「目標は何位でした?」と津田選手に聞くと「今回は目標達成、いや、以上かな」と答えるとすかさず生形選手が「表彰台だろ」とツッコんでいたり、渥美選手だけは普段24時間耐久を走られているから「あっという間すぎて、まだまだ走れるのに♪」とハイテンションだったのがとてもおもしろかったです。
今回配信ではお話しが聞けなかったのですが、#25 Honda Sofukai Suzuka Racingのメカニック兼監督の中山さんにも帰りにお会いする事ができました。
配信には“部長”こと亀井雄大選手が出演して下さったのですが、実はお二人には8耐プレトークショーの配信イベントにも出演頂いていました。
その時にスタッフの人数が足りなくて、ホントに大変というお話しを聞いていて中山メカニックは「髪を切りにいく余裕もない」と仰っていたのです。
予選が行われた金曜日にお会いした時は更に髪が伸びていて「切る余裕がないくらいバタバタだったけど頑張ります」と力強いコメントを頂いていました!
終わってからお話を聞くと1度激しい転倒があった為「大変だったし、もうクタクタです。」とホントにお疲れの様子でしたが、どこかやりきった感も出ていました。
メカニックさんにお話し聞く機会が中々ないので「こんなに頑張ったのに誰にも褒めてもらえないんですよ」なんて笑いながら嘆いてもいたのですが、メカニック兼監督さんってすごいなと感じたのが日曜日の朝にお話しを聞いた時に私が「田所選手も凄く調子が良さそうで予選見ていてわくわくしました」と話すとめちゃくちゃ冷静に「そうなんですけど、だからこそ心配な部分もあるんですよね。」って。
ライダー1人1人のライディングとデーターを元に心配したり、これなら大丈夫と納得したり、8耐は1人の選手だけではないので、全て把握して、何かあったときにちゃんとカバーしてまた送り出さないといけない。この責任感や大変だけどやってやるぞ!という雰囲気が中山メカニックから出ていたのです。
実際に8耐決勝中に大きな転倒もあったのですが、チーム一丸となって直し、また送り出し、#25のマシンをコース場で見た時は「スゴい。」と感動した瞬間でもありました。
年齢は関係ないと言ったりもしますが、メカニックも監督もこの若さでされている中山メカニック、そして社員チームでメンバーみんなが若い中いろいろ頑張っている#25 Honda Sofukai Suzuka Racingにも今後注目したいと思いました。
レース後の配信は出来なかったですが、お話しを聞けた選手がもう1人#2 EVE RT 01 Webike TRICKSTAR Kawasakiの佐野優人選手です。
佐野選手にも8耐前のプレトークショーイベントに出演頂いていて、お話しを聞いていたのですが、トークショーの時とサーキットに入ってからお会いした時と印象が少し違って見えました。
プレトークショーの時はまだテストを1回終えただけという状況だったからかはわかりませんが、鈴鹿サーキットに入ってからお話しを聞くと凄く調子が良さそうでテンションが高め!またチームメイトの大久保光選手とエルワン・ニゴン選手とも相性が良さそうで「光くんが〜、エルワンが〜♪」と打ち解けている感じが伝わってきました。
予選でTOP10に入り「念願のTOP10トライアルで走れるー!!!」と嬉しそうに仰られていたのですが、今年も残念ながら一人ずつアタックするTOP10トライアルは中止に。
これには凄くガッカリされていて、更に決勝後にお話しを聞くと
「予選まではよかったんですけどね。決勝始まって2スティント目からトラブルが出ちゃってずっとPIT IN OUTの繰り返しで、、、。
エンジントラブルかなと思うんですけどまだ原因が最後までわからないまま終わって、、、。
正直かなり不完全燃焼です。予選まではよかったけど4時間目からトラブルでるし、8時間耐久はやってみないと何が起こるかわからないですね。」と凄く悔しそうな表情で8耐の難しさを語って下さいました。
更にお話しを聞くと佐野選手は今年全日本選手権に出ていないのでお客さんの前で走るのが久しぶり!そして8耐も3年ぶりの開催。今回は沢山のお客さんの中で走れたのが嬉しかっただけに"この中でTOP10トライアル走れたら最高やったのになぁ。"と8耐ならではの、しかも限られた人数しか走る事のできないTOP10トライアルへの想い、悔しさを吐き出し「もし、来年走れるならTOP10走りたい」とレース後にお話しを聞いたのですが決勝より予選への想いが強く、それだけ憧れのステージだったのだなと感じました。TOP10トライアルが行われていたら佐野選手は何の曲を選んでいたか気になりますが、その時を楽しみに、また念願叶ったらどんな1周を走られたかお話しを聞いてみたいなと思いました。
今回一番最後にお話しを聞いたのは#1 Yoshimura SERT Motul
8耐プレトークショーでは一緒にMCをして下さり、京都で行われた8耐直前トークショーイベントにはゲスト出演して頂いた渡辺一樹選手のチームですが、この8耐では予定していた選手が2人出られなくなり、グレッグ・ブラック選手と渡辺一樹選手の2人のライダーで走り切ることになりました。
予選も天候に恵まれずまさかの22番手で観客席もざわつく程でしたが、グレッグ選手の好スタートから一気に流れが変わり、結果3位でフィニッシュと感動のレース展開でした。
渡辺選手にお話しを聞くと「すごくホッとしています。」と嬉しさよりも安堵の方が強かったようで落ち着きながらレースを振り返りいろいろお話しして下さったのですが、このお話しを聞いた場所がチームの打ち上げ中のプレハブの中。スタッフの方々の嬉しそうな表情ややり遂げたぜ!という盛り上がりが凄く伝わってきました。みんなでそうやってお祝いできるレース内容だったのですが、そのスタッフさんの姿を嬉しそうに見る渡辺選手の表情からこの結果をホントにみんなで幸せに感じている瞬間なんだなと感じ、そんな中お話しが聞けてとても貴重な時間でした。
また、一番最後にお話しを聞いたのは加藤陽平監督。今回の8耐は8耐1戦だけではなく、EWC世界耐久レース選手権を去年の王者として、そして今年のポイントリーダーとして迎えた中の1戦。そして今まではテストライダーとして活躍してきた渡辺選手への想いを加藤陽平監督に聞いたのですが「正直、凄いいろんな声があったんです。それはみんな理解していて、でもこのいろいろあった中でみんなで戦えて、こうして結果が出てホントに嬉しい。」というお話しをストレートに熱く語って下さいました。
そこにはこれまでの戦いと今回の8耐をどう戦うか、予選22番手から3位という結果になるまでも含め、監督ならではの視点と想いが詰まった言葉達が私の胸には凄く響き目頭が熱くなりました。
あと私は正直、EWCって8耐しか観たことがなかったのですが、この8耐を通してYoshimura SERT Motulの活躍や加藤陽平監督の言葉・渡辺選手のお話しを聞いて9月17・18日に行われる最終戦ボルドール24h耐久が凄く観たくなりました!
今回簡潔に書いていますが「どんな話しだったの?」とまだ8耐後の生配信を見ていない方には是非レース直後の生の選手やチームの声や姿を見て頂きたいです。
今回は私が直接お話しを聞いたことを書いていますが、ホントに沢山のチームがレース直後の配信に出演して下さったんです。他にも翌日ににゃんばちゃんとRurikoさんがインタビューした動画もwebオートバイのTwitterにUPされています。
レースの後の選手の声はリアルで、面白い話しが聞ける事が多いので観てない方は是非!!!
今回8耐を通していろんな選手にお話しを聞くことで耐久レースの面白さやチームで戦うということを凄く感じました。1人欠けたらこんなにも大変で、みんなでカバーしたり、1人1人が頑張る場面もあるのですが、そこへの信頼関係や託された側の想い。それぞれから直接言葉を聞くことでより深く8耐を観ることができて、スプリントレースももちろん面白いけど、私にとってこれから耐久レースも観てみたいなと思えるきっかけになった1戦でした。
お疲れ中、応えて下さったチーム・ライダーのみなさん、鈴鹿サーキットさん、ホントにありがとうございました☆+°